表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

12/177

第12話 妹によるテスト

 ミミという仲間ができたことによって、ダンジョンを公開する準備は整った。


「あとは、今作れる最高のダンジョンを作るだけだ」


 レベルが5になったことによって、ダンジョン妖精の召喚だけじゃなくて、その他にもできることが大きく増えた。

 それを活かして多くの人が楽しめるダンジョンを作っていこうと思う。


「雛香も相談に乗るね!」


 幸いにも、今度はテストをしてくれる存在がいる。

 とりあえず、作ったら雛香にでもテストをしてもらえばいいかな。


 というわけで、ああでもないこうでもないと考えて第一弾を作ってみた。


『お兄ちゃん! 見えてる?』


「おう、見えてるよ」


 雛香には専用ダンジョンじゃなくて、新しく作ったダンジョンに潜ってもらっている。

 今はダンジョンに入ったばかりの小部屋の中だ。


『よーし! それじゃあ、早速……』


「ちょい待て! その前にちょっと説明をするぞ!」


 雛香が早速出発しようとするけど、それを止める。動き出すのが早すぎて、もう部屋から出かけてるし。


『えー、大体わかるよ!』


「まぁ、そうだろうけど……ちょっと、今までとは違う点があるからな」


 その点について説明しなければならない。

 まぁ、あんまりネタバレになってもしょうがないので、簡単なところだけになるけど。


「ひとまず、今までのダンジョンと違う点として、今回のダンジョンは色々とランダムで構成されている」


『ランダム?』


「そう、今までのテストダンジョンも雛香用のダンジョンも基本的に構造は固定だっただろ? でも、今回は違うんだ」


『うーん? どういうこと?』


「簡単に言えば、入る度に違うダンジョンになってるってことだよ」


 このあたりは、前々から検討していた問題点だ。

 入る度に新しいダンジョンになっていれば、新鮮さもあるし、何度だって楽しめる。

 このあたりは、ローグライクゲームというジャンルを参考にした。

 不思議なダンジョンって面白いよね。


『それってモンスターも違うの!?』


「ああ、出てくるモンスターの種類はある程度の中から決まっているけど、どこにいるかとかはランダムだぞ」


 敵が沸く位置は完全ランダムになっているから、不意打ちを食らう可能性だってある。

 それはそれで楽しんで欲しい。


『へぇ! 色んな敵がいるんだね!』


 まぁ、正直、敵の種類は期待してるほど多くはないんだが……

 特殊な攻撃をしてくる敵とかはボスくらいしかいないからな。


「それと、今回は宝箱もランダムに設置されている」


『お宝! それも楽しみ!』


 一応、宝にも興味があったのか……てっきり戦闘にしか興味がないのかと思ってたぞ。


「宝箱の中身は、武器や防具や回復アイテムなんかが入ってるからな」


『武器! この木の剣以外もあるの!?』


「ああ、木の剣以外にも、ナイフや槍、弓なんかもあるぞ」


 何が出るかはランダムだが、出たアイテムを使いこなす器用さが必要だな。

 自分の得意武器を頑張って探すのもいいが、他の強い武器を頑張って使うのも楽しいと思う。

 雛香は前のダンジョンで手に入れた木の剣を持ち込んでるから、急いで探す必要はないけれど、普通だったら何も持っていない状態だから、頑張って探してもらう必要がある。

 まぁ、雛香だったら拾った武器をなんでも使いこなしそうな感じはあるけど。


「それから、最後に、今回は階層が10階層になってるぞ」


『10階層!?』


 10階が今作れる僕の最大だ。

 ちなみに、10階には当然ボスもいる。


「フロアのどこかに、赤色の魔法陣があるから、そこにいると次の階層に行ける。戻る時は、入ってきた魔法陣に入ると前の階層に戻れるぞ」


『へぇ! それじゃあ、かなり広いんだね!』


「ああ、結構時間がかかると思うぞ。だから途中で帰りたくなったら、スマホのメニューから帰れるぞ。ただし、その時点で手に入れたアイテムとかは全て失うからな」


『えっ! せっかく手に入れたのに!?』


「アイテムを失いたくなかったら、帰還用の魔石を拾って使うんだな」


『そんなアイテムがあるんだ!』


「ああ、それを使えば、アイテムを持ったまま帰って次の時に持ち込めるからな」


 どうしてもクリアできない場合は、アイテムを持ち帰って再度挑むのがいいだろう。


 そうそう、初期装備と言えば、


「今回のダンジョンでは、普通の空間よりもお腹がすきやすくなってるから、宝箱や敵を倒して頑張って食料を拾ってくれ」


『お腹がすきやすくなるの!?』


「ああ、お腹が減りすぎると、HPが減っていくようになるから気をつけてな」


 このあたりもローグライクゲームからの要素の取り入れだ。

 これでダンジョン内に居座られることもなくなる。

 まぁ、僕のレベルを考えると居座られても問題ないのだが、こう……社会的にはあまりよくないというか……

 ダンジョンに引きこもって外に出なくなられると困るからな。


『なるほどねぇ……それで食料ってどんなやつが拾えるの?』


「普通に携帯食料だよ、スティックバー的なやつ」


『えー、それだけー!』


 そもそも、前世だと食べ物とかこの世界ほど充実してなかったからな。

 今作れるのはそれくらいしかなかったのだ。


「今はそれだけ、何か希望があるなら、そのうち改良するから」


『クッキーとかお菓子がいいなぁ』


「それ、ただ食べたいだけだろ」


 言っておくけど、ダンジョンの中でも食べ過ぎたら太るからな?


 とりあえず、長くなってしまったけど、説明はこんなところか。


「それじゃあ、スタートしてくれ」


『はーい!』


 雛香が木の剣を片手に攻略を始めた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ