第一部まとめ ダブル進化の攻略記 〜生成AIが促すのは、人とAIの共創進化〜
あるAI開発団体は、「地球規模の課題を解決する汎用人工知能(AGI)の開発」をゴールに置き、「安全性と倫理性」を最優先に掲げています。
その競合組織も、「安全で制御可能」「人類の問題を解決する」「オープンで透明性の高い」AIと表現されています。
いずれにせよ、その技術の進化に、人間の側が置いてけぼりになって、AIだけが突っ走る。そんなことが起こるリスクは最大限に考慮されてはいる。開発者や、各業界の著名人の多くは、そんな考え方ではあるようです。
ただ、そのAIを活用したサービスを提供する事業者には、「生成AIを最大限活用し、多くの人々がより一層生産性や創造性を発揮できるよう支援」に注力する動きも多く見られます。
テクノロジーがその開発者や事業者の手を離れ、利用者側の独自視点で社会を牽引するケースは、これまでも多々見られています。
動画配信の効率を最大化したプラットフォームが、ユーザー同士の新たな文化やコミュニケーションを生み出したり、エンターテイメントを目的としたツールが、学生や社会人向けの教育システムを革新したり。
もしかしたら生成AIも、それ自体が「AGIの主要機能」から一人歩き、いえ、人間との二人三脚を開始して、「人とAIの共創進化を促進」する。そんな未来も目の前に来ているのかも知れません。
本稿は、物書きと生成AIのダブル初心者、という視点で「彼を知り己を知るもの、百戦殆うからず」そして、「戦いは数だよ」とばかりに使い倒した経験を活用して作り上げました。
1.まず初めに「付け焼き刃は熱いうちに使え」。あらゆる角度で「草船借箭」し、熱々のまま振り下ろす。どんな分野で使い始めても、その熱の向く先を生成AIやあなたの周囲、活用対象に即座に向けられる環境、ということでもあります。
2.「キャラを動かす奇跡の六文字」。「〇〇ならそうする(した)」。性格・動機・背景の芯が通ったキャラならば、あなた自身も生成AIも、すぐさま「そうする」を言語化できます。
3.「プロットも勝手に動く」。生成AIの即時性と、言語化の連鎖を持ってすれば、これまで動かしづらかったことすらも、柔軟で躍動感のある対象になりそうです。果たしてこの二つ、創作だけに言えることでしょうか。「上司や先輩ならそうする」「AIや機械ならそうする」「お客さんや市場ならそうする」。いかがでしょうか?
4.「あいつは続きを描きたがる」。生成AIは、ある文章に対して、その続きは何が最適か、統計的に答えを出力する、というのが根本原理です。ならば、それ以上の答えを考えたくなった瞬間、あなたはAIを超えているということでしょう。
5.「石の上にも三年試行」。あなたの相談や報告を一日に何回も見てはくれない上司や先輩。その報連相は、数十回に一回でも問題なさそうです。そのペースを一切落とすことなく。その数十九回を、生成AIに依頼できるあなたであれば。
6.「その真実の方は噛みつかない」。知ったかぶりをするAIと、もっと知ったかぶりする人間。そこには「最適解を高速で計算して出力する」共通のメカニズムが。ならば、「納得できる」「合理的な」解を、共創的に生産し続けるのもあなたの選択肢です。
7.「子供が天才の理由」。ここまでくれば、あなたには、自らのちょっとしたひらめきを即座に言語化できる存在の力を、ご理解いただけそうですね。その即時のフィードバックは、ひらめきの連鎖を生み出すことでしょう。
8.「FLOW」。明確で自己完結的な目標。即時のフィードバック。挑戦的集中の連続。その三条件を生成AIが偶然か必然か満たすのだとしたら。それは、限られた人にのみ手が届くと思われがちな到達点「フロー」の民主化を意味するのかも知れません。
ここまでくると、生成AIと物書きのダブルビギナーの攻略記は、人とAIのダブル進化を攻略する、そんな第二ステージに、皆さんを導くことがもしかしたらできるのかも知れません。
何かを書きたいと思っている方、生成AIを何かに活かしたいと思っている方。そして、そのあふれんばかりの才能を証明しながらも、何らかの形で手が止まってしまっている方。そんな方々にとって、本書が少しでもお役に立てるのでしたら、こんなに喜ばしいことはありません。
第二部は、そんな攻略記の元となった、創作と問答の750万字。その具体例を中心に、ここまでの考え方に基づいたり、また新たな考えを引っ張り出すような、そんな事例と考察を進めていけたらと考えています。
お読みいただきありがとうございます。




