4-001 召集
第4章スタートです!
よろしくお願いしますっ!!
七福神襲撃事件から2週間が経過した。それといった大きな事件はこの世界では起きなかった。
拓也と遥、それと橙山の3人は雅たちに特訓をしてもらっていた時であった。
「君たち、緊急事態だ! すぐに会議室へ」
特訓場所に現れたのは、筑紫秋総帥であった。総帥に言われた通り4人はすぐさま会議室へと向かったのであった。
会議室に行くと、直属軍と"虹の家族"の全員、それと第8支部の大将であり、かつて拓也と共闘をした大和嵩玖がいた。
「本日、集まってもらった理由は他でもありません。20年間姿を現さなかったあの"天之四霊"の1人である玄武の居場所を突き止めることができました」
(すごいなぁ……どうやって見つけれたんだろう……)
「玄武が現在いる居場所は第5.6支部の境目に位置するマッキナ屋敷です。なので、仙木、夏目を中心に特別部隊を結成し、現地に向かわせることにします」
「なるほど、大和報告ご苦労であった。天之四霊の居場所を突き詰めるだけでも大手柄であるぞ、よくやった」
「ありがたきお言葉」
大和は筑紫秋の方を向き、深く一礼をした。続けて筑紫秋が話して行く。
「特別部隊をたった今瞬間で作らせてもらった。今から名前を呼ばれたものはここに残るように」
(まぁ、どうせ俺は呼ばれないであろう……)
「私の直属軍より、朝霧澪、西坂幸太郎、榊葉栞、閑田雄作。そして"虹の家族より、水城遥、黄桜拓也。……
(え……待って僕、今もしかして呼ばれた?)
すると隣から遥が話しかけてくる。
「黄桜くん! 一緒に頑張ろう!!」
(ちょっと僕だけ仕事多くないですか?? まぁ……いいや。頑張ろう)
「それと各支部から何人か助っ人を用意しますので、それはまた追々紹介します。と言うわけで呼ばれなかったもの以外は解散!」
拓也と遥、直属軍の呼ばれた4名はその場に残り、それ以外のものは会議室から次々と退出していった。
「では筑紫秋総帥。私は仙木と夏目。それと助っ人として呼ぶ可能性のある人たちに連絡をしてきます」
大和も会議室を後にし、7人になったところで筑紫秋が詳しい内容を話し始める。
「今回の目的は大型逆賊"天之四霊"幹部の玄武。4人の幹部の中でも1番謎に包まれている人物だ。そして今回だが……色々と情報を聞き出すため、できれば殺して欲しくはない」
するとその意見に反対をする者がいた。それは七福神戦の時に拓也達の補佐をしていた朝霧と遥の特訓の手伝いをしていた西坂の2名であった。
「いくら総帥の意見であろうとも、私は天之四霊の幹部を生け捕りはしたくありません」
「そうだよっ! 私も幸太郎くんと同じ意見で絶対に生け捕りを反対しますっ!」
「待て待て私はできればと言った。最終決定権は私にはないからね。それは現場に向かう君たちが時と場合に応じて考えてくれ」
すると、会議室の扉が勢いよく開いた。そこには2人の男が立っていた。
1人は黒髪に黒い瞳を持った心優しそうな青年で、身長は遥と同じくらいの青年であり、もう1人は茶色の髪に同色の瞳、それに頰には獣に引っ掻かれたような大きな切り傷が残っている青年だった。
筑紫秋は待っていたかのように2人を歓迎した。
「紹介しよう、第5支部大将である仙木尋和と第6支部大将の夏目宏明の2人だ。今回はこの2人に指揮をとってもらう」
2人は筑紫秋の紹介が終わると同時に礼をする。そして、茶髪の青年の仙木が自ら紹介を行った。
「第5支部の大将の仙木です。ここに集められた人たちは少なくとも、玄武を倒すことのできる人たちだと思っていますのでとても心強いです。どうぞよろしくお願いします」
続いて黒髪の青年、夏目が紹介を始めた。
「第6支部、第二の歯車である分析の歯車を使用します。対象としては新参者ですがよろしくお願いします。一緒に玄武を討伐しましょう」
(そういえば……今まで全然気にしていなかったが、第二の歯車って、一体何なんだろうか?)
「遥……ひとつ聞きたいことがあるのだが?」
「いいよ、どうしたの? 拓也くん」
「今更すぎるかもしれないが、第二の歯車っていったいどう言うものなんだろうか……?」
「第二の歯車はね、始まりの歯車が出てきてから50年後に突然変異で現れた5つの種類のことよ」
(そこに禁忌の歯車である死の歯車が含まれると言うわけか……)
「まずは先程、夏目大将が使うと言っていた分析の歯車」
(分析……いったいどういう能力だろうか、想像がつかないなぁ……)
「次に朝霧さんが使用する回復の歯車」
(あの扉を蹴破った人が使う歯車って、かなり重要じゃないか……)
「そして次が、時間の歯車、防御の歯車」
(防御の歯車はエーデルシュタイン島でのダイヤモンドが使っていたなぁ……そして、時間の歯車……聞いた感じだと時間を操れそうだな、って第二の歯車強すぎないか?)
「そして最後に闇の歯車!!」
(闇の歯車……だと? それって確か、白虎が使っていた歯車じゃないか……)
「以上の5つよ。何か質問ある?」
「いや……ないな。教えてくれてありがとう」
(つまりだ……僕がオリジナルだと思っていた闇の歯車はもうかなりの人が使えるもので、もしを使用しているやつがいたら、白虎の可能性が十分あるということか……)
「なぁに、そんなに硬い顔をしているんだ? 黄桜くん」
拓也が考えているところに誰かから後ろから肩を組まれた。
拓也が後ろを振り向くと懐かしい顔ぶれがたくさんいた。
「よっ、元気にしていたか?」
「君も無事で良かったよ」
「エーデルシュタイン島では世話になったね、また共闘を光栄に思うよ」
「前よりタフになったな!」
「懐かしいな黄桜くん、あれから俺は階級が上がったんだぜ!」
後ろにいたのは、宝石十二の王の時に共闘した第7支部の植松、第8支部の松平、駿河。そして七福神の時に共闘した、第3支部の藤城と草津がいたのであった。
「皆さん、お久しぶりです! 再びよろしくお願いします!」
そして後ろには見知らぬ2人が立っていたのであった。その2人に気づき仙木が声をかける。
「尾名古、多加木、お前も来てたのか!」
「はい、呼ばれたので……」
「久しぶりの任務でワクワクしております。共に玄武を討ち取りましょう」
(いいなぁ……仙木の方は2人来て、俺の支部は誰も呼ばれたかったのかよ……)
全員が集まったところで、筑紫秋がGOサインを出した。
「それでは全員……自分の命を大事にして精一杯頼むぞ! では、御武運を!」
仙木と夏目を先頭に全員が一斉にマッキナ屋敷へと向かい始めた。
そして誰も知らない。この最強の相手を戦うのに多大なる犠牲が出ることを。
---対玄武・特別部隊---
第3支部
藤城 聡一朗・草津 藍
第5支部
仙木 尋和・尾名古 竹夏・多加木 志
第6支部
夏目 宏明
第7支部
植松 春市
第8支部
松平 君近・駿河 丈二
虹の家族
黄桜 拓也・水城 遥
筑紫秋直属軍
榊葉 栞・西坂 幸太郎・閑田 雄作・朝霧 澪
計15名




