【短編詐欺】パーティー追放されたアラサー男が秒で銀貨一枚稼ぐ方法とは?『副業』が進化して『スキマ時間副業』になって人生変わりました!少しでも気になった方はタイトルをクリックして下さい!【連載予定無し】
「マイケル君。突然ですまないが、君とは来月の三十日で契約終了する事になった」
俺はマイケル・ワシントン。勇者パーティーで荷物持ちをしているアラサー冒険者だ。俺は今、勇者によって追放を宣告されていた。
「そ、そんな!何で俺を追放なんですか!」
「王国の方針が変わってなあ、エルフやドワーフをパーティーに入れる事になったのだよ。それで、彼らを入れた分、代わりに誰かを外さないといけなくなったんじゃよ」
「でも、何で俺なんですか!確かに俺は戦闘中は役に立ちませんが、副業で皆を助けてきたのに!」
俺が持つレアスキル『副業』は冒険者新聞の記事作成や魔物情報のレビューで金や割引クーポンが手に入るというものだ。俺はこの副業で得たクーポンを使い皆で焼き肉を食べに行ったりしてパーティーを縁の下から支えでいが、勇者はその恩を忘れてしまったのだろうか?
「もう一度考え直して下さい!勇者パーティー内で副業ができるのは俺だけなんですよ?俺がいなくなったら、もう焼き肉食えませんよ」
「その副業が原因なのだよ。皆が一生懸命戦っている間、君はズーッとギルドカードをポチポチして遊んでる様にしか見えんかった。それに、君は5%割引のクーポンを出すだけで、残りの95%はワシらが払っとる。ハッキリ言って、君が焼き肉屋のクーポン出すたびワシは困っとったんじゃ」
「あー、そうかい!だったらこんなパーティー出ていってやるよ!」
俺はその場でパンツを脱ぎ、勇者に叩きつける。本来なら辞表を叩きつける所さんなのだが、俺は辞表の書き方なんて知らない。戻ってこいとか月末まで働いてくれないと保険手続きがとか叫ぶ声が聞こえたがもう遅い。俺はこんな糞みたいなパーティーとは縁を切り、自分の好きを仕事にするんだ。
「とは言っても仕事も貯金も無いし、これからどうしようか」
俺はさっそく行き詰まってしまった。勇者から貰った給料は全部カジノで震える可哀想なルーレットちゃんとスロットちゃんに恵んでしまった。残りは副業で稼いだ銅貨百二十枚。これは大切に使わないと。
そう考えた俺の耳に突然人工的な声が聞こえてきた。こ、これは!
「いしやーきいも、おいもっ、いしやーき」
モグモグ、残り銅貨五十二枚。さて、どうしたものか。冒険者ギルドが経営する安宿が一泊銅貨三十枚だから、とりあえず今日はそこで寝て後は明日考えよう。
「ワラビーモチ、ワラビーモチだよー」
残り銅貨九枚。もうだめぽう…。どこか自殺しやすいダンジョンないかなあ。そう思いギルドカードで検索しようとした時、たまたま未読のメッセージが目に入った。
「なになに、副業スキルのバージョンアップ?」
ギルドカードに送られてきたメッセージにはこんな事が書いてあった。
【おめでとうございます!貴方のスキル『副業』が『スキマ時間副業』にランクアップするチャンスです!『スキマ時間副業』なら今まで以上に短時間!空いた時間にギルドカードを触るだけで簡単に銀貨一枚ゲット!まずはギルドカードにアプリをダウンロードして下さい】
「うおっマジかよ!ダウンロードして登録するだけで銀貨一枚!?」
他に頼るものが無かった俺はメッセージに従いスキルを進化させた。すると、ギルドカードに次々と新たなメッセージが送られ、その内容に従い個人情報を入力する。暫くすると、『ポイント獲得!』というタイトルのメッセージが出現した。
【登録ありがとうございます!1シルバーポイントが貴方に支払われました。1シルバーポイントにつき銀貨1枚と交換できます!】
信じられない、本当に簡単に銀貨一枚を得る事が出きてしまった。俺はスースーする下半身を感動に震わせていると、更なるお得メッセージが届いた。
【スキマ時間副業は従来の副業と違ってここが凄い!なんと、スキマ時間副業は貴方の仲間に付与する事ができるのです!そして、付与した人数に応じて貴方にボーナスポイント獲得チャンスが!やるなら今しかないですよね?】
「そうだ、今しかねえ!」
こんな大チャンス逃すはずない!俺はスキマ時間副業を共有する真の仲間を集める為にある場所に向かった。そう、奴隷販売所だ。冒険者ギルドにたむろしてる奴らは、どいつもこいつも俺を馬鹿にしてくるから仲間に入れてやらねー!糞してねろ!
奴隷販売所に行くと俺のお気に入りであるキャットちゃんが出迎えてくれた。
「おじさん久しぶりー、お散歩にする?お食事にする?」
「メシ。で、話があるんだけどさー」
俺はキャットちゃんを連れて近くのレストランに入った。さあ、食うぞ。
「ミノタウロスのタンステーキ、ワインはブラド伯爵の二百年もの、それとダークノーム山菜セット」
「ちょ、ちょっと!おじさん大丈夫なの!いっつもコーヒーに砂糖いっぱい入れて飲んでたじゃん!」
フッフッフ、キャットちゃんの心配する声が耳に心地良い。
「全然心配いらないさ。ほら、これを見てみ」
俺はテーブルにギルドカードを置き、残高照会画面を見せてやった。
「残高銀貨五枚!?おじさんカジノで大当たりでもしたの?」
「俺はギャンブルなんて不確かなものはしないよ。これは副業で稼いだんだ」
「ほえ?あのハズレスキルで?」
俺は副業が進化した事、ここに来るまで歩きながらギルドカードを操作するだけで大量のシルバーポイントを稼ぎ現金に変換できた事、そしてこのスキルをキャットちゃんにも与えたい事を告げた。
「おじさん、そのスキル本当に大丈夫なの?」
「嫌なら強制はしない。でもこのチャンスを逃したら次は無いと思うよ?キャットちゃん、これは君が奴隷から卒業する最大のチャンスだ。俺と一緒に、稼ぎまくって毎日ステーキ喰おう」
キャットちゃんは少し考えた後、首を縦に振った。
「よ、よろしくお願いします」
うんうん、キャットちゃんが賢い判断をしてくれて良かった。でも、もうひと押ししてみよう。
「キャットちゃん、もっと俺に媚びて。金持ちなりたくないの?ほら、俺以外の客にやってたみたいに媚びてみてよ」
「ご主人様よろしくお願いしますニャン!キャットは楽してお金持ちになりたいんだニャン!」
「よすよす、ではスキルを付与してしんぜよう」
マネーイズパワー!俺は金の力でキャットちゃんの本当の信頼を勝ち取った。今までの舐めた接客態度は許そう。今までは俺と普通に会話してくれるだけで十分良かったが、これからは俺はガチご主人様なのだ。キャットちゃんは俺が与えた力の見返りに存分に媚びて欲しいのだ。それが報酬に見合った対価というものだろう。
それから数カ月後、俺はキャットちゃんや彼女が紹介してくれた奴隷ちゃん達と共にスキマ時間副業で生計を立てている。最初は冒険者の仕事も一緒にやっていたが、副業に専念した方がずっと効率がいいので冒険者は引退した。
そして、空いた時間で交友関係を広げて行き、今では冒険者に依頼をする側になった。勇者パーティーの荷物持ちをしていた頃からは考えられない事だ。
ちなみに、俺を追放した勇者パーティーは新入り達との連携が取れずダンジョン攻略失敗を繰り返しランクダウンしてしまったらしい。ざまあ!
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この話を最後まで読んでくれてありがとうごさいます。
もし、貴方がスキマ時間副業の内容に少しでも興味を
持ったのなら、下にある評価に星5をつけて下さい。
連載版ではスキマ時間副業で何故儲かるのか、
勇者パーティーはどうなったかを今なら無料で
知る事が出来ます!ただし!本作品が必ず連載される
とは限りません!本編を見たいと思った方今すぐ
評価する事をオススメします!
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嘘です。
連載予定とか全然ないんで思った通りの感想・評価で大丈夫なのです。
これは、2020年に流行った『短編詐欺』と呼ばれるジャンル、
それを私なりに書いてみたのです。
当時、こういった作品がランキングを掻き回していて、
私も影響を受けて書いてみたいと思ってたんですが、
完全にブームに乗り遅れました。
今では婚約破棄大喜利に立ち位置を奪われ、
日間からほぼ消えてしまったジャンルですが、
この作品を見て懐かしいと思ったり、また短編詐欺が見たいと
思って下さる人が一人でもいたら幸いです。