はじまり
※読者様へ※
こちらの物語は本編『らぶさばいばー』の前日譚であり、
位置づけとしては番外編になります。
なので現在、連載投稿中の本編『らぶさばいばー』に関する
重大なネタバレが含まれている場面も多々あります。
本編完結後のほうが良いかどうかは各々ご自身でご判断、
ご了承の上でこの作品をお読み下さい。
――落日も、天涯照らす紅鏡。
『――滅せないよ、今はまだ』
己の首に突き付けられた狂気に怯むことなどなく、凪いだ眼を哀し気に細め、慈愛の聖母が如く現世の神は柔らかな微笑を浮かべて告げた。
しかしそれも刹那、静寂に沈む陽に気付いて目線を逸らしたかと思えば「ううっ」と呻いて頭を抱える。
『それにしても、うう……これ、どうしよう!?』
これ、と言われて辺りを見渡す。沈む陽の赤にしてはやけに濃い色が広がる辺り一帯のことだった。
『私、幽霊なんですけどー!』
確かに、神といえど実体が無ければ現世のものには触れられないだろうな、と。
片付け~片付け~と未だにうるさく呻いてじたばた転がる神に毒気を抜かれて狂気をそっと締まった。
本編『らぶさばいばー』の前日譚です。
今月末に完結予定なので、是非とも
最後までお付き合い宜しくお願い致します。
本編は下記URL。こちらも是非。
https://ncode.syosetu.com/n0415fk/