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第九夢 書籍化
視界はぼんやり
僕=男子高校生
学校帰り、書店に行ってみると話題の新刊コーナーにずらりと並ぶ文庫本。本棚に貼られたポスターには話題の小説の主人公が、関八州から東北へ俳句や短歌の詩を題材にした時代冒険活劇の舞台が描かれている。
「……すごいなぁ」
僕はその小説を買わずに確認だけして、書店を出る。多分、家に帰ればあるだろう……。
帰宅してみれば、待ち構えていたように時代小説好きな父が例の小説を片手に「こういう時代小説はなかなか無い!」とご満悦に語り出してうざい。
うんざりしながら僕は父に言う。
「……それ書いたの、同級生の黒森くん」
◆◆◆
ここで目が覚める……。