表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
雌犬の仕返し、略奪女の復讐  作者: 江本マシメサ
第七章 傲慢たる者に、鉄槌を!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

112/121

空中戦

 ああやって魔獣に人が跨がるというのはありえないことだ。おそらくだが、ラルフ・ガイツに依頼し、ワイバーンを用意させたのだろう。


「数は――二十騎」


 レンがぽつりと呟く。

 多勢に無勢、卑怯にもほどがあるだろう。

 皆、剣を抜いている状態だという。明らかな戦闘態勢であった。

 いったいどうやって戦うというのか。

 暗黒竜は大きいので、ワイバーンのように小回りは利かないだろう。

 ここでわたしの胸にしがみついていたガウラが飛び出す。


『くうん!』


 何を思ったのか、突然元の大きさに戻った。


『わうん!!』


 何か暗黒竜に話しかけている模様。暗黒竜が『グオオ……』と短く鳴いた。

 次の瞬間、ガウラは暗黒竜の鱗を一枚剥がす。


「え、ちょっと、ガウラ!?」

「許可を取っているようです」

「そ、そうなの!?」


 鱗が生えていた場所から、一筋の血が浮かんだ。

 ガウラはそれをぺろりと舐める。

 すると、『わおおおおん!!』と遠吠えしたかと思えば、突然背中に竜の翼が生えた。


「あれは、あの子の能力!?」


 血を舐めると、その相手の祝福を複製できるというもの。

 今回は守護獣なので、相手の要素を複製したのだろうか?

 続いてガウラは姿勢を低くし、レンに乗れとばかりに『わう!』と鳴いて促す。


「よろしいのですか?」

『わう!』


 どうやらガウラはレンに空中戦をさせるために暗黒竜に交渉し、翼を生やしてくれたようだ。


「ありがとうございます、助かります」


 レンは暗黒竜にわたしを守るように言ってから、ガウラに跨がる。


『わう!!』


 ガウラは勇ましく鳴き、暗黒竜の背中を蹴って飛び立った。

 ワイバーンの戦闘部隊がレンのもとへ到着する。


「アイスコレッタ卿、覚悟!!」


 どうやら連れ戻す気はないらしく、戦意剥き出しで襲いかかってきた。

 勢いそのまま、レンに斬りかかってくる。

 ガウラはひらりとその攻撃を回避したが、次に到着したワイバーンが爪先を向けて襲い来る。

 ワイバーンの鋭い爪はレンが剣で受け止め、そのまま力任せになぎ払った。

 バランス感覚を失ったワイバーンは飛行を維持できず、浮力を落とす。

 次々と襲い来るワイバーン部隊に、レンは果敢に戦っていた。

 ワイバーンに騎乗した聖騎士よりも、レンの戦闘力は大きく勝っている。

 けれども数が多いので、かなり厄介だろう。

 隊長格のワイバーンがやってくる。

 他のワイバーンより一回り体が大きく、獰猛どうもうそうな見た目だった。

 さらに跨がっている人物に見覚えがあってギョッとする。


「ケレン・フォン・アイスコレッタ卿、逃がしませんよ!!」


 フリートヘルム・フォン・ファールハイト、レンの魔力を奪って活躍を独り占めしていた卑怯者!! 

 今回はレンを倒した功績を我が物にしようと考えているのだろう。

 聖騎士隊の中ではそこそこの実力だろうが、レンに敵うわけがなかった。

 レンはたった一撃でフリートヘルム・フォン・ファールハイトの剣を弾き飛ばし、一瞬で奴を丸腰状態にする。

 さすがに焦ったのか、部下達に怒鳴るように指示を出した。


「特攻!!」


 特別攻撃とっこう――そう聞くやいなや、聖騎士達は「うおおおおおおおお!!」と雄叫びを上げ、ワイバーンの目は真っ赤に光り始める。


「な、なんなの?」


 次の瞬間、ワイバーンはレンめがけて一気に突撃してくる。

 すべてのワイバーンが一斉に襲いかかってきた。


「――!?」


 さすがのレンも、この数を同時にかわすのは無理だろう。

 すかさずわたしは叫んだ。


石撃ち刑ストーニング!!」


 大量の石つぶてが、ワイバーンに襲いかかる。

 勢いよく降りかかる石は、ワイバーンの翼を貫通させた。

 ワイバーン達は飛行を維持できずに、落下していく。


「うわああああああ!!」


 聖騎士達はワイバーンの背中から振り落とされ、そのまま地上へまっさかさま。

 この辺りは森なので、運がよければ命は助かるだろう。

 フリートヘルム・フォン・ファールハイトのワイバーンも飛行状態が怪しくなる。

 ここで想定外の行動に出た。


「このおおおおおおお!!」


 フリートヘルム・フォン・ファールハイトはワイバーンの背にナイフを突き刺す。するとワイバーンは驚き、急上昇していった。

 その勢いの乗って彼はワイバーンの背中から飛びだし、レンに斬りかかってくる。


「これで最期です!!」


 フリートヘルム・フォン・ファールハイトは脳天に向かって斬りかかるも、レンは剣で受け止めて弾き返した。

 それだけでなく、鋭い一撃を与える。

 

「かはっ――!?」


 レンの剣はフリートヘルム・フォン・ファールハイトの鎧を砕き、その身を切り裂く。

 真っ赤な血が、空に散っていった。


「ああああああああああああ!!!!」


 フリートヘルム・フォン・ファールハイトはそのまま落下していく。

 当然ながら、ワイバーンは彼を助けることなどなかった。 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ