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人類メガネ化計画  作者: KYY
1/1

1章 脱出

「君の事が好きなんだ・・・。」

「ごめん・・・私ほかに好きな人がいるの。」

「俺じゃ駄目なのか?」

「ごめんね・・・」

「俺はこんなに愛しているのに。」

「無理って言ってるでしょ!」

「だけど僕は君の事が好きなんだ。」

「しつこい!私メガネかけてる人嫌いなんだよね!じゃあね!」

「まってくれよ!」


ガンッ・・・


顔面にひじ鉄をくらった。その勢いでメガネが割れてしまった。目にガラスの破片が入り、片方の目が見えなくなってしまった。


ここで私は必ず復讐することを誓った。







「隼人ー早く起きなさい~!遅刻するわよ!」

うるせぇなくそババァ・・・と心の中でつぶやきながらを制服に着替えた。


(ピンポーン♪)


「ほら、加奈ちゃんが来たわよ。」

「あぁすぐ行くよ。」

急いで支度をした。もちろん朝飯を食う暇はない。


「じゃあ行ってくるわ。」


「隼人~遅いよ~」

「おう、わりぃわりぃ。」

俺の名前は中村隼人。山川中学校に通っている中学生だ。実は加奈には内緒だが・・・・・痔だ。


「また寝坊?」

「別にいいだろ」

隣にいるこいつは高倉加奈。俺と同じ中学校に通っている幼馴染だ。頭はいいけど少しドジな所もある。


学校に着き、3-2のドアを開くと、さわやかなあいさつが聞こえた。


「おはよー」「はろー」

こいつらは俺と加奈の親友、福田真由と大浦健だ。健は俺らの中で、マイペースでムードメーカー的な存在だ。そして、これは俺しか知らないが、口内炎ができやすい。真由は美人だが、時には毒舌だ。ちなみに二人はバカップルだ。言っとくけど俺と加奈は付き合ってないぞ。


{キーンコーンカーンコーン♪}




・・・・・

・・・・・・・・・・

「起きてよ隼人。次は隼人の大好きな体育だよ。」


「・・・今何時間目?」


「4時間目だよ。」

「あれ?今日は早いな。」

「ずっと寝てたからだよ。ばーか。」と、真由が答えた。


「よし!じゃあ体育いくか。いこうぜ健。」

健は顔を伏せている。多分口内炎の位置を確認しているのだろう。


「早くいこうぜ。」

「・・・確認完了!」

やはり確認してたらしい。

「がんばってね♥健♥♥♥」

「任せとけって!真由♥♥♥♥」




「今日は100m走のタイムを計ります。」

「おっしゃ!俺の俊足のスピードを見せてやるぜ!」



・・・・・

・・・・・・・

「隼人、何秒だった?」

「俺?ジャスト12秒!健は?」

「(速っ!)・・・遅いな。俺は3秒だったぜ!」

「お前はアラレちゃんか!?まぁそんな事はどうでもいいから早く教室に戻ろうぜ」



教室のドアを開けると、いい香りが漂ってきた。


「ゲッ・・・・・今日の給食はお前の大好きなカレーだぞ」

「マジ!?のぶちゃん?」

この先生の名前は田中信幸。生徒からの人気も高くいい先生だが、残念ながら息がくさい。ちなみに今の不快な音は、ゲップだ。通常時の3倍の威力がある。


「なぁ隼人、うんこ味のカレーと、カレー味のうんこどっちが好き?」

「変な事いわないでよ、け~んちゃん♥」

真由が突然現れて、健に抱きついた。


(・・・っ!持病の痔がぁぁぁぁぁ・・・・)

これも秘密だが、俺はイライラすると持病の痔が悪化するのだ。


「どしたの?隼人?」

「いや、なんでもない・・・。」




給食を食い終わった俺は、スクバからボラギノールを取りだし、俊敏な速さでトイレにかけこんだ。この時の俺は忍者の如く、素早い動きである。


ボラギノールを刺し終えた俺は、満面の笑みを浮かべてトイレからでると、満面の笑みの教頭が、そこに立っていた。

「このメガネを君にかけさせてあげよう☆」と、突然言ってきた。

「いや・・・遠慮しときます。」

「ほら、早くかけなさい!☆」

気味が悪くなった俺は、教頭を無視して階段を二段飛ばしで駆け登り、教室に戻った。


俺はさっき遭った出来事をみんなに話したが、真面目には聞いてくれなかった。

だが俺は何かが心に引っかかっていた。


そのことについて考えていると、のぶちゃんが「おい、またテスト0点だったぞ。ほら」と言ってテストをわたしてきた。


俺はふざけてその答案用紙をくしゃくしゃにして窓の外に投げた。


「お前今の答案用紙、外に行って拾ってこいよ。」

俺は珍しく怒ったのぶちゃんに対して思わずひるんでしまった。

仕方なく拾いにいこうとすると、加奈達が「うちらもいくよ」と言ってついてきた。


外に出ると、冷たい風が吹いてきた。もう冬なのかとしみじみと感じる。

「冷たい風でふとんがふっとんだ。」健が言った。

・・・・・コイツのおかげでもっと寒くなった。


「あ!あそこに紙があるよ!」

それはエロ本の表紙だった。・・・・・・・・・・・・・・・・・と、健が言った。

さらに心が寒くなるギャグをスルーして、その紙を拾いにいった。


それは当たり前だが俺の答案用紙だった。拾おうと紙に手を触れようとしたが、その直前に風に乗って近くの森の方へ飛んでいってしまった。

「あ!ちくしょうタイミング悪っ!」

「しかも森の方に行っちゃったね。」

そこの森は、広くていつでも薄暗く、かくれんぼにはもってこいの場所だが、

その森は隼人にとって嫌な思い出のある場所だった。



それは二年前、中一になって3ヶ月がたったある日のことだった。

学校が終わり、その日は痔がやばかったので、早く帰ろうとした。靴を履くと足に違和感を感じので、確認していると、手紙が入っていた。それは明らかにラブレターだった。内容は

「今日は隼人君に大事な話があるの。放課後すぐにいつもの森にきてね♥by.K」

K!?・・・これはもしかして加奈?!と、俺は思った。


一気に痔の痛みが回復し、喜んで森に行った。


しかしいたのは加奈ではなく、クラス1のブスでデブで気色悪い山寺くるみという女だった。

「うふふふふ♪隼人くぅ~ん♥♥」

あまりのキモさにめまいがしてきた。それにストレスでめまいがするほどの痔の痛みがきた。

「あのね、隼人君。」

(うざい!そして痔が痛い!)

「実はね、入学式の日からあなたの虜だったの♥」

薄々感づいてはいたが、最悪の事態だ。

「もう我慢できない♥あなたの事が大好き!好きで好きでたまらない♥」

「俺だって我慢できねーよ!あ!・・いっいや、そういう事じゃなくて・・・」

「え・・?隼人君も私のことが・・・?」

「違う!!違うんだぁぁぁぁ!!!!」

「ついに隼人君が私だけのものになったわーーーーー!!♥♥」


そう言って山寺は猛スピードで帰っていった。






「どうしたの?隼人?」

「い、いや、なんでもない。」

加奈の一言で目が覚めた。過去の思い出を思い出してもっと寒くなった。

まぁあの過去はなんとか話し合いで解決しクラスも変わったが、今も遠目から視線を感じる事がある。

「さっさと拾いにいこうぜ。」健が言った。




意外と近くにあった答案用紙を拾い、もうすぐで5時間目が始まる時間なので、走って学校に戻った。


玄関にはのぶちゃんが待っていてくれた。「遅かったな。今日の5時間目が、校内放送で変更になって体育館での全校集会に変わったから、教室に戻っていすをもってこいよ。」


「キャーーーーーー!!!助けてーーーーー!!!!」

「やっ・・やめろおぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」


突然悲鳴が響いた。

「体育館の方からだ!」のぶちゃんが言った。

俺はその声を聞いた瞬間に走り出した。


体育館のドアを開けようと、押したり引いたりしてみたが、開かない!?

しかし、引っ張っていると、わずかな隙間ができることに気づいた。その隙間から、みんなで覗くと、変わったメガネをかけている集団が、メガネをかけていない生徒に襲いかかっていた。

「なっ・・なにこれ?!」

「あの人血を流しているわ!!」

「おったまげぇ~!」

三人は一斉に声を出した。もちろん最後のは健である。

「俺はもう少し様子を見る!お前達は早く逃げろ!」

俺は少し戸惑った。3年間担任だった先生を、置いていくわけにはいかなかった。

だが、ここで俺も残ると、加奈を守る事ができない。三人は怯えて声もでない様子だ。


すると、のぶちゃんが、「何かあったら連絡するし、俺はそう簡単にはやられないよ。だけどもしやられてしまったら、お前達が俺達を助けてくれ。」

そう言って俺のポケットに学校の鍵をいれてきた。そして、力強く頷いた。

まだ俺は動けなかった。だが怯えている加奈たちは、口にはださないものの、早く逃げ出したさそうな顔だった。


’ドーーーーーーーーーーーーーーーーン’


突然体育館のドアが破壊された。廊下は狭いので、大勢では襲ってこないが、4人ほどが前に進みでてきた。

「ここは俺がくい止める!早く行け!」のぶちゃんが必死で叫んだ。

「ありがとう・・・のぶちゃん。」

俺は覚悟を決めて、三人に「走れ!」と叫んだ。



学校からでる寸前、後ろを振り返ると、のぶちゃんが多くのメガネをかけた人と、対等以上に戦っていた。のぶちゃんを信じて、学校をあとにした。

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