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牢屋で *暗殺者視点
起きたらなんかいいにおいと温かさを感じた。
これはひと肌の暖かさだ。
なんか優しい感じがする。
男たちに輪姦されたときはなんか悪意を感じた。
それがない。
安心する。
もうちょっとこのまま・・・・・
って俺拘束されてるじゃん。
しかもその上から抱きしめられてるし。
抱きしめてるの暗殺対象だし。
なんか泣いてるし。
「おいっ、お前何している!?」
おれの暗殺対象は泣いて泣いたまま何にも答えない。
「おい?」
暗殺対象は俺が起きたことに気付くと頭を撫でてきた。
「なっなんだよ。急に。」
暗殺対象は俺の頭を撫でながら話しかけてくる。
「つらかったね。大丈夫だから。
私が何とかするからもう大丈夫。」
その声がとても優しくて、そんな声で話しかけられるのは久しぶりで
「うん。」
思わずすべてをゆだねてしまいそうになる。




