4-017 衝撃の事実
この話を持ちまして第1部は完結です。
4ヶ月の間ありがとうございました!
「お前たち、無事だったのか!」
屋敷の外にはたった今、到着した曉月と大和がいた。
「後ろに連れているのは玄武か……お前たち本当によく頑張ったな……」
たった今到着した曉月と大和に榊葉が屋敷で起こったことを説明した。
「……そうか、仙木達は」
「非常に惜しい存在を失ってしまった……だが、これを乗り越えていかないといけないな……」
「さて、とりあえず本部へと帰るとするか……俺たちが玄武を運ぶとしよう」
傷だらけの榊葉と朝霧が最初に本部へと向かって行くその後ろに遥がゆっくりとついていく。
遥がふと後ろを振り向くと、玄武が最後の抵抗で走って逃げていたのだ、それを追う曉月、大和と拓也の3人。先頭の2人は全然気付かなかったため遥だけが走って玄武の方へと向かう。
(こんなところで逃げられるわけにはいかない……)
必死の思いで追いつこうとするも3人との距離はどんどんと離れていく。
(……早すぎる!)
そしてゆっくりと自分のペースで追いかけて行く。次第に声が聞こえてきたのでここだろうと、様子見で少し茂みから確認すると、事態はとんでもない方向へと進んでいた。
まず、血を出して倒れていたのは玄武ではなく、曉月であったのだ。そして血がどっしりとつき、赤く染まった剣を持っていたのは大和である。
一方なぜか拓也は、水の箱で閉じ込められていた。
「めんどくさい……玄武よ。お前がここまで無能だとは思っていなかったよ」
(いったい何が起こっているの……ここで出るのは絶対にまずい隠れないと……)
「まぁ良い。お前も元々の主人と共に、デスティーロ監獄で投獄を待っていると良いよ……」
「そ……そんな白虎。私を助けにきてくれたのではなかったのか……」
(今、白虎って言ったの? じゃあまさか、私たちが住んでいた王国を滅亡させたのって……大和大将だったの……)
「誰がお前なんかを助けるんだ? 天之四霊の中で最弱のお前を救う価値などねぇよ」
(なんて……非常な男なの)
「そして、誰も見ていないから、私がここで起きた出来事をでっち上げさせてもらうよ。黄桜拓也は玄武を裏で繋がっていて曉月政宗を殺したとな!」
(私がもしここにいることがバレたら、間違い無く殺される! バレるなバレるな……)
「よし、じゃあ罪人2人を連れて帰るとしようではないか!」
こうして大和大将こと白虎が死体となり話すこともなくなった曉月大将を置いていき、玄武と罪人にでっち上げされた黄桜拓也を連れて、本部へと帰って行ったのだ。
白虎の姿が見えなくなった後、遥がゆっくりと曉月の元へと恐る恐る近づいていく。
(ダメだ……本当に死んでいる……)
曉月の開いたままの目を遥は閉じ、立ち上がる。白虎が向かって行った方向へとじっと見つめる。
(待っていなさい、黄桜くん。あなたを確実に助け出して見せる。そして、私たちの復讐の相手の白虎を必ず仕留めましょう)
〜「王国滅亡の報復へ…」第1部 完〜
「私の名前は桜野暦よ」
「助けたい人がいるんです! お願いします。力を貸してください!」
「なぁ、玄武。ここから一緒に逃げないか?」
「王国滅亡の報復へ…弐 集いし7人」
〜公開未定〜
ですが、いつか書きます!
またその時はよろしくお願いします!
たくさんの方に読まれ、本当に感謝しかないです。
本当にありがとうございました。
佐伯千尋




