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【Side:ヴィクトリオ】順風満帆な栄華への王道

※今回は、ヴィクトリオ中心、第3者目線でお送りします※

※なお、サブタイにつきましては、ヴィクトリオなりの見解のため、

事実とは異なる可能性があります※


―――数か月前:王城のとある一室


「何故、何故なんだ!」

狭い王城の一室で、まるで軟禁されるようにして、ラディーシア王国の第2王子・ヴィクトリオは

父王に謹慎させられていた。


父王からは度重なる身分詐称と越権行為と告げられたがヴィクトリオにはまるで心当たりがない。


子どもの頃に決まった婚約者の女・キアラはヴィクトリオよりも運動神経もよく更には魔法もかなりの腕前だった。

周りはよい婚約者を得たと褒め称えたがヴィクトリオだけは納得していなかった。

生意気で自分に媚びない気に入らない女。


邪魔で、鬱陶しくて。そんな時キアラの父親が再婚し新しい娘を連れてきた。


ヴィクトリオは、その娘マリーアンナことマリーを一目見て、惚れた。


母親の王妃に妃にするならマリーアンナがいいと訴えたが、それでは執務を行うものがいなくなると言われて仕方なくマリーアンナとは長らく愛人関係を築いてきた。


そしてマリーアンナがデビュタントを迎える年、遂に母親に内緒でマリーアンナをパーティーに同伴させた。


最初は驚いていた両親はマリーアンナの美しさに面食らったようだった、憎き側妃の王子・マティアス。けれどマリーアンナは自分のものだとマティアスを睨みつけて牽制するとヴィクトリオを恐れてそっと目をらした。


所詮はめかけの子。正妃の子であるヴィクトリオの偉大さに手も足も出なかったらしい。


そしてあの女が体調不良で出席できないためその妹を同伴させたと両親に言えば王妃は笑顔で納得し、父王も何も言わなかった。


こうして執務をやらせるために仕方なくキアラと婚約しているものの、事実上はマリーアンナこそが

ヴィクトリオの本来の婚約者なのだと言うことが公然の事実となったのだ。


それから暫くしてめでたくキアラとの婚約が破棄され、新たにマリーアンナとの婚約が認められた。


更にはキアラを公爵家から除籍させ、平民として追い出すことに成功した。


これで公爵家も王太子位も全てが自分のものだ!順風満帆だったヴィクトリオの栄華への第一歩だった。


そしてめでたくマリーアンナとの婚姻が結ばれ、早速マリーアンナに会いに行こうとしたところで王妃から呼び出され“執務”が全く進んでいないと父王から呼び出しを受けたと怒られたのだ。


執務?そんなのいつもの通りチェックが終わり、署名するだけのものを持ってくればいいじゃないかと言えば“キアラ”が登城していないから執務が滞っていると言われた。


すぐに騎士にキアラを探しに行かせ、執務をやらせている間に自身は愛しのマリーアンナとの愛をはぐくもうと思っていたのに、父王から執務を片付けるまで外出禁止を告げられマリーアンナに会いたくても会いに行けない。手紙のやり取りすら許されない状況に陥ってしまった。


すぐに母に会わせろと見張りの騎士に命じたが誰ひとり相手にせず、騎士を働かせるため蹴り飛ばせば何故か次は手狭な部屋にぶっこまれてしまった。

1日3食、ドアの下の隙間から食事が差し出される以外は誰も来ない。何もすることがない。

トイレとバスルームは部屋の中にあり、生活に困ることはなかったが。どんなに叫んでもわめいても部屋から出してもらえることはなかった。


そんなある日、急に外に出してもらえることになったヴィクトリオは久々に侍女に身なりを整えられ、父王から王子の婚姻と栄転の発表のためパーティーに呼ばれたと知らされる。


あぁ、やっと父上からの謹慎が解けた!

今回はだいぶ長かったがマリーアンナとの婚姻を大々的に発表するパーティーを開いてくれるなんて!有頂天になりながら騎士たちに囲まれながら案内された控室で、ヴィクトリオは愛しのマリーアンナと再会したのだった。


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