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神滅剣セイクリッドティア ~神を討つ刃~  作者: あきさけ
第一章 第一部 古き神との契約
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0.滅神セイクリッドティア

このお話は未来の話です。

どの程度未来かと言えば第一章の終わりのあたり。

いろいろ謎だらけでしょうがお付き合いください。


 ふむ、今回ロキが選んだ少年はなかなか聡明なようで結構。

 ほかの神々が干渉しているかどうかは知らぬが、力を得て振り回すことしか知らぬ猿では困る。

 だが、ロキよ、ライフミラージュの説明もせずに返すのはどういう了見だ?

 神との争いとなれば、あれの存在は必須だというのに。

 ……まあ、時期が来れば、ほかの神々も動き出すか。

 私の出番まで大人しく、ここで待つとしよう。


★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆


 さて、あれが神の尖兵か。

 人を模した巨兵、偽りの神。

 私が対峙するべき相手だが……まずはカイト=イシュバーンの出方を見るとしよう。

 あの程度の神気しか持ち合わせていない、偽神にすら負けるようでは、この先も勝てないからな。

 さて、どうでるか。


「あのさぁ、セイクリッドティア。見物もいいけど、君も働いてくれないかな?」

「む、ロキか。いつからここにいた?」

「ずっと前から様子を見てたよ。……あれ、神の尖兵だよね? 君が出て行かないと、そうそう倒せない相手でしょ?」

「かもしれぬ。だが、あの程度の存在、私なしでも倒せねば……」

「いや、さ。あれに宿っている神気を見て話をしてるんだろうけど。ライフミラージュには、まだ神気が宿っていないんだよ?」

「む? それはどういう意味だ?」

「言葉通りの意味さ。ライフミラージュは、神から与えられた機装のひとつではある。でも、神々は機装に神気を与えることができなかったんだよ」

「つまり?」

「神気が宿っていないライフミラージュに、神気が宿っているあの木偶人形(でくにんぎょう)を倒すのは難しいよ」


 なんと、機装には神の力が宿るのではなかったのか?

 ……ふむ、確かに、こちらの攻撃が、一方的に神の防壁に弾かれているな。

 宿っている神気の量を考えれば、こちらにも神気があれば軽々と引き裂けるはずだが。


「あの木偶人形を作ったデミノザも考えているよね。神気を防壁にしか使わないことで、一方的に攻撃できる環境を整えてる」

「……悔しいが、そのようだな。それで、ロキよ。どうするのだ?」

「だから、君の出番でしょ? 君なら神気を奪って、その力であれを切り裂く、その程度は簡単なはずだよ」

「……まあな。だが、カイト=イシュバーンは私を使おうとしていないぞ?」

「単純に君を使うって発想がまだないからじゃない? だって、君、自分の役割を説明していないでしょ?」


 む……そう言われれば、そうだったかも知れぬ。

 このまま戦わせても、ライフミラージュのマナが切れるほうが先か。


「……仕方があるまい。直接、カイト=イシュバーンに呼びかけるか」

「そうしてよ。君が働かなかった結果として、カイトが負けたらそれはそれで大問題なんだから」

「承知した。さて、それでは、始めるとしよう」


 私は意識を集中し、カイト=イシュバーンに語りかける。

 あちらも、それに応じ、私を使う気になったようだ。


「これで、安心できるよ。それじゃあ、またね」


 ロキの気配が薄くなり、その姿も消え去った。

 戯曲神ロキ。

 ほかの神々とは違い、定められた力を持たぬもの。

 ゆえに、自在に人の世へ渡れる神。

 信用はできぬが、目的が一致している限りは、問題ない……か?


「コール、セイクリッドティア!」


 どうやら、私の出番が来たようだ。

 さて、一暴れするとしよう。


★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆


 カイト=イシュバーンの駆るライフミラージュが、私を手に取り、木偶人形相手に身構える。

 ……ロキの奴が両手剣である魔剣ソウルイーターを渡していたがゆえ、その様は歴戦の(つわもの)に劣らない。

 木偶人形は、こちらの攻撃が一切通らないことで油断しているな。

 守ろうという意思をまったく感じられぬ。

 こちらにとっては、とても好都合だが。


 カイト=イシュバーンとともにライフミラージュに乗っている魔術師が、木偶人形に向けて魔法を放つ。

 それらはすべて防壁で遮られるが……どうやら、一方的に攻撃を受けているのは嫌らしい。

 回避行動を取り始めたが、鈍重だな。


「いまだ!! いくぞ、セイクリッドティア!!」

『応!』


 カイト=イシュバーンは、ブースターを全開にして突撃をかける。

 相手の機動力を考えれば最善に近い一手だ。

 無論、あちらも迎撃に入るが……遅すぎるな。


 こちらにあわせるように振り下ろしてきた右手の剣。

 それに対し、カイト=イシュバーンは私を振り下ろした。

 私は振り下ろされるまま、相手の神気をむさぼり、破壊の力へと変換する。

 それにより、木偶人形の右腕は容易く切り飛ばされることとなった。


(尖兵とはいえ、所詮は形を整えられただけの木偶か。相手にならぬな)


 カイト=イシュバーンは相手の左腕も切り落とす。

 その後、木偶は逃げようとしたが……私の前からは逃げられなかったようだ。


(初めての機装戦と考えれば上出来か。カイト=イシュバーン、悪くはないな)


 まだまだ未熟とはいえ、(よわい)九つの人の子だということを考えれば上々であろう。

 さあ、神狩りの始まりだぞ、カイト=イシュバーン。


いつもお読みいただきありがとうございます。

毎回の誤字報告本当に助かっています。

感想もありましたらよろしくお願いします。


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