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王国滅亡の報復へ…  作者: 佐伯千尋
第3章 雪山決戦・本部襲撃編
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3-019 緊急会議

「少しばかりは……使えると思っていましたが……全然、何の役にも立ちませんでしたね。期待外れですよ」


「そもそも、|逆賊討伐軍にいるあなた(・・・・・・・・・・・)が、行けば簡単に行けると思うのですが?」


「いや私が行くとバレてしまいますからね、それだけは避けたかったのですよ」


「まぁ所詮、大型逆賊になったばかりでしたから、使えないのは分かっていたことではないですか?」


玄武(・・)。確かにそれはそうだったかもしれん。それと目障りだからそのトランプ(・・・・)は置いてくけ」


 白虎に言われた玄武は前にあつな丸テーブルに自分の愛用のトランプを置いたのであった。

 すると今度は朱雀が白虎に対して言い始めた。


「それにしても白虎。黄桜家の全滅の失敗、それに今回の死の歯車(デス・ロウェル)の情報入手失敗と2連続で失敗しているではないか。天之四霊もしてあるまじき行為ではないか?」


「朱雀の言う通りだぞ。いくらなんても失敗しすぎではないのか?」


 朱雀に便乗して白虎を攻める玄武。そこに最後の1人である青龍が仲裁に入った。


「まぁ、過ぎたことは置きましょう」


 その一言によって黙る朱雀と玄武。ふと白虎はあることを思い始めた。


(朱雀と玄武。この2人は少し目障りだ。一緒に活動を行ってきて20年間。まぁ良い頃合いだろう……1人ずつ消えていってもらおうか……)


 白虎が残りの3人にとあることを通達し始めた。


「では改めて次なる作戦を指示しようと思う。1人各指定された支部2つを壊滅まで追い込んでもらう。朱雀が第1.2支部。青龍が第3.4支部。玄武が第5.6支部。そして私が第7.8支部を担当だ。異論はないな?」


「ちょうど良かった。私の絡繰屋敷が存在するのは第5.6支部の辺りですからね……」


「そして私には、第3支部の資料も奪ってこいと言うことだな、白虎?」


 青龍が白虎に聞くと、白虎は頷いた。


「あーあ、俺は第3支部で真帆(・・)ちゃん(・・・)と戦いたかったけどなぁ〜」


 朱雀が残念そうに言った。


「朱雀……これはすぐにわかることだが、片咲大将はもう逆賊討伐軍にはいられないよ……」


「なんでかは知らないが……それなら別にどこでも構わないぜ」


(女狙いなのか……? まぁ、これで玄武と朱雀は(・・・・・・)は無事に消えてくれそうだ)


「では、これにて解散だ……次に会う時は、逆賊討伐軍の支部の、全て崩壊が終えて資料が手に入った時だと私は祈っている」


「資料が手に入ったら……麒麟(きりん)様を復活できることができる!」


「あぁ……そして30年前のあの厄災を、再び引き起こすことができる! 世界は俺たちのものへと……変わっていくんだ!!」


 そして4つの椅子と丸テーブルだけを残し、その場所からは誰もいなくなった。


---逆賊討伐軍・本部---


 七福神による第3支部襲撃から3日が明けた。拓也は会議室へと呼ばれたのだ。


(いったいなにが始まるんだろう?)


 扉を開けると、筑紫秋総帥と大将8人が座っており、扉の近くには遥たち虹の家族(レインボー・ファミリーズ)が立っていた。更に総帥の後ろには雅を含む直属軍の16名が立っていた。

 拓也は指定された席へと座る。


「さて、全員が始まったところで緊急会議を始めようと思う。今回の議題する内容は2つだ。ひとつ目は片咲大将。自分の口から言ったほうが早いね……」


 筑紫秋がそういうと、片咲は立ち上がりみんなへ説明を始めた。


「私、片咲真帆は歯車(ロウェル)の二重使用という逆賊討伐軍の規則を破る行為を行なってしまいました」


 その出来事を直で見た拓也と赤星、そして相談を受けていた大和以外の会議に出席していた者は声を出して驚いていた。


「よって、本日限りで逆賊討伐軍を退軍ということになります。短い間でしたがありがとうございました」


 片咲は深く一礼をした後再び座り、筑紫秋の司会が再び進行する。


「さて……これがひとつめ。もう一つの事は大体わかると思うけど、片咲の後任を誰が行うか。ということを話していきたいと思う。何か意見がある人は言ってくれ」


 と筑紫秋は言うも、誰も意見を発しなかった。他の支部のことをあまりわからないからであろう。

 すると、筑紫秋は片咲にあることを言った。


「片咲、誰からも意見が来なかったから君からの推薦で決めようと思う。本当に誰でも良い、選んでくれ」


 片咲は最初少し迷っていたが、すぐに決まったようだ。


「決まりました……私の後任は、高緑至一郎で!」


 片咲は高緑を指名した後、選ばれた1名を除いて盛大な拍手が贈られた。


「ちょっ……ちょっと待ってくださいよ。なんで俺なんですか! もっと良き人材はたくさんいますよ!」


 高緑は猛烈に片咲に抗議する。すると曉月が高緑に言い始めた。


「なぁ高緑、良いじゃないか! 君は元々、私の支部の中将で私の補佐をしていてくれていたではないか」


 曉月に続いて片咲も選んだ理由を伝える。


「それにあなたが大将と同等の実力あることは知っているからね」


 すると高緑は褒められて嬉しかったのか、顔を赤く染め頭を掻きながら素直に受け入れたのであった。


「……まぁそこまて言うのであれば高緑至一郎、精一杯第3支部の大将として努めさせていただきます」


 こうして片咲の後任が決定し、後は今後の第3支部の修復のことなどが伝えられて会議は終了した。

 会議が終わって大将たちが次々と会議室から退室していく。そして拓也は、片咲とすれ違った時、小声で囁かれた。


「……後で、第3支部の大将室へ来てね」


「分かりました」


(いったいなにを言われるのだろうか?)


 そして、全員が会議室から退室して行った。会議室を出た後、拓也は聞き覚えのある声で、誰かに呼ばれたのだ。振り向くとそこにいたのは、遥と橙山であった。


「久しぶりだなぁ。遥と橙山! 元気にしていたのか?」


「うん……! もちろん元気にしてたよ。真波ちゃんと一緒に筑紫秋総帥の直属の軍の人たちに特訓してもらったから、今度一緒に戦える時が楽しみなんだよ」


「にしても、私たちに対する扱いは酷かったけどね!許さないわ……ねぇ〜遥ちゃん?」


「……ま……真波ちゃん? 後ろ……」


 橙山が後ろを振り向くと、後ろには半裸の男が立っていたのであった。


「悪かったなぁ、扱いが悪くてよぉぉ!!」


「ひぃ……すすす……すいません。西坂さん」


 橙山はすぐに謝った。拓也はその男に挨拶をした。


「どうも初めまして、僕は逆賊討伐軍特別部隊"虹の家族(レインボーファミリーズ)"の黄桜拓也です」


「俺の名前は西坂幸太郎(にしざかこうたろう)。筑紫秋総帥直属の軍の少将である。お前のことはよく雅から聞いている。もし、今後共闘することがあったら宜しく頼む」


 そう言うと、西坂は去っていった。

 そして拓也は遥と橙山と別れ、第3支部へと向かって行ったのであった。

次が第3章最終回です

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