カウンセリング
さて私がやったことはもうお分かりでしょうか?
私がやったのはカウンセリングの応用です。
まずすべてのことは自分の体が醜いのが悪いのだと思い込ませます。
これは簡単でした。
もともとクロが自分の体が醜いのが悪いと思い込んでいたからです。
そこに自分の体「のみが」ということを付け加えるだけでしたから。
私の心は痛みましたが。
ここでのポイントはクロをぎりぎりの精神状態まで追い込むことです。
人は意外と他人の言葉を信じることはできません。
例えば他人に何かいわれてもそれを理解することはできても、感情で納得できないという感じです。
しかし人は極限にまで追いつめられるた時には、
他人の言葉がすんなりと心に入ってくるものです。
だからクロが泣き出して感情を発散させる前に気絶させました。
泣くというのは心の安全装置なので、泣いてしまえばある程度心に余裕ができてしまうからです。
そのあとはクロの心の中にいれる言葉を言うだけですが、
ここでさらにひと工夫しました。
部屋にリラックスするお香をたいたうえで、
クロに睡眠の魔法を弱くしてかけておいたのです。
お香は眠る効果のあるものにしようと思いましたが、
クロは暗殺者なので薬にはある程度耐性があるでしょう。
なのでどの強さの睡眠効果のお香を使えばよかったのかわからなかったのでリラックス効果だけにしました。
魔法についてもクロは睡眠などの魔法に耐性をつけていたようですが、
こちらはお香と違って私の本業です。
ちょうどいい強さの魔法をかけるなんて朝飯前です。
そのあとは生まれ変わりという言葉を使っています。
この言葉はカウンセリングをするうえでとても便利な言葉です。
なぜなら生まれ変わりということは、
それまでの自分の悪いとこはすべて死に、新しい良い自分が出てくる
そういうイメージを浮かべやすいからです。
今回の例でいえば
悪いところはクロの体
そして良いところのイメージはなににするか迷ったのですが、
私のものということにしておきました。
クロは私のことを親のように思っているため無条件の信頼を寄せています。
なのでその私のものは無条件にいいものだと思い込むからです。
そして最後のテクニックはすぐに起きさせるんじゃなくて一回眠らせてから起きた時には生まれ変わってると思わせることです。
心は受け入れていても頭の中は混乱しているでしょう。
それの整理のために時間を取る為です。
こうしてクロの意識改革を行ったのです。
えっ?どうして私がカウンセリングの応用なんて知ってるかって?
それはその・・・・・・・・
この技法はですね、実はカウンセリングではなくて催眠術の方法なんですよ。
悪い言い方で言いますと洗脳の仕方でして・・・・・
あの、前世の私がですね、その、軍とかで使う方法としましてね、その・・・・・・・・
まあそういうことなんですよ。
まっまあ技術なんて使い方次第で善と悪と決まりますからね。
今回のはセーフっていうことでどうかよろしく。




