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イカれ

作者: 杉将

 サザエの壺焼きをください、と僕が言うと、そんなものはねぃ! と店主が答えた。だってここに、と僕がメニューを指差しながら言うと、メニューにあってもねぃ! と店主は怒鳴った。こんな店潰れちまえ! と思ったけれど、店内は客でパンパンだった。僕は、あのじゃすみません卵焼きで、と言った。無視された。大将これうまいよ! と別の客が言うと、ありがとねっ! と店主が答えた。どうして人によって態度を変えるんだ? 僕は昔から、人によって態度を変える人間が嫌いだった。小学生の頃の僕は、真面目な話、みんな仲良くすれば平和になるのに、と思っていた。僕は、目の前にあった水のグラスを店主に向かって投げた。ガチャン、と音がして、辺りが静かになった。どんちくしょう、殺してやる! と店主じゃなくて僕が言った。僕がカウンターの椅子に乗り、店主のいる厨房に乗り込もうとした時、後ろから服を引っ張られた。僕は床に落ちた。お前まじ帰れよ、と知らないやつの声が聞こえた。背中を蹴られた。なんとか立ち上がって、店主の顔を見ると、怯えた顔をしていた。マジ死ねし、と聞こえた。僕は今帰ったら、負ける、と思った。

 あっあっ心の元の姿が写し鏡のヨースサ王、かっかっ、お前らまじで、人の気持ちとか考えないの? なーなーなー。俺の言ってること、やってること、伝わってないなら、一から説明してやりてぇけど、お前らなんかに教える時間がもったいなくて、ああああ、こんなことが言いたんじゃなくて、要するに、そんな顔をしてんじゃねぇよ、おめーに言ってんだよ。

 こいつ、頭おかしいわ。警察、警察。

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