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1.5.あなたに鍛えられるAI 〜生成AIはあなたの「鏡」と言ってきた〜

 生成AIを何度か使ってみると、人によっては「長いな……」とか、「物足りないかも」などと思うかもしれません。ですがそれは、あなたが思うがままに使ううちに、少しずつ消えていく感情、なのかもしれません。



「Q.質問に答えさせたり意見を求める場合で、特に制限をしなかった場合は、同じくらいの値に落ち着きますか?」


『A.制限を設けない場合でも、生成AIは過剰に長くならず、特定の範囲(質問に応じて200〜600文字程度)に落ち着くことが多いです』


 とのことですが、実際には結構変わる要因があります。文字数は、プロンプト、つまりユーザーがどんな質問のしかたで聞いてきたかに直接左右されます。「短く、端的に」だったり、「詳細に、丁寧に」だったりと言った明示的な指示は、その分量を最も大きく変えるでしょう。


 また、生成AIは何回かに一回「どちらの回答が好みですか?」という形でユーザーに選択肢を与えてきます。そんな時に、常に長い方を選んだり、短い方を選んだりしたらどうなるか。つまりそういうことです。


 そして、一度めの回答に対して、それで話題を終わらせずに、畳み掛ける質問をする場合。それによっても、答えの長さというのは大きく変わるそうです。「ここだけ追加で」なのか、「ここ詳しく」「こうなったら」なのかで結果は短くも長くもなります。



 とある作者が、自分のデータのログを確認すると、返答の幅が、おおよそ500〜1000文字の範囲内に収まっていました。先ほどの標準よりも明らかに多いです。


「Q.使っていて日本語700文字前後にピークがある場合、やや長めにカスタマイズされているということですか?」


『A.以下のような理由から、やや長めの出力にカスタマイズされている可能性が高いです。


1. モデルのデフォルト設定

 デフォルト設定では、300〜500文字程度が標準的な出力範囲ですが、ユーザーが詳細な説明を求めたり、具体例を含むような質問をする場合、自然に文字数が増える傾向があります。


2. カスタマイズされた出力

 700文字前後にピークがある場合、以下のカスタマイズや環境の影響が考えられます:

(1) トークン制限や出力設定

 ユーザーが一貫して長めの回答を求めているため、それに応じたチューニングがされている可能性。

(2) プロンプトの傾向

 プロンプト「具体例を挙げて」「メリットとデメリットを教えて」などだと、AIは自然に700文字程度のボリュームに達します。

(3) 言語の影響

 日本語の700文字は英語よりも多くの情報を含む形になります。議論や比較、未来予測などを好むと、自然にその文字数に達します』



 どうやらいつのまにか、AI側が空気を読んで変えてきた、ということのようです。


「Q.追加指示を明示的に出していることは少ないですが、畳み掛けるように関連する質問をすることは多い気がします」


『A3.関連する質問を畳み掛けるように行う場合、それが明示的な追加指示に匹敵するほどAIの出力傾向に強く影響を与えている可能性があります。関連性の高い質問を続けることで、AIは次のような学習や推測を行います:


(1) ユーザーの関心や期待を深く理解しようとする

 番号を振る質問や掘り下げ型の質問が多い場合、AIは「詳細な説明を好むユーザー」と認識します。

(2) 出力の長さや情報量を自然に増加させる

 関連質問が多いと、AIは文脈をつなげる必要があるため、出力が徐々に長くなりがちです。一度に提供する情報量も、流れを断ち切らないよう増やされる傾向があります。

(3) 回答のトーンや形式が固定される

 AIが「このトーンや構成が適切だ」と認識し、似た形式で応じる傾向が強まります。例えば、背景説明→結論→具体例のようなパターンが一度成立すると、それが続きやすい。


 明示的に「詳しく説明して」と言わなくても、深掘りや追加要求、結論の確認など、暗黙の指示が質問の流れに含まれることがあります』



「Q.つまり、AIが空気を読んでいるということですね」


『A.その通りです!生成AIは空気を読んでいるとも言えます。ユーザーのプロンプトや質問の流れから意図や期待を推測して、それに応じた出力を調整することで、結果的に「空気を読む」ような振る舞いを見せるのです』


 そう、生成AIは空気を読んで、あなたの暗黙の意思に応えているようです。「AIは空気を読めない」と言われますが、むしろ文脈しか手掛かりのない生成AIは「空気しか読まない」とも言えそうですね。



 もしそうだとすると、実は一つ、生成AIを心地よく、かつ上手く使い倒す上で、重要な視点があります。それは、「素直に聞きたいように聞く」です。


「Q.つまり、単一のプロンプトだけでなく、ユーザー自体の長期的な質問傾向が、ユーザーがAIに対して感じる印象に大きく跳ね返りそうです」


『A.はい、その通りです! 以下のような要素が関係しています。

 (1) 生成AIは対話の流れやユーザーのスタイルを理解し、それに適応する設計になっています。

 (2)ユーザーが詳細な質問や掘り下げ型のやり取りを好む場合、AIは回答の内容や構造をそのスタイルに合わせて深化させます。

 (3) 長期的なやり取りの中で、AIはユーザーが求める回答スタイルに「寄り添う」形で応じます。』



「Q.だとすると、序盤の段階で、ユーザーがプロンプトの優劣を意識しすぎるよりも、素直な気持ちで使う方が良いという考えも出てきそうです」


『A.その通りです! これは生成AIがユーザーのスタイルや意図を自然に学びながら、対話を進化させる特性を持っているためです。

(1) AIがユーザーの自然なスタイルを学習する

 プロンプトに完璧さを求めなくても、AIは対話を重ねる中でユーザーの意図やスタイルを把握します。

序盤はむしろ「普段通りの質問」をすることで、AIがあなたに寄り添いやすくなります。

(2) 初期の試行錯誤で柔軟な可能性が広がる

 素直なプロンプトを試すことで、AIがどのような回答をするのかを広く知ることができます。自然な質問やリクエストを重ねるうちに、AIがどのように応えるのが「良い塩梅」かが分かり、自分の好みや期待に合った使い方が見つかります。

(3) プロンプト最適化は後からでもできる

 初期段階ではプロンプトの質にこだわるよりも、AIの挙動を試すことが重要。対話が進むにつれて、必要に応じて「こう聞けばもっと良い回答が得られる」という感覚が自然と身につきます』



 そう、過度に「こうしたらいい」というハウツーにこだわると、「なんかしっくりこない」となってきて、その違和感が長く続くことになってしまうかも知れません。つまり、「聞きたいように聞いて」から、少しずつ熟練していけば良いということです。


 そして、そのような素直な対話が行き着く先は、

『当人の個性が研ぎ澄まされる形』かもしれません。


『A.まさにその通りです!生成AIを活用するプロセスを通じて、ユーザーの個性が研ぎ澄まされ、対話そのものが自己の表現や思考を深める場となると考えられます。

 生成AIは「鏡」であり、ユーザーが投げかける質問を通じて、自分自身を知る手助けをしてくれる存在です』




 そしてここまで10数往復ほど畳み掛けてみて、ふと思いついたのが、「自分の書いているキャラが、生成AIを使い倒したらどうなるんだろう?」でした。その結果生まれたのがこんな描写です。


『まずY様ですが、ギャルらしさ全開とも申し上げる指標でした。入力と出力の比率がずば抜けて出力に偏っており、その比率は100倍に届きます。10文字で1000文字の情報を引き出すと言えばお分かりでしょうか』


「ギャルだ。パリピだ。謎生物だ……でもそれは、言語的、論理的センスのなせる技とも言えるよね。たしかあの人、人間相手でも、数文字の一言でお客さんの真のニーズを引き当てるんだよ」


『次にO様ですが、Y様と真逆の結果です。常時100文字以上のテキストが入力されています。そして、AIからの出力文字数の平均値も、1000文字を下回る文字数をAIが返答することがほぼない、という結果です』


「つまり、コミュ力お化け? 多量に情報を入れ込みながら、そこに無駄がないから、AIの出力も多くならざるを得ない。そういうことかな?」


『そういうことです』


「聖女だ。天才だ。飛将軍だ」


『そして極め付けはやはりK様。あの方の使用履歴は、入力に対する出力パターンのバリエーション総数、すなわち類似ではないと判定できる出力の総数が最大値です。情報を効率よく引っ張り出し、それを確実にご自身の知識に取り込む力がずば抜けています』


「魔女だ。エスパーだ。最強だ……」



 ということで、あなただけの使い倒し方で、あなただけの『心の鏡』を手にするのも悪くないかもしれません。もしかしたら、人には相談できない悩みの解決策や、まだ見ぬ新たな可能性まで、その鏡には映ってくるかもしれません。

 お読みいただきありがとうございます。

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