4-016 VS玄武⑤ 土蛍一閃
「やっと厄災の1人が死んだか……1人でここまで手を焼くと考えると、残りの3人も相当しんどい戦いになるだろうな……とりあえず、この男を捕獲するか」
夏目がゆっくりと玄武の方へと進んでいき、拘束しようとする。
しかし突如、屋敷が大きく揺れる。
「いったい何が起こっているんだ!」
「元々の屋敷の構造ですよ……主人が死ぬと屋敷は崩壊する構造でしたからね……」
(ちょっと待ってくれ、なぜ椎名が喋っているんだ!)
「夏目さん、椎名から離れてください!」
「気づいた時にはもう遅いですよ!!」
玄武は剣を心臓に刺されたにも関わらず普通に動き、夏目の両足と左手を切断した。
「あと少しで完全に息の根を止めれたのに……まぁ良い、完全に動くことができない人たちはここで瓦礫の下敷きになるのだから」
「いや待て……ここの主人は椎名だろ? お前は死んでなんかいないじゃないか!」
「フフフフフ、あまいですよ黄桜王子。私が使用した最後の薬は生命模写。つまり心臓が2つある状態なんですよ。人間の心臓は1つですから、屋敷は潰れるんですよ……と言うわけでここで死ぬわけには行かないんですよ、ここでお別れです。さようなら」
玄武は命の危機を感じたのか即座に逃げた。玄武の後を追いかける榊葉と拓也。
遥と朝霧は仙木と夏目のところへと足を運び、止血作業などを行った。
「仙木さん、夏目さん待っててください。今すぐに私の回復の歯車で!」
「いや……もう構わない。そんなことをしていたら、お前たちも……瓦礫の下敷きになってしまう。俺たちを置いて早く逃げろ……」
「私たちにはそんなことができません」
「いいから早く行くんだ。朝霧……後は頼むぞ!」
朝霧は仙木と夏目の覚悟を決めたことを感じとり、遥を連れて外へと連れて行った。
「夏目……最後にひとつだけ頼めるか……?」
「なんだ……仙木……」
「分析の歯車で玄武のもうひとつの心臓を探して欲しい……」
「俺の命が持つ限り……探して見せる……分析の歯車・解析」
(この一振りに全てを捧げる……)
「大地の歯車・生成……槍」
(自分の最大限の力を使って……より大きく鋭利なものを……)
「解析完了……本来の心臓の真下にもうひとつの心臓がある……」
「わかった……ありがとう……」
仙木が作った槍は鍛冶屋の槍よりも丁寧に作られていた。
「よし……行くぞ……敵を貫け、大地の歯車・参式……土蛍一閃」
「大丈夫だ……俺がアシスト仙木の槍のアシストを行う……分析の歯車・追従補正」
「「貫け……大地の一閃よ……」」
---マッキナ屋敷・出口付近---
「まだ追いかけてくるのですか……しつこいですね」
「お前を倒すまでは絶対に追いかける……!」
「「光の歯車・光速移動」」
拓也と榊葉が同時に光速移動を使い、玄武に一気に詰め寄る。
すると、後ろから仙木が放った土蛍一閃が勢いよく飛び出て、玄武の第二の心臓を貫いた。
(バカなバカなバカな……この私が世界最強と言われている天之四霊の幹部であるこの玄武が、このような脆くて愚かな人間如きに、負けるなんて……ありえない……ありえない……)
「黄桜拓也。そっちを頼むぞ」
「了解です」
2つの心臓を貫かれた玄武はその場に倒れ込む。それを榊葉と拓也が倒れた玄武を押さえ込み、身動きを取れないようにする。
そして後ろから逃げていた遥と朝霧も数分後に追いつき、4人かがりで玄武を押さえ込んだ。
「そこまでしなくても、私はもう動けませんよ……」
「罪人は黙っていろ……後できっちり全て説明してもらうぞ……」
そして屋敷がどんどん中央から崩れ落ちている。
「まずいぞ……早くこの屋敷から出るぞ」
玄武を連れて4人は屋敷から急いで飛び出た。
そして5人が飛び出て数分後、マッキナ屋敷は完全に崩れ落ちたのであった。




