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雌犬の仕返し、略奪女の復讐  作者: 江本マシメサ
第七章 傲慢たる者に、鉄槌を!

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大森林へ

 敵影はゼロ。

 確認できたからか、レンが戻ってくる。

 ガウラは竜の背中に下り立った瞬間、子犬の姿に戻った。


「レン、大丈夫!? ケガはない!?」

「ええ、なんとか」


 二十騎ものワイバーンと聖騎士を相手にしたのに、無傷で戻ってきたらしい。

 ホッと胸をなで下ろす。


「ヴィオラさんの〝石つぶてストーニング〟のおかげで、なんとか勝つことができました」

「〝石つぶてストーニング〟だけでは、フリートヘルム・フォン・ファールハイトを倒せなかったと思うわ」

「まさかワイバーンから飛びだして、捨て身で攻撃してくるとは夢にも思いませんでした」

「本当よ」


 おそらくレンに勝つつもりで行動に出たに違いない。


「レンをガウラの上から蹴落として、自分が乗るつもりだったのでしょうね」

「ええ」


 どこからその自信が湧き出てくるものなのか。呆れてしまう。ガウラがそんなことさせるものか! と抗議するように『わうわう!』と鳴いていた。


「ガウラ、あなたも頑張ったわね」

『くうん!』


 暗黒竜の翼を生やしたガウラは、ワイバーンよりも機動力が優れていた。暗黒竜にもお礼を言うと、『グオ……』と低い声で鳴いた。

 わたしの言うことがわかっているようである。賢い子だ。


「それにしても酷いわ。あの人達、レンを殺すつもりで襲いかかってきた」

「ええ」

「いったい誰の指示なのよ」

「おそらくツォーン猊下でしょう」


 レンが聖教会に戻らないつもりなら、亡き者にしてしまおう。

 そう判断し、ワイバーンと聖騎士達を送り込んできたのか。


「でも、どうして?」

「ツォーン猊下が私の後見人なんです。私が死んだら、アイスコレッタ公爵家の財産はすべて彼の手中に渡ります」

「なっ――!?」


 なんでもアイスコレッタ公爵家の領地で火災が起き、当主をはじめとする大勢の人達が亡くなったという一報はゲラルト・ツォーンから知らされたという。

 それに伴い、ツォーン猊下がレンがアイスコレッタ公爵を継ぐことを勧め、かつ自らが後見人になり面倒を見ると名乗り出たという。


「ねえ、もしかしてアイスコレッタ公爵家の領地で起きた火災も、ゲラルト・ツォーンが画策したものなんじゃないの?」

「その可能性について、考えているところでした」


 邪魔者はすべて排除し、自分の物にしようとしていたのか。

 ここであることに気付く。


「ねえ、まさかわたしのブラッティ・ナイフの呪いも、ゲラルト・ツォーンの仕業じゃないの?」

「そう、かもしれません」


 ゲラルト・ツォーンがヒルディスをよく思っていないという話を聞いたばかりだった。

 まさかそことブラッティ・ナイフの呪いが繋がっている可能性があるなんて。


「あの古ギツネ……! 許さないわ」


 証拠があるわけではないものの、彼以上に怪しい人物などいないように思える。


「今はとにかく世界樹を目指しましょう」

「そうね」


 それからの飛行は平和そのもので、あっという間に大森林の入り口に到着した。

 下り立って気付く。この地が他と異なる、神聖な雰囲気があることに。


「ここは、本当に特別な場所なのね」

「そのようです」


 ただ、安全というわけではない。

 招かざる存在ものから世界樹を守るために、凶悪な魔獣がはびこっているのだ。

 一歩足を踏み入れたら、その洗礼を浴びてしまう。


『ギャーーーウ!!』


 突如といて現れたのは、巨大な鶏。尻がヘビになっていて、石化の呪いを持つ獰猛な魔獣だ。

 レンは剣を引き抜き、素早い一閃をお見舞いする。

 鶏の首を刎ね、石化の呪いが発動される前に仕留めてくれた。


「この先も危険な魔獣がいると思いますので、どうかお気を付けて」

「ええ、わかったわ」


 警戒しつつ、レンと大森林を進んで行く。


 

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