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王国滅亡の報復へ…  作者: 佐伯千尋
第2章 宝石十二の王・逆賊討伐軍入隊編
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2-006 港町・ハーフェン

 ロビーから東の方に階段を登って行く。3階の1番突き当たりの部屋である"340"。ここが拓也と雅の部屋である。

 中に入ってみるとそこは、ホテルの一室ぐらい大きい部屋であった。


「すごいですね〜。王国騎士団の個室よりも大きいなんて……」


「悪かったな! 良い部屋提供できなくてよ!」


 2人が話をしているところに曉月が割って入ってくる。


「では早速だが黄桜王子。君は私について来てもらおうか!」


 拓也は曉月へついて行く。先程までいたロビーに戻ると、凜音が既に待っていた。

 凜音を引き連れて、ロビーを北に進むと大きな階段があった。階段を登るとすぐそこに"大将室"と言う大きな表札があり、3人はそこへ入って行く。


「そこに座ってくれないか?」


 凜音と拓也は大きなソファーに座り、曉月は普段仕事の時に使用する椅子に座った。


「早速だが、君たち2人にとある質問がしたいんだ。何の質問かと言うと、先程の自己紹介で黄桜王子が言っていた"白虎"についてだけど、出来る限りの情報を教えて欲しい!」


「すいません……顔も闇のオーラで隠れていて見れなかったので……何も……」


「そうかぁ……ならば仕方がない。けども、君たちには大将会議への参加は必ずしなければならないからよろしく頼む!」


「おい、曉月! 白虎ってやつは、そんなに危険とされる人物なのか?」


「そんなレベルではないよ。彼はこの世界の最強と言われている大型逆賊"天之四霊(てんのしれい)"の幹部なんだから。彼に勝てる人物はこの逆賊討伐軍で1人しかいないのだから」


「その人物とは……?」


 凜音は恐る恐るその人物を聞く。拓也も少し気になっているようだ。


「その方は、現逆賊討伐軍総帥である筑紫秋(ちくしあき)煉眞(れんま)様だ。筑紫秋総帥は私たち大将が2人がかりで挑んでも勝てないお方である」


 拓也はその名前に聞き覚えがあった。


(よく父上に会いきていたあの方かな……?)


「ともかくだ、君たちには大将会議の日を後々連絡するから、その時は必ず来てくれよ! じゃあ、今日は解散!」


 2人は大将室を出て行った。

 すると、凜音が拓也に話しかける。


「拓也王子、あなたは光の歯車(ライト・ロウェル)を使うことになるでしょう。なので、雅にたくさん教えてもらってください」


「わかった。凜音も、水城ちゃんに色々と教えてあげてくれ!!」


 2人はロビーで別れた。2人が大将室を出て行った後、曉月に一件の連絡が入ってきた。


「もしもし、お疲れ様です。逆賊討伐軍第7地区本部でございます。あ、嵩玖(たかひさ)? どうしたんだ?

・・・・・・それは本当か!? ありがとう。では、また後で!」


 電話を切ると、放送でみんなをロビーへと集める。次々とロビーにみんなが集まってきた。


「みんな、新しい情報が入ってきた! 第7地区、第8地区の境界のところにある"ハーフェン"と言う港で"宝石十二の王(ジュエリー・キングズ)"の1人である"アクアマリン"の情報が入った。今から言うメンバーは出撃組である。俺たちが留守にしている間は第7地区の平和は君たちが保つのだぞ!」


「「「「はいっ!!!」」」」


「それでは発表する! 今から言う7人でハーフェンへと向かう。呼ばれた者は前へ! 不二宮、茜沢、水城、黄桜、神村、植松、そして私だ。私がいない間は、中将である(つつみ)の指示を聞くように! では、呼ばれた者以外は解散!」


 曉月を含め7人がロビーに残る。曉月は早速、今回の任務の内容を説明する。


「任務は簡単だ、アクアマリンの討伐! ただ、"宝石十二の王(ジュエリー・キングズ)"が後8人も残っている。いつ増援が来てもおかしくない。それに絶対にハーフェンの近くに、アジトがあるはずだ。アジトを突き止め、全滅を目標とする。分かったな、そしたら、全員急いで本部の外へ出て集合!」


「「「「了解!!」」」」


 7人全員が外に出た。出る途中で、植松と神村が自己紹介をした。


「俺の名前は植松(うえまつ)春市(はるいち)。階級は大佐。こっちのやつは神村(かみむら)英次(えいじ)!階級は中佐。よろしくな、黄桜君!」


「よろしくお願いします!!」


2人と拓也は仲良くなった。7人はハーフェンへと走って向かった。


---港町・ハーフェン---


 貿易が盛んな街であり他の地区の船がたくさん並んでいる。移動手段は基本船である。

 ランコントルよりも大きな街であり、水上マーケットもある。


「ほ……本当にアクアマリンはいるのかなぁ……?」


 遥は少し疑問に思った。見た感じ隠れることのできる場所は海の中のみである。雅は、曉月に提案した。


「曉月大将。少し拓也王子を借りますね……特訓をさせてきます」


「了解! 拓也王子の歯車(ロウェル)の鍛錬を頼む!」


 雅は拓也を連れてハーフェンの出口付近へと向かって行った。


「なら、私も遥を連れて鍛錬をしてくるぞ!」


「了解! 水城ちゃんの歯車(ロウェル)の鍛錬を頼む!」


 凜音は遥を連れて拓也たちが向かった反対側の出口へと向かって行った。

 すると植松と神村がボソッと呟いた。


「結局、俺たち3人での行動だな……」


「まぁ、いつものことだな……」


---ハーフェン・第1出口付近---


 出口に向かっている途中であった。

 拓也は全速力で雅を追いかけていたが、曲がり角で赤の瞳の少女にぶつかった。


「すいません、怪我はないですか?」


 拓也はぶつかってしまった少女に謝った。


「いえ……全然! こちらこそぶつかってしまってごめんなさい。今は急いでいるんで、では!!」


 少女は急いで走って行った。

 そして、第一出口の方へと向かって行った。


「早速ですが拓也王子。歯車(ロウェル)の鍛錬をしていきます!! 準備はいいですか?」


「もちろんです! 教えてください、雅さん!」


「早速ですが、歯車(ロウェル)をどうしたら扱えるようになるかを説明しますね。集中するんです、光を体に集めることに! そしたら、呪は出せるようになります。その次に、武器を想像してください。それを集めた光で具現するんです! それで生成ができます。そして、もし自分の武器を持っていたら、集めた光を全てそこに移動させるんです! そしたら、憑依ができます。憑依ができたら強力な技を出せますよ!」


(簡単に言うけど、絶対難しいやつだよな……)


 これから厳しい訓練が始まることに拓也は絶望していた。


---ハーフェン・第3出口---


「氷を作るイメージで何事も行うんです! 氷を作れば後は簡単です。ズバーンとバーンとやれば、必ず成功します! さぁ、私と一緒に頑張りましょう!!」


(ダメだ……訳がわかんないヨォ……説明が一切頭に入ってこないよぉ……)


 擬音語だけで説明してくる凜音に対して絶望していた遥であった。






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