第二夢 伯爵令嬢
色彩 にじんだ水彩画の絵本みたいな世界。
結婚式の打合せも最終確認の段階で、あとの細かい手配は使用人の仕事。もうすぐ伯爵令嬢から伯爵夫人になるのですね。親同士が決めた婚約ではありましたが、私たちは相思相愛。
まるで、貴族ではあり得ないくらいの幸せな結婚。もうすぐ旦那様になる伯爵令息の美しい顔を見つめ……。
ドンドンドンッ!
荒々しく執務室の扉が叩かれ、室内の主の返答を待たずに伯爵令息家の執事が駆け込んできました。ただならぬ、イヤな気配を纏ったまま執事は声をあげました……。
「れ、令嬢のっ! 御家族の乗った馬車がっ!………………っ!」
目の前が真っ暗になり、かすれた声しかだせずに……。
「ぁぁ……そ、んな、お父様……おかさぁ…………」
◆◆◆
床に崩れ落ちる令嬢。あわてて抱きかかえる婚約者。抱き止めた瞬間、時が止まった様にすべてが固まり動かなくなる。
令嬢たちの写った映像に真っ黒い絵の具が、ぼどり、ぼどりと落ちてくる……。すべてが真っ黒に染まり……。
◆◆◆
ここで目が覚める。
主人公同化率40%くらい
幸福の絶頂から絶望に落ちて、リアルに寝起き三十分ほど頭痛。
私の脳は何がしたいの?