2-005 逆賊討伐軍第7地区本部
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「曉月、力を貸してくれないか? トパーズやトルマリン、ラピスラズリとは少し強さが違う……こいつだけは少し強さがある」
「もちろん、助けるに決まっているだろう! それで俺はいったい何をすれば良いのだ?」
「ペリドットは曉月と戦うことを恐れている。ならば曉月、君が直接勝負して勝ってくれたら話は早い。と言うわけだ、頼んだぞ! 安心しろ、私たちは後ろからきちんと援護をする!」
「まぁ……任せろ!この地区の大将として中型逆賊如きに負けるわけには行かないのだ!! さぁ、ペリドット! 貴様は今度は俺と戦う番だ!」
「ふん、ラピスラズリを倒した如きで調子に乗るなよ大将が! あいつに勝負を挑まれて60戦。一度も負けたことなどないわ!」
「だから、僕に勝てるとでも……? 随分と逆賊討伐軍をなめているようだなぁ……? 仕方ない……この赤き剣がお前を成敗してやる……! 炎の歯車・憑依! 紅蓮の炎を我が剣に纏え! みんな俺の周りにいてくれ!」
4人は急いで、曉月の元へ駆け寄る。4人が曉月の元へ着くと、赤き結界が張られた。
「炎の歯車・壱式……大炎柱!」
先ほど、ラピスラズリを成敗した炎が再びたくさん現れた。当然先程と同じようにペリドットの足下から炎の柱が噴き出てくる。
しかし、ラピスラズリのようには行かない。
「風の歯車・下突風!!」
ペリドットは自分自身に突風をかけ、炎の柱を回避した。
すると、浮いたペリドットに向かって曉月が走ってくる。
「水城、道を頼む!」
「任せろ! 氷の歯車・氷の道!!」
空中に浮いているペリドットのところまで、氷の道ができた。そこを走って行く曉月。
「来させてたまるか!! 風の歯車・突風!」
曉月めがけて突風が来るが、それを跳んで避けた。
「これで終わりだ……!! 炎の歯車・壱式……大回転火炎斬り!」
曉月の炎の剣が暴れ回り、ペリドットの体を傷つけている。
ペリドットはかなりの致命傷を負った。
「これで終わらないぞ! 傷口には我が剣の炎が含まれている。その部分から全身発火し、お前は燃えて死ぬのだ!」
「そんな……そんな馬鹿なぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
傷口から発火し、ペリドットの体がどんどん燃えて行く。
空中で燃えていた炎は地上に来る前に灰となって風で吹き飛んで行った。
「ありがとう、水城! 君のおかげでペリドットを倒すことができた!」
「あぁ……久々に共闘できて良かったよ……トパーズが言っていることが本当ならば、これでこの街に現れた、"宝石十二の王"は倒したはずだ!」
「任務完了だな。それじゃあ私は、本部に帰るとしよう!でh……」
「待ってくれ、曉月!」
止めたのは、凜音である。
(今後のことも考えて……拓也王子の身の安全を確保するには、本部にあることが最善策、同時にレベルの高い指導を受けることができる……本当は戻りたくはないが、仕方がないか……)
「先程の曉月、君が言った提案に乗る」
「本当か! みんな逆賊討伐軍に入ってくれるのか?」
凜音以外からも同意を得ようとする、曉月。
誰一人、逆賊討伐軍に入ることを拒む人はいなかった。
「では、私についてきてくれ!」
5人は逆賊討伐軍の支部へと行くことへなった。
---逆賊討伐軍第7地区本部---
ランコントルの街から歩いて10分程度で本部へと到着した。4階建ての大きな建物であり、入口には松明がたくさんあった。
「ここが逆賊討伐軍第7地区本部さ!」
早速、5人は中へと入って行く。扉を開けると沢山の人で賑わっていた。
するとそのうちの1人が大将である曉月の帰還に気づき敬礼すると、次々と曉月に対して敬礼を始め一斉に、
「「「「大将、お疲れ様です!」」」」
と言った。
そして曉月は拓也たちのことを説明する。
「みんな聞いてくれ! 今日から第7地区に新しい仲間が入ってきた。みんな仲良くしてあげてくれ。早速だが1人1人に自己紹介をしてもらう! みんなしっかりと聞くこと!」
自己紹介は拓也から始めた。
「僕の名前は黄桜拓也です! パランポレン王国の次期国王であり、王国を崩壊させた白虎を自分の手で殺すためにここへと参りました! よろしくお願いします!」
曉月は、驚きを隠せない表情をした。
「は……はい……。えっとぉ……水城遥ですぅ! 歯車は使えませんが……よろしくお願いし……します!」
第7地区のみんなは大盛り上がりだ。
「やったー! 可愛い子入ってきた!」
「俺、テンション上がってきたぁぁー!!」
「ぼ、僕、写真撮りたいなー!」
かなりの人気である。
「不二宮凜音だ。パランポレン王国護衛騎士団隊長を務めていた。よろしく頼む!」
凜音もかなりの人気であった。
「あの人、胸割とでけーよなぁ!」
「抱かれてぇ……」
「しかもかわいいぃ……!」
(今発言した奴ら……ゼッタイニコロス……!!)
凜音は心の中で復讐心を滾らせた。
「私は茜沢雅と申します〜。特に言うことはありませんが……逆賊はこの世から葬り去るべきだと思います〜。みんなそう思ってここにいるはずなので一緒に逆賊をぶっ潰しましょう〜!!」
柔らかい口調からの残虐な発言は聞いてる人を身震いさせていた。
4人の自己紹介が終わるとみんな一斉に大きな拍手をした。
「拓也〜! 一緒に白虎ってやつを倒そうぜ!!」
「水城ちゃーん!! よろしく〜!!」
「不二宮さん、かわいい〜!」
「茜沢先輩〜! 一緒に逆賊をぶっ潰しましょう!」
みんなかなりの人気を持って歓迎された。曉月が締めの言葉を言った。
「これからも沢山の逆賊と戦うだろう! けど、みんなで力を合わせれば大丈夫だ! 明日からも気合を入れて頑張るぞ。では、今日は解散!」
すると、先程までロビーにいたみんなは一斉に自分の部屋へと戻っていった。
「男の部屋は私が教えてあげるからついてきてくれ。女の部屋は、今から呼んでくるからその人について行くようにしてくれ。それと、水城! 話があるから、後で黄桜王子と共に大将室へと来てくれ……」
そう言うと曉月は自分の専属秘書を呼んできた。
その人が凜音と遥を部屋へと引率する。
(どうせ、男とか僕1人なのになぁ……大将と二人きりとか怖すぎでしょ……)
「うむ! 早速2人は私についてきてくれ!」
(え……2人……うわっ!?)
右を向くと雅が立っていた。あまりの驚きように腰を抜かしそうになる拓也。
すると雅がニコリとしながらこう言った。
「王子……? あなたは名前と口調で私を女の方だと勝手に断定しましたね? そんな先入観は今すぐ捨てた方が身のためですよ……?」
相変わらず、怖いことを言う雅だが、拓也は今後の戦いでも勝手な先入観はいけないと学べた気がしたので少し嬉しかった。
そして拓也と雅の2人は曉月について行った。