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王国滅亡の報復へ…  作者: 佐伯千尋
第4章 絡繰屋敷・VS玄武編
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4-011 最終決戦

光の歯車(ライト・ロウェル)・壱式……光速五月雨斬(こうそくさみだれざん)


 即座にダイヤの元へと着き、光の速さで凄まじい剣技を見せる榊葉。ダイヤは気付いておらず、呆気なく斬られる。


(嘘、この程度なの?)


 しかし、斬られた部分はすぐに接合し元に戻る。


「残念だっタね栞。あナたの斬る攻撃ハもう私ニは効かナいわ!」


 必要以上に伸びた爪で栞の右腕を引っ掻く。引っ掻かれた部分からは大量の血が吹き出ている。血を見て喜ぶダイヤ。栞はなぜか止血を行わなかった。


「まさかだけれども、斬るだけが攻撃だと思っているの? それに、少し攻撃を当てたぐらいで喜ぶ程度の人間だったなんて……あなた本当に私のお姉ちゃんかしら? 私が知っているお姉ちゃんはもっと戦いにおいてきちんと戦略を立てれたはずだし、相手を完膚なきまで叩きのめしてから喜んでいたわ。もしかして薬のせいで頭がおかしくなってしまったのね?」


「とっトと殺シて楽にしテあゲるわ! 光の歯車(ライト・ロウェル)・生成……(クロウ)


 ダイヤは刀を投げ捨て、爪を作る。


「新たな変化にすぐに順応できる訳がないわ……刀を捨てた時点でお姉ちゃん……あなたの負けよ……」


「ウルさいウルさいウルさい!!! 光の歯車(ライト・ロウェル)輝きの爪(シャイニング・クロウ)


「その程度の単純な攻撃、避けるのも簡単だわ……光の歯車(ライト・ロウェル)月光の舞(ムーンライト・ダンス)


 大きく動作をするダイヤの攻撃は、ことごとく榊葉はかわしその隙に攻撃を仕掛けていく。

 ダイヤはもちろん避けることは出来ないため榊葉の全ての攻撃をくらうが、玄武から渡された薬の影響で死ぬことはなかった。


「あナたに勝ち目ハなイわ!!」


「勝手に決めつけないでくれる? 細胞が接合されるのなら、細胞ごと粉々してあげる……」


 榊葉はダイヤの方へと刀を投げつける。当然、ダイヤはその刀を弾き返す。


「光と共に消えなさい……光の歯車(ライト・ロウェル)・光の波動!!」


 ダイヤに目掛け光の波動が飛ぶが、ダイヤは余裕で波動を避ける。


「そノ遅イ、攻撃が当たルとでモ思ったカ?」


 すると榊葉はため息をついた。


「はぁ……お姉ちゃんやっぱり薬で頭がおかしくなってしまったのね……この地形を忘れたの?」


「ハ……マサか……!!」


 光の波動はダイヤと榊葉が作った反射壁(リフレクション・ウォール)によって跳ね返り、空中へと飛んだダイヤの方へと目掛けて行く。


「空中で動くことはできるかしら?」


「ふんヌヌ……光の歯車(ライト・ロウェル)・光速移動!」


 ダイヤは必死に移動し抵抗する。だが反射壁(リフレクション・ウォール)によって反射する光の壁はずっとダイヤの方へと追従する。


「な……ナぜだ!!」


「そりゃあ、あなた以外標的がいないからよ……お姉ちゃんも昔はこの技、愛用していたのにそんなことも忘れたの?」


 必死に逃げるダイヤに疲れが見え始めてきた。すると榊葉もダイヤに詰め寄る。


光の歯車(ライト・ロウェル)・壱式……光鳴斬」


「斬っテも無駄だト言うコトは分かッてイルだろ!」


 斬った部分はやはり先程と同等接合されるが、なぜか榊葉は笑顔であった。


「バイバイ……お姉ちゃん……」


 接合している時間に光の波動が追いつきダイヤの体を包み込む。


「ン……バカなぁぁぁぁぁァァぁぁぁぁァ!!」


 光の波動に包まれたダイヤは徐々に体が溶けていきやがて小さな粒子となり消えていったのだ。


(あ……そういえば……)


 榊葉は辺りを見渡すしとある物を見つけ拾う。それは爪を生成する時にダイヤが投げ捨てた刀であった。


(こんなにもボロボロの刀で私と戦っていたなんて……やっぱりお姉ちゃんは強かったんだな……)


 榊葉はダイヤの刀を拾い腰に装着する。


(二刀流……カッコ良いかな……)


 ダイヤが死んだことによって、反射壁(リフレクション・ウォール)の一部は消えていた。


反射壁(リフレクション・ウォール)……解除」


 ダイヤと榊葉しかいなかった空間はなくなり、榊葉は急いで拓也たちがいる方へと向かって行った。


---マッキナ屋敷・玉座---


「ここまで残る人間が7人もいるなんて、逆賊討伐軍の上位陣はなかなかに良い人材の集まりですねぇ。私、感心しました。今すぐにでも私の幹部へとしたいぐらいです。……ですが敵である以上、容赦なしで挑ませていただきますよ」


「うるさいぞ椎名! まさかお前が裏切り者だったなんて思ってもいなかったぞ!」


「まぁ、思わないのも普通だと思いますよ? 私、あの王国護衛騎士団にいた時、裏切る前日まではきちんと職務を全うしていましたからねぇ。ま……それは置いといて、少しドーピングをさせていただきます」


「そんなことさせるか……未だ、全員突撃せよ!」


 仙木の合図と共に、全員が一斉に玄武の方へと走って行く。


「死にたい奴らが次々へとやってくる……私の薬投与時間は1秒もかかりませんよ……!?」


 玄武は4本の注射を同時に注ぎ込み戦闘の準備を始める。

 一番最初に玄武の元へとたどり着いたのは草津であった。


「藤城の仇、晴らしてやる! 大地の歯車(アース・ロウェル)……」


「そのような遅い攻撃が当たると思いますかね?」


 気がつくと玄武は草津の背後へと回り込んでいた。


(な……なんで後ろに!!)


 すると玄武は草津の体を手で貫いた。


「まずは……1人目……」


 貫通した草津の体を手から払い除け、壁へと投げ飛ばされる。


「後6人……果たして勝てるかなぁ?」

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