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王国滅亡の報復へ…  作者: 佐伯千尋
第2章 宝石十二の王・逆賊討伐軍入隊編
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2-010 黄桜拓也vsアメジスト

今日も二話連続投稿となりそうです!

「ど……どうして……僕が戦うんですか……?」


「習うより慣れろ……みたいな感じだ! 大丈夫、本当に君が負けそうになった時、私が助太刀をしよう!」


(そういう問題ではないような気がする……でも……行くしかない……!!)


「ぼ……僕の名前は、逆賊討伐軍・黄桜拓也だ! いざ、尋常に勝負!!」


「わざわざ名乗るだと? バカな奴め、お前の墓場はここだぁぁ!!」


 もうすでにアメジストは弓を構えている。雅が横から助言をする。


「拓也王子、光速移動を使うのです〜そしたら、矢を確実に避けれますよ!!」


「わかった……!!」


(とは言ったものの、どうやってやるんだよ!! 確か、使う部位を中心に光を集めればいけると誰かが言ってた気が……試しにするしかない!!)


 光を足を中心に集める拓也。少し慣れてきたのか、溜まってきていることを実感しているようだ。


「くたばれぇぇぇぇぇぇ!!」


 毒のついた矢を拓也の方へと打ってきたアメジスト。拓也は覚悟を決めた。


光の歯車(ライト・ロウェル)・光速移動!!」


 慣れていないためか、雅よりかは動きは遅いが、確実に速く動けている。

 アメジストが放った矢など、一瞬にして避けた。


「な……んなバカな!!」


 曉月と雅は嬉しそうに見守っている。


「拓也王子……少し前までは歯車(ロウェル)を使うことでさえできなかった少年だったのに。今はきちんと呪系をどんどんと使っていけるようになっていて〜本当に頼もしい方だこと〜」


 対してアメジストはかなり焦っていた。


(どうしよう……矢は少しずつ減ってきている。そうだぁ! あの男と戦っているフリをして残っているあの2人を矢で殺せば……決めたぜ決めた! グフフっ!)


 再び矢を構えるアメジスト。

 だが少しここでアクシデントが起きた。自分の視界に拓也がいなかったのだ。

 もしそのまま矢を放ってしまえば、間違いなく狙っていたことがバレ、瞬殺されてしまう。


(早くあの少年を見つけなければ……)


 血眼になって探すアメジスト。後ろを振り向いてみると拓也がいた。

 だが刀をすでに振り上げている。


「こぉれぇでぇ……終わりだぁぁぁぁ!」


 勢いよく拓也は持っていた刀を振り下ろした。刀はアメジストの体を斬り、大量の血が付いた。体を斬った部分が浅かったのか、アメジストはまだ生きている。

 だがもう戦う気力はなく、生きていることで精一杯のように見えた。駆け寄る曉月と雅。


「黄桜王子、よくやった!」


 励ます曉月。雅もとても喜んでいた。

 しかし、まだこれで終わってはいなかった。アメジストは生きているのだ。アメジストは矢を、曉月の足に直で刺そうとした。

 しかし、雅に手を踏まれその作戦は失敗した。そして雅はアメジストに言った。


「あなたには、2つの選択があります〜。1つ目はこのまま時間がどんどん経っていって苦しみながら死んでいくことです〜。もう1つは……


(まさか、捕まえて牢獄生活か!? 俺を殺さないでくれるのか?)


 少し期待をするアメジスト。


……2つ目は、私に首を斬られて即死するかです〜。どちらが良いですか? 好きな方を選んでくださいね〜」


 どのみち死なないといけない選択であるアメジストは顔が真っ青である。続けて雅が話す。


「だって……逆に聞きますけど、あなたは人を殺しているのですよ〜? 私たちの仲間を。なのに、そのまま生かすなんて思いますか?」


(クソッッ、俺は死ぬ運命なのか! ならば、最後まで足掻いて見せる……! 矢はまだ持っているし……)


 矢を再び持とうとしたが、ここでアメジストは力尽きた。目から悔し涙を流していた。


「さて……火山の中央部分を目指すとしよう! おそらくだが、隠れるとしたらそこしかないだろう!」


 3人は火山の方へと走っていく。


---エーデルシュタイン島・東エリア---


 はっきり言うと西エリアと雰囲気は一切変わらない。とてもきれいな川が流れており、その川の上流付近には滝がある。気持ちを穏やかにさせてくれるような場所だ。

 東エリアにいるのは、植松、神村と凜音。それと遥の4人である。神村が言った。


「せっかくだし、滝の部分に向かって行きませんか?あんまり見る機会とかもないと思いますし……」


「それもそうだな、行くとしよう」


 滝の方へと向かっていく4人。滝のところへと行くと1人の坊主が滝に打たれていた。


「貴様らは……一体誰なのか……名を述べよ……」


「逆賊討伐軍・第7支部中佐の神村だ! 貴様は誰だ?」


「我が名はパール。"宝石十二の王(ジュエリー・キングズ)"の1人である。私の体は世界一の硬さである! 倒せるものなら……倒して見よ!」


「言われなくても、そのつもりさ! 炎の歯車(フレイム・ロウェル)・生成……拳銃(ピストル)!」


 神村は拳銃を生成し手に握る。1発、パールの脳天に目掛けて撃った。


「……愚か者!防御の歯車(ガード・ロウェル)・生成……(ミラー)


 炎の銃弾は鏡により反射し、逆に神村の脳天を撃ち抜いた。

 さらに傷口から炎が燃え上がり神村は燃えていく。


「おい。どう言うことだ、説明してくれ植松! 私は歯車(ロウェル)は7つしか存在しないと聞いているぞ!」


 植松は凜音の情報の疎さに驚いた。


「不二宮さん……あなた何年前の話しているんですか? それは100年前の情報ですよ? 今の歯車(ロウェル)の種類は12種類です!」


「な……なんだと!? 5種類も増えたのか!? パランポレン王国にはそのような情報は伝えられていないぞ……!」


「そんなの僕に言われても知りませんよ。そこの国王に情報共有のため、討伐軍の支部を置かせてくれって何度も頼みに行ったのに、頑なに拒否し続けたんですから、情報の渡しようがありませんし……」


「そうだったのか……それで、防御の歯車(ガード・ロウェル)と言うものは一体何なのだ?」


「名前の通りです。防御に徹しています。勝つためには近距離戦で戦い、さらに相手の防衛力を上回る必要があります。結構厄介な歯車(ロウェル)です……」


「なるほど……相手の硬さを上回れば良いんだな……? つまり、ここは私の出番だな……。遥、今後のあなたの戦い方の一つの参考として、私の動きをよく見ておくんだ!!」


「分かりました!」


 遥はじっと凜音のことを見つめている。きっと、早く強くなりたいのだろう、そう感じ取れる姿勢である。

 パールはさっきの神村よりも強い人と言うことは認識したようだ。


「貴様は先ほどの者よりかは強者と見る。……しかし、誰が来ようとも、私の硬さの前では無力である。その自信を打ち砕いてやろう……!」



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