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7.子供が天才の理由? 〜子供が親に話しかけるように、AIに問い掛ければ良い〜

 あなたの周りには、あなたに頻繁に話しかけてくる子供はいますか?

 あなたの近くに、「うちの子天才」と自慢してくる親御さんはいませんか?

 あなたが小さい頃、自分や周りの誰かが、「天才だったかもしれない」記憶はありますか?


 そして、自分や周囲から、いつしか天才っぽさや、斬新なアイデア、と言うのが出にくくなっていくそんな感覚は、多くの方がお持ちかもしれません。


 あなたはいつからか、ちょっとした思いつきを、親や身近な方にすぐに話すことをやめてしまっているかもしれません。


 あなたはいつからか、思ったことを言ったり書いたりする前に、一呼吸や、それ以上の時を重ねるようになったかもしれません。



 そんなことはない、と言う方は、もしかしたら自分の手帳やメモ帳に思いつくままに付箋紙を貼ったり、ボイスメモを残したりしておいででしょうか。それを整理して、形に変えて、という方法論をお持ちかもしれません。


 それが効果を発揮している方、いろいろやってみたけどはまらなかった方、様々な方がいるのではないでしょうか。


 その辺りは次章のテーマ『生成AIとフローの関係』にも関連しますが、おそらく切り分けられる要素なので、まずは一つの軸を決めてお話を致します。


 生産性っていうのは、数と質の掛け算で決まります。それはアイデアも例外ではありません。



 正規分布、という統計用語があります。それは、あらゆる「確率論的なばらつき」が存在する現象に対して、無限に近い試行がされた時に、その結果を集計した時の値の集合体が描く、釣鐘型の曲線です。


 あなたがダーツをするとき、中心を狙い続けると、等確率で左右に外れるでしょう。中心から左右30センチ以内に入る確率が68%の人は、60センチ以内に95%はいり、そして、0.27%の確率で90センチ以上外れます。68%のラインが中心から何センチなのか、と言うのがその人の実力ですね。


 あなたのお仕事が「確実に真ん中を目指す」だとしたら、たくさん練習したり、過去のやり方を習ったり調べたり、テンプレートに従ったりして、ばらつきを抑えるのが正解です。つまり、ダーツのように、68%や95%のラインを狭くしていく努力が妥当です。



 では、アイデアはどうでしょう? あなたの思考のど真ん中に、斬新なアイデアはありますか? そんな方がいたら、その人は別の意味での天才。その人の常識が他の人の特別なので、存在そのものが価値と言える方なので、一旦置いておきましょう。


 さて、そうではない方の「アイデア」は、さっきの正規分布のどこにあるでしょう? おそらくその位置のことを「上振れ」と呼ぶのではないでしょうか?


 そしてあなたの中で、どれくらい上振れしたら「斬新な発想」と思うでしょうか。その基準は、おそらくあなた自身の中にしかありません。それは16%かもしれません。2.2%かも、0.14%かもしれません。


 あなた自身の脳内では、その確率に反比例した強さで、その記憶に残るでしょう。しかしそれが消えてしまったとき、もう一度それが出現するのは、全く同じ確率を待たないといけません。それに、どこのラインまでが斬新なのか。それも人それぞれであったり、時と場合にもよるでしょう。


 だとしたら、その斬新かそうではないかの微妙なラインを含めて出力してしまう。それが良い選択になりそうです。それが、付箋やボイスメモなどを使った方法論の優れたところです。そう、ある程度斬新、と言うハードルをあえて下げることで、その出力の機会を逸することを防いでいるのです。



 ですがもし、その全ての付箋に、それなりの分量で言語化された解説がくっついたとしたら。つまり、あなたの「ちょっと斬新かも」の思いつきに、フィードバックが存在したら。


 それは、あなたがあなたの親にしていたような問いかけと、その親から帰ってきたら返答の数々と、同じような効果を発揮するのではないでしょうか。



 これが新製品や新事業といった、斬新の上に価値と実現性を上乗せすべきお仕事だったら、それは「議論の出発点」あるいは「候補」という位置付けです。


 ですがそれが創作やフィクションだったら?


 あなたは、これからいくつの「あるある」の上に、「斬新」「すごく斬新」「!??」を紡ぎ続けることが求められているでしょうか。すなわち、その上振れを拾い上げることこそが、価値を生産することそのものになりそうです。



 例えば、前話を書いている途中や、生成AIのフィードバックを眺めているとき。もしくは全く関係のないところでふと思いついたとき。


「あれ? このインフルエンサー、AIを使って24時間365日動き続けられる人だったら面白い?」


「ん? この子はイタリアで他のキャラに会うぞ。そしたら名刺を真実の口に差し出して、本人確認させるかも」


「あのキャラ、次の話ではとんでもないスピードでAIと対話させるんだよな。これって、漫画とかでよく見るゾーンとかフローと似ていないか?」


 と、こんな感じです。そして、そのたびに、今見ていたり、ポケットに入っていたりするスマホを取り出し、それをささっと入力しておきます。すると、こんな返答が返ってくるかもしれません。



「A1. それは面白いキャラクター設定です。そんな人が孔明と対決する場合、例えばこんなシーンが……」


「A2. 確かにそんなことを目の前でされたら、〇〇はびっくりして、その後で**の発想の柔軟性に大いに関心を持つでしょう。例えばこんな会話が……」


「A3.確かにその通りです! スポーツやアートで頻繁に注目されるゾーンやフローは、心理学の分野ではすでに理論が……」



 その返答を、あまり重要視せずにスルーして予定通り書き進めるか、生成AIが広げてくれたアイデアをもとに、新たなキャラ像やプロット、シーンに繋げていくか。はたまた、その対話をさらに畳み掛けるようにして、あなた自身のアイデアを膨らませるか。それは全てあなた次第です。


「Q4. もし、ある企業が、AIを駆使してその24時間行動を仕組み化して製品化したら、すごい価値ですか?」


「A4. もちろんです! それは人類の生産性を何倍にも高めるプロジェクトになります。例えばこんな形でその開発を……」


「Q5. 今、その企業のあるキャラがスペインにいます。とりあえずシエスタの2時間だけでもアプリ化したら喜ばれそうですか?」


「A5. なるほど。それは大変興味深いストーリーになりそうです。独自の文化に即した……」


 このように、連鎖的に新たな視点が生まれるかもしれません。気づいたらあなたにとってさほど大きな上振れでもない思考が、他者にとって斬新な提案になっていく。そんな日が来る可能性もあるでしょう。



 つまり、幼い子供が親に話しかけるように、生成AIに思いつきを投げかける。あなたの「アイデア」が有効に機能する可能性の期待値。それは、まずその機会の数を増やし、続いてその質すらも高まることで相乗効果を生み出し、何倍にも何十倍にも膨れ上がるかもしれません。


 そして、その入出力の頻度と、即時のフィードバック。それはある現象を誘発する、主要なカギの一つとなります。

 お読みいただきありがとうございます。

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