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落ちこぼれのダンジョンマスターが現代地球に転生してダンジョンを創造したら何か騒ぎになってるけど僕のせい?  作者: 猫月九日
第6章

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第27話 雛香の今

 里楽さんに手を引かれ、僕は急いでルーウェンから自宅へと戻ってきた。


「ただいま、おっ? 2人も来たんだ」


 ダンジョンゲートを抜けてリビングに入ると、そこにはさっき別れたばかりの大愛さんと結衣ちゃんもいた。


「はい、ミミさんに呼ばれまして」


「気になって来ちゃった」


 どうやら2人ともミミから連絡を受けて、様子を見に来てくれたみたいだ。

 つまり、ここにはいつものメンバー、僕、里楽さん、大愛さん、結衣ちゃん、そして2人のミミが揃っている状態だ。


「さて、時は来たのじゃ!」


 そんな中、バタンと大きな音をたてて扉が開いて、レリアが入ってきた。


「レリア、もうちょっとゆっくりドア開けなよ」


 結構な勢いだったけど、扉壊れていないよね?


「うっ、だ、大丈夫じゃ。壊れておらぬ」


 レリアは少し慌てたように扉を確認して、安心したように頷いた。

 余談だけど、レリアはこれまでに何度も扉を壊しているからね。そのたびに説教しているけど、なかなかゆっくり開ける癖はつかないみたいだ。


「と、今日はそんな説教など受けておるわけにはいかぬ!」


 首を振りながら、僕たちの真ん中に歩み寄る。


「ついに、待望のアレが出来上がったのじゃ!」


 ドドンと効果音がつくように胸を張って宣言をする。

 うん、凄いドヤ顔だ。


「それはありがたい……んだけど……」


 僕はそんなレリアを置いて、ちょっと周りを見回す。


「肝心のあいつは?」


 今回レリアに作ってもらったやつは、あいつのために作ってもらったんだけど。


「朝、訓練に行くと言っていましたよね?」


「そうだな……もしかして、まだ帰ってきていないのか?」


 あんなになったのに、相変わらず元気なのはいいことだけどさ……


「声をかけたときにはすぐに帰るって言ってましたよ!」


「もう一度確認しましょうか?」


 黒ミミ、白ミミがそう言ってくれるけど、僕はそれを制した。


「いや、大丈夫、すぐに戻って来るみたいだ」


 雛香の気配を探ると、どうやら雛香はちょうどうちの前の廊下を歩いているところだった。


「ただいまー!」


 玄関から声がして、パタパタと走る音が近づいてくる。


「あ、お兄ちゃん!」


 そんな子が僕を見て、まっさきに抱きついてきた。


「雛香、少し遅いぞ」


「えへへ、ごめんなさい。ついつい夢中になっちゃって!」


 そう、この小さな女の子は雛香だ。僕の妹にして恋人。

 いや、この見た目で恋人とか言ったら色々と変なこと考えられそうだけど、これにはちゃんとした事情がある。

 というか、はっきり言って、例の戦いのせいだ。


「こう見ると、ほんとうに歳の離れた兄弟……むしろ親子にすら見えますね……」


 大愛さんが少し小さな声で呟いたみたいだけど、僕にも雛香にも耳に入っているからね。

 でも、今の雛香はそれくらい小さくなってしまった。


 例のヘラクとの戦いの際に、魔素の取り合いに負けてしまった僕は、なんとか対抗手段を考える必要があった。

 そんなときに、雛香が僕に自分の力を返すと言い出したのだ。

 普通なら、そんな力を分け与えるなんてことはできないけれど、元々、雛香の力は、前世の僕、メイゼスが持っていたレベルを受け取って授かったものが元となったものだ。

 それを僕に戻すことは、理論上は可能だった。


 しかし、その代償は大きかった。

 雛香は元の僕の力とともに、今生で得た力もすべて僕に渡してしまったのだ。

 その結果、雛香は普通の人よりも脆弱な身体になってしまった。というか、身体が縮んでしまったのだ。

 一応、精神は成長したままのはずだから、知識や経験はそのままだけど、身体が小さくなってしまったことで、戦闘能力はほぼほぼ皆無になってしまった。


 一時期は、普通のスライムにも負けるくらい弱体化してたからなぁ。里楽さんよりも脆弱だったし。

 そんな雛香だったけれど、もう一度鍛え直している最中だ。

 さっき倒したボスもかなり弱めのボスだし。


 いったいいつになったら、まともに戦えるようになるのか……

 そして、そんな雛香のために、僕はレリアにあるお願いをしていたのだ。


「それじゃあ、レリア頼むよ」


「うむ、というわけで、苦心して儂が作り上げたのがこれじゃ!」


 レリアが胸を張って差し出したのは、小さな水晶だった。


「これで雛香に魔力回路を埋め込むことができるんだよな?」


 レリアからその水晶を受け取ってまじまじと見る。


「うむ! 理論的にはそうなるのじゃ!」


 レリアが頷く。

 今回レリアにお願いしたのは、雛香の身体に擬似的な魔力回路を作り上げることができる道具だ。


 魔力回路っていうのは、魔素を受容するための器官って思ってもらえればいい。基本的に人間は必ず魔力回路を持っている。

 僕のダンジョンの支援や強化なんかも、この魔力回路を通じて魔素を送ることで行っている。

 空気を吸うのに肺が必要なのと同じで、魔素を受けるのには魔力回路が必要。当たり前すぎて意識すらしてなかったんだよね。


「これがあれば雛香を治すことができるかもしれないのか……」


 しかし、先日の戦いによって雛香はその力の源である魔力回路ごと僕に受け渡すことになった。

 そのおかげで単に身体が縮んだりとかだったり、弱体化だったら、僕の能力で治すこともできたのに、それすらできなくなってしまったのだ。

 もちろん、普通に生活する分にはあまり問題はない。そもそも、僕がダンジョンを広めるまで魔素なんてものは誰も意識していなかったわけだからね。


 ただ、問題があって……


「これで雛香もお兄ちゃんのダンジョンに入れるようになるんだよね!」


 そう、魔力回路をなくしてしまったことで雛香は僕のダンジョンに入れなくなってしまったのだ。



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