熱はあっちにいけ。
私は、今寒気に震えている。
夫と子どもと海の近くに宿をとり、
二日間様々な場所に行った。
帰宅したのは夕方も過ぎた18時。
夕飯を温め(出来合いだよ、旅行帰りに作らせる奴は旨煮にしてやるから。馬に蹴らせてから)
夕飯が済んで、異常に痛い頭をさすり、ぶるぶる震えだす私の肩。
(ありゃ、これは何か、心霊的なモノを連れて帰ってきちゃったかな?と、子どもの好きな怖い本(漫画)を思い浮かべた。
それが、不味かった。)
出るわ出るわ、死んだ母親に対する憤りや、怨みや悲しみの『叫び』が。
ズキズキ痛む頭の中で、延々続くそれを、アイスノンに巻いたフェイスタオルに吸わせては冷やしたい場所をそこに引っ付ける。
嫌い、消えろ。頭の中に存在するなんて、私は許さない。
なんで、どうして、は、もう聞けない。
シネ、も、クタバレも、もう言えない。
ならなんの役にも立たないただの死人だ。
本の中で、人は死んだらゴミだと言ったのは誰だっただろう。もう、すっかり忘れちゃった。
33度の部屋で横になったら、やっと震えが止まった。
私が熱を出すと、偶然居れば母親が、そうじゃなければ1人で我慢するか、祖母が来てくれた。
駅前の小児科内科まではバスで20分。
母親の車でいける日は楽だった。帰りにファミレスでパフェや、ミートソースを食べさせてくれた。
小さな私の、好きだったメニュー。
5年も6年もすれば、そんなのは変わる。
喉に塗られたイソジンの味が混ざって、微妙だった。
でもきっと、嬉しかった。
だって車は楽だから。
あんな母親に、私の子どもを抱かせずに済んで、良かった。
良かったんだ。
熱中症で死んじゃうよ?と夫が言う。
クーラーの部屋に行ってみる。
震えが復活した。
ずっと運転して疲れているのに、色々やってくれた夫にお礼を言って部屋に戻る。
毛布を被る。
おでこ用のアイスノンと、氷枕で脳を冷やす。
熱に浮かされて思ったことをメールに書いていく。
忘れないためだ。
でも、どんなにあれも、これもと書こうとしても頭の上から消えていく。
アイスノンがないからだ。
ヘッドギア型のアイスノンが欲しい。やわらかいの。
宜しくお願いします。
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とにかく私は生きる。
夫と子どもを残してなんて、死んだりしない。
くそったれの熱め、どこかに行け。
子どもを守らない親のところに。