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声優さんになろう!  作者: 社獣
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1話

広島から上京してきた少女が声優を目指して成長していく物語をマネージメントの視点から描いた読む声優育成シミュレーションストーリー。

原石を見つけるときの視点

見つけた原石を判別するときの思考

判別した価値の高い原石を磨く過程

商品のレベルまで仕上がった宝石の価値を高める為の苦悩

これを読めば、声優を育て売る側の事が少しわかってもらえると思います。

売る側の習性や思考が分かれば、どのようにしたら声優になれるのか?声優を目指している方々への一助になると思い書き進めていきます。

内容は7割ノンフィクション。


この物語に出てくる子達は決して天才ではありません。

1人は不器用で思い込みが激しくて人の気持ちなんて全然わからない子でした。

この子は前向きに努力することも出来ませんでした。

しかし、誰よりも「勝ちたい!」「負けたくない!」という想いの強い子だったと思います。

それでも戦えるのがこの業界の本当に面白いところだと思います。


声優を目指して業界に挑みにくる方々の9割はいわゆる「特別」を持っていません。

それでも夢を掴める。

その可能性がある。 

それが声優業界です。


そして、悪い言い方しか思いつきませんが…

オタクが多いのも声優業界の特色です。 世間からはオタク=弱いと思われているのでしょう。

顔出しの芸能系のビジネスよりも出口が1つもないアリ地獄のような事務所や養成所が多く存在します。

頭の作り方が不思議な感じな自称プロデューサーも多くいます。


そのあたりも少し触れられれば後続の為に触れていきたい。


少しでも私の大好きなこの業界の繁栄に…

少しでも私の大好きなこの業界の健全化に…

そして、私を育て、私が弱っているときに力になってくれたアニメに恩返しがしたい。


これから声優を目指す・目指している方々の一助になれば嬉しいです。

「私を選んで!」


真っ白いカーテンのたな引く静かな教室。

80人の陳列されたその他大勢とは明らかに違う1人の少女。

彼女以外に誰も声を出せない。出していない。

そんな静寂の中、まだ声を一言も発していない彼女の声が…。

あの時、確かに聴こえたんだ。


私の名前は植村 淳一 32歳。


声優関連の事務所に勤め始めて10年と幾月かを過ごしている。 最近ではアニメーションの委員会を組成する手伝いをしたり、ゲーム案件の企画会議から参加してマネージメント業務というよりもコンテンツを生み出す仕事に近いところでの仕事が主となっている。 


会社に勤め始めてすぐの頃は売れている声優の元でこの業界のノウハウを学び、人脈を広げ、その声優のスケジュール管理や営業を行いながら、時として音響案件の仕事などを取りキャスティングやブッキングを行なっていた。


当然、売れている声優といっても扱っている商品が人間であり、人気商売である以上、私たちは常に次に売れそうな子を探し続け、育成し続けなければならない。売れそうな子を探し続ける為には自社でオーディションを開催するか、専門学校に人財を探しにいくのが一般的な流れだが、専門学校には色々な事務所の人間が来るので当然に競争が発生する。 売れそうな子というのは、どの事務所のマネージャーが見ても大凡一致する。売れそうな子には色々な事務所から票が集まり、大抵の場合は選ばれた子が何処の事務所に行きたいかで選ぶからだ。私の勤めているような中堅どころの声優関連企業では、競争になった場合に普通にやっていては選んでもらうことは難しい。なので、学校の中で特別レッスンを行なったり、学生を招待してイベントを開催することでより事務所を知ってもらう等の努力をしなければならない。


その日、私は自分の会社を知ってもらう為の施策で模擬オーディションを専門学校に依頼されて開催していた。専門学校生は2年生の後半に差し掛かると順次学内で行われる声優事務所等へ所属する為の所属オーディションを受ける。模擬オーディションとは、専門学校生が本番のオーディションでより良い成果を残せるようにする為の練習の場であると同時に、私たちからしてみたら事前に商品を見定めることの出来る良い機会になる。 その日、伺った専門学校は東京都内の学校で生徒数80人前後。専門学校としては比較的に人数がいる方で中の大といった規模感の学校だ。


オーディションの内容は事務所によって異なる。

が、一般的には自己PRを1分程度と用意されたセリフを演じるのが一般的で1人あたりが使える時間は2〜3分程度になる。専門学校生はそれまでに学んできたことを、この2〜3分で出し切らなければならない。事務所のオーディションは在学中に1社1度しか開催されず、意中の事務所のオーディションともなれば緊張は言うまでもなく最高潮に達する。その緊張に負けてしまったが為に、それまでの全てを無に帰してしまう子も珍しくない。だからこその模擬オーディションなのだ。


専門学校生をオーディションで見ている側。

つまり、私たちの側は何を見ているのかといえば基本的に専門学校生の演技は見ていない。

声質・声量・滑舌等の基礎的な部分と眼つき。そして姿勢や容姿を見ている。

基礎的な部分は、その子がどれだけ努力ができる子なのか?学生時代でどれだけ継続的な努力をしてきたのかの物差しになる。これは一朝一夕では身に付かないものであり、継続して正しい努力を怠らなければ身につくものだからだ。 そして眼つき。目は口ほどに物を言うというのは本当で意識や意欲。緊張でままならない状態でいたとしても、その子の意欲までは緊張は消せない。姿勢に関しては基礎に近いところがあり、発声を必死に学んでいたのか否かは姿勢にも現れる。最後に容姿。昨今の声優の仕事事情的には切り離しにくくなって来ている。 これらを総合的に判断して、すぐにでも売れる子なのか、少し改善をしたら売れる子なのか、年を重ねたら売れる子なのか、何が起こっても売れない子なのか。を仕分ける。


要するに、2年生の前半で模擬オーディションなぞしても大して効果など期待できないのである。


オーディションをする側も、それを依頼する側もそんなことはわかっている。

なので、私たちは基本的に商品探しに専念する。


私はいつも通りのテンションで会場に入る。

「今日こそは誰も目をつけていない原石に出会えるといいけど…」

基本、売れる声優の原石のような子は200人に1人程度だ。

勿論、テンションとしては高くない。

大体の感覚で会場に入ったときの空気感というか、人が放つオーラというかで今日は居るか、居ないかが分かる。「今日も不作かな…?」それがその日の私の直感だった。

実は、オーディション(声優事務所に入るための)は、声を出す前に合否が決まっていることが多いです。

私たちは年間で1000人〜3000人程度の方々を選別しています。(延べ人数)

座り方、立ち方、喋る前の息の吸い方、目線や目つき、服装、髪型、骨格、そして容姿。

慣れていくると(3年くらい従事していると)大体の判断が上記の要素で分かります。

声を出して確認するのは声色や「その子が今日に至るまで積んできた努力」だったりします。

今後、 オーディションの部分に関してはまた 書いていこうと思っています。

ホント、文才なくてごめんなさい・・・。

頑張って読み取って、少しでも自分の夢を実現する足しにしてくれたら嬉しい…。

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