娘からの手紙 *父親視点
私の娘から手紙が届いた。
その内容は少し困るものだった。
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ごきげんようお母様お父様
お父様お母様から学園に通うようにと
メイドを通してお申し付けいただきました件についてですが、
私は学園に通うことにいたしました。
ただ私は学園都市に行こうと思います。
学園都市の一番のアイン学園に行きたいと思います。
受験やお金のことは心配しないでください。
学力的には大丈夫ですしお金も自作の魔道具を売りますので大丈夫です。
ただこのたびクロという少女の奴隷をもらいましてその子も学園に行かしたいと思っております。
ですからそのためにご協力いただきたいと思っております。
クロが学園に行かないというなら私も行かないので。
ああ別に受験までの準備をしていただければもしクロが受からなくても私が受験に受かれば学校に行きますのでそこらへんは安心してください。
まあおそらく受かりますけど。
ああそうそうクロも私とおんなじ学園に受験できるようにしておいてくださいね。
クロとはいっしょがいいので。
それと私の名前ですがノアと名乗ることにしましたのでその名前で学園には登録しておいてください。
寮に入るつもりですがそれも一緒の部屋になるように手配しておいてください。
それではあなたたちに会わないことを祈って
ノアより
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ああ私たちのことを嫌っていることは知っていたが、
「会わないことを祈って」と書かれるほどとは思ってなかったよ。
それに私たちがつけた名前すら否定されるとは。
一応貴族令嬢にふさわしいちゃんとした名前を考えたんだけど。
ノアというのはどこからとって来たんだろう?
まあいい、それでノアという名前とクロという名前で学園に受験できるようにしとけばいいのだな。
寮についても適当に金を寮長あてに渡しておけば大丈夫だろう。
これで娘が学校に行ってくれる。
娘のことは結構評判になっていた。
娘は十歳になる今まで公の場に出たことはない。
そこから娘が死んだとかいうのから、狂ったというのやらいろいろな噂が出ていたのだ。
その上で学校にまで行かないとなるとどんなうわさが出るか・・・・
と困っていたのだ。
クロという少女をもらったって誰からもらったのだと聞きたいけれど、
おそらく娘は私たちに会ってくれないだろうからなあ。
アイン学園というのはドイツ語の1がアインスということからつけました。




