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王国滅亡の報復へ…  作者: 佐伯千尋
第4章 絡繰屋敷・VS玄武編
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4-008 途中参戦

---逆賊討伐軍・本部---


 総帥の部屋にとある2人が入室する。


「やぁ君たち、きちんと来てくれたんだね」


 入ってきたのは第7支部大将の曉月政宗(あかつきまさむね)と第8支部の大将、大和(やまと)嵩玖(たかひさ)の2人であった。


「もちろん! 来ないと言う選択肢はありません!」


「私たちは総帥様が優先です」


「それは嬉しいことだよ。早速だけれども任務を伝えるね。君たちにもマッキナ屋敷に向かってもらうことにするよ。良いかな?」


「はい、わかりました!」


「総帥様の頼みであるならば……」


「ありがとう、早速場所を伝えるから現地に向かって欲しい。きっと仙木や夏目、榊葉たちが必死に戦っているはずだ。フォローを頼むよ」


 そして2人は総帥室を後にし、現地へと向かった。

 その途中の出来事である。


「それにしても、大将4人がかりって少し大袈裟な気がするけどなぁ〜、嵩玖はどう思う?」


「どうだろうか? 実際に"天之四霊(てんのしれい)"と戦ったことがある人って、筑紫秋総帥だけだろ? 確か総大将の麒麟(きりん)を倒すのに"虹の家族(レインボー・ファミリーズ)"全員でやっただったんだろ? それだったら4人って少なくないか?」


「う〜ん。でも榊葉ちゃんとか直属軍第4傑の実力の子とかもいるし一緒ぐらいではないか?」


「確かになぁ、現に出撃メンバーで一番強いの榊葉ちゃんだからなぁ。仙木と夏目はもう少し強くなって欲しいところだ」


「とりあえず嵩玖! 早く現地に向かおう」


「そうだな、向かうとするか。けど政宗、私たちが全力で走っても1時間はかかるぞ?」


「いや、俺たちなら45分で行けるぞ! 自分を信じよう嵩玖」


「どこに自分を信じる要素があった……」


 こうして2人は急いでマッキナ屋敷へと向かった。


---マッキナ屋敷・スペード扉---


 生き残りサバイバルの残り時間も残り僅かとなっていた。

 長い廊下をずっと歩いている3人。思わず遥が本音を漏らす。


「……にしても、いつになったらこの長い長い廊下は終わるんだろう」


「それは分からないが……まぁ必ず終わりは来るんだ、地道に歩いて行こう」


(夏目さん……しれっとかっこいいこと言ってる気がする……)


 ここの扉も同じく前から誰かが歩いてくる。足音が聞こえていたので3人はすぐに戦闘態勢へとなった。


(いったい誰だ……味方だと良いけど……)


 拓也が思っていた願望とは異なり、現れたのは集められた15人には見かけない顔であった。

 男は茶髪でオールバックであった。そして袴を着ており、下駄を履いている。片目を失明しており、額にはたくさんの傷がついている。


分析の歯車(アナライズ・ロウェル)・解析」


 夏目がさっそく敵の情報を手に入れるために歯車(ロウェル)を使う。

 その様子を見て男が突然、夏目の方へと走って行く。すでに手には、先端が鋭く赤く染まっている槍を持っている。


(まずい、夏目さんはまだ敵の分析が終わっていない。なんとか護衛しないと……けど間に合わない!)


 夏目と拓也の距離はかなり離れているため夏目を庇うことが間に合わない拓也。

 その時だった。


氷の歯車(アイス・ロウェル)氷の壁(アイス・ウォール)


 突如2人の間に壁が作られ、槍を持った男の顔が見えなくなった。

 その先に夏目の護衛へと回る拓也。


「遥……! いつの間にそんな技を!」


「そりゃねぇ〜、いつまでも歯車(ロウェル)を使えないままじゃ本当に足手まといだからねっ!」


(遥も本当に変わったなぁ……一番最初なんてモップを持って必死に逆賊から抵抗してただけだったのに……今ではこんなにも成長して……)


「……まずい!」


 遥が作った氷の壁はとても頑丈に作られていた。

 しかし相手の男はそれを難なく槍で突き破ってきたのであった。


「実に見事な氷の壁(アイス・ウォール)……だが我がスペード様の愛用の槍は最初から炎の歯車(フレイム・ロウェル)を憑依させている……残念だが氷は炎には勝てぬ! 大人しく散れ!」


 スペードはいきなり標的を夏目から遥へと変え襲ってくる。

 だがその攻撃も拓也によって阻止された。


「なぜ貴様、この女へと攻撃することが分かった?」


「よく分からないけど……もし自分があなたの立場なら同じことをするからかな」


「ふっ、面白いやつだ」


 そしてスペードが一歩下がる。これをチャンスだと思い下がったところを攻めて行く拓也。


光の歯車(ライト・ロウェル)・光速移動」


(相手はいきなり襲ってきたら、動揺するはずだ……これなら勝てる!)


 一瞬でスペードが退いた間合いを詰める拓也。だがなぜかスペードは一切動揺していない。

それどころかまるで拓也がこちらに来ることを予測していたような対応を見せた。


「信じていたぞ……俺が下がると近づいてきてくれると。やはり考えがそっくりなようだな」


 分析が完了した夏目。そして慌てて拓也と遥に伝達をする。


「気を付けろ、黄桜くん、水城さん! その男は懐に……銃を持っているぞぉぉぉぉぉぉ!」


「遅かったな、夏目(なつめ)宏明(ひろあき)! どれだけ叫ぼうとも、俺の方が絶対に速い。終わりだぁ!」


 スペードは急いで懐から銃を取り出し、拓也に対して撃ったのであった。

 目の前で起こったことなので思わず目を反射的に閉じる。


(あぁ……終わった……俺死んだんだ……)


 目を開けると、そこには不思議な世界が広がっていた。


(な……なんなんだ。ここは一体……)


 拓也の前に広がっていたのは、全員が止まった世界であった。


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