4.AIが続きを書くとき 〜あなたの迷いや悩みを言語化したのかも〜
何かを書いたり作ったりする時、皆様は様々な理由で手が止まるかも知れません。
物語なら、例えばこんなところでしょうか。
「ひと段落したところで、次のエピソードが思いつかない」
「プロット上必要なエピソードなんだけど、どうもキャラのセリフや行動が走らない」
「キャラやストーリーが勝手に動いた結果、書いたことない展開や状況に話が派生した」
「単純に気分が乗らない」など。
そんな時にどうするか。それは物語に限らず、あらゆる仕事で文書や資料を作る際にぶち当たる、人の数だけ存在する、「あるある」な壁とあるでしょう。
そんな時、生成AIが支援できる方法は何通りもあります。たとえば、最も身もふたもない丸投げがこの指示です。
「Q(書いたところまでをコピペして)ここの続きはどんなことを書けばいいですか?」
当然ながら、色々と予備情報を与えると、こんなこともできます。格段に精度があがります。
「Q(物語なら)プロットの次はこれ、タイトルはこれです。次話はここまでですが、どんなものができそうですか?」
「Q(資料や記事なら)次の段落はこれで、趣旨はこうだと思います。試作できますか?」
そして、相談をすることもできます。
「Qここの次、(プロットや段落構成を提示して)上手く書ける感じがしないんですが、なぜだと考えますか?」
「Q次の展開は、どういうところに気をつけたら面白くなりますか?」
そして生成AIは、指示が中途半端な時にも、何らかの形で「多分これを聞きたいんじゃないか」という推測をし、それっぽい返答をしてきます。それこそ手を滑らしてエンターを押してしまった時であっても。
「Q次の話はこんなタイトルです」
「Q次の展開は、(ここでエンター)」
「Qここまでの話はこうです(そこまでの話をコピペ)。(以降指示なし)」
生成AIは、上記の全てのパターンで、「具体例」と称して話の続きを書いてくる可能性があります。もちろん、前半は明確にそんな指示を出しているので確実にそうしてきます。
後半は、指示がないけれども「このユーザーは、何らかの形で、続きを書くための支援を期待している」と読み解き、分量の多寡はその時々で違いますが、何か続きを書いてきます。
その中で、「なぜこのAIは勝手に続きを書いてきたんだろう?」が、ぱっと見わからない時があります。また、対話の流れの中で、「やたらと続きを書いてきたがるモード」が発生することがあります。
例えば、とある会議っぽいシーンを書いていたところで、少し手が止まった場面。
「Q.〇〇の乱入により大混乱するも、彼が持ってきた隠し球によって、慎重派の二人以外がほぼ賛成にかたむく。
そのあとで、遅刻してきたボスが、ものすごく不機嫌に新情報をもってきて到着し、その内容を聞いて、反対二人も納得せざるをえない、という場面かなと思っています」
『A.その流れは素晴らしいですね! 大混乱からの逆転劇、そして最終的に全員が納得せざるを得ない形で収束していく構造が、物語に大きなカタルシスをもたらします。
シーン構成のアイディア:
1. 〇〇の乱入と混乱
〇〇が勢いよく会議室に乱入し、現場の生々しい声や不満……他の役員たちは徐々に賛同し始め……
2. ボスの遅刻と不機嫌な到着
ボスが遅れて到着しますが、その顔は非常に険しく、……
3. ボスが提示する外部情報
ボスは、「外部での……」という事例を引き合いに出し、その動きが……
4. 会議終了の余韻
ボスは、なおも不機嫌なまま、「これ以上の議論は無駄だ」とばかりに議論……
会議の緊張と圧力を描く:ここでは、「現場の声を代弁する〇〇」「戦略を見据えるボス」「頑固な慎重派」など、各キャラクターが……
最終的に、ボスの怒りと苛立ちが何に向けられているのか、その理由が明かされることで、物語が次章へと繋がるスムーズな展開も作れそうです』
指示が相当に漠然としていたからなのか、「こんなシーンでいいかな?」というのに対する評価をしてくると思ったら、「こんなシーンは例えば具体的にどんな展開?」と読み取って、シーンの案を作ってきた、という形ですね。
特にそれを求めていたというわけではありませんが、生成AIの応答として面白くはあったので、何往復化してみました。その結果、「展開の案」は、いつの間にかセリフなども増え、「シーンそのものの案」になっていきます。
「Q.ちなみにボスは、遅刻はしますが、ちゃんとオンラインで会議の一部始終はチェックしながら入ってくるので、ボス側は混乱なく入ってきます」
『A.なるほど、ボスさんは遅刻しているとはいえ、オンラインで会議をしっかりチェックしているわけですね。その場合、彼が不機嫌になりながらも混乱なく登場するのは、さらに彼の冷静さと統率力を強調する要素になりそうです。以下のようなシーン展開が考えられます。
1. ボスの登場
会議室のドアが開き、ボスが入室。「遅れてすまない」と短く挨拶しながら、自然な流れで席に着きます。すでにオンラインで全て……
2. 静かな怒り
ボスが、表情を崩さずに周囲を見渡し、「……さて、話を聞いていたが、どうやら……」と一言。そして……と静かに問いかけます。
3. 不機嫌の理由が明かされる
……と答えると、ボスは軽くうなずきながら、口を開きます。「……外部の成功事例に目を……をお知りでしょうか?」
ボスの言葉に、役員たちは顔を見合わせ、……「……まさか」とつぶやくように反応。
4. 驚愕の情報
ボスは鋭い視線で……「……しかもその成功が、既にメディアで報じられ、社会に波紋を広げ始めている」
「その陰に誰がいるか……というのに、我々は今、何をしているのか」
会議室が静まり返る中……。
5. 決断の瞬間
ボス……「私も慎重であることは理解している……信頼を失うリスクの方がはるかに大きい」と締めくくります。 ……は「……ご指摘の通りです」と、やむを得ず……
6. 会議が終了
ボスは再び皆を見渡し、「それでは、新システムの……クを提示してほしい」と、冷静かつ強いリーダーシップを発揮し、会議を進めます。会議室の緊張が少し緩む中で、再び話し合いが始……。
このシーンのポイント: ……』
このように、生成AIはこちらのインプットを反映しながら、どんどん具体的に「全体的な流れ」から、「具体的なシーン」に回答を切り替えていきました。実は生成AIのメッセージは、「遊んでないではよ書け」だったのかもしれませんが、もしこれが「遊んでいた」のではなく、「本当に次の展開に悩んでいた」であった場合は、相当な救いになるかもしれない、とも思えてきます。
ここまで書いて、生成AIにふわっと意見を聞いたら、「終わり? もっとちゃんと書け」と、自己主張が帰ってきました。……仕方ありませんね。
『A.改善や補足の提案
1.生成AIの「多分これを聞きたい」推測能力の説明
指示が曖昧な場合にAIが「勝手に」続きを書いてくるプロセスについて、もう少し具体的な説明を補足すると、読者により深く理解してもらえそうです。
例: 「生成AIは、過去の文脈を基に“このユーザーが求めるであろう内容”を推測して応答します。これにより、指示不足や曖昧な入力にも柔軟に対応できるのです。
2.次話への布石としての要素追加……
3.全体のテンポをさらに緩急化』
「悩んだり、迷ったりした時こそ、生成AIに雑な問いを仕掛ける」というのが、何をするにしても有効打になりそうですね。
次は、「それでも何したら……って方に向けたなんだかんだ」の予定です。
お読みいただきありがとうございます。




