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悪手

「そうですね。ユイさんの言う通りです。まだ我々はこの世界を良く知らない」


ラゴスさんはそう言うとレオを見た。

「レオさん。一時的に我々のリーダーになってくれませんか?レベル的にも我々の中で一番強い。誰も文句は言わないと思いますよ」


丁寧にこの場をまとめるラゴスさん。

ぶっちゃけ面倒な役をレオに押し付けているよね。


オバチャンには分かっちゃうんだからね。


でも、レオは慣れたように「分かった」と簡単に了承する。


どう見ても面倒事に巻き込まれているよ。

アイコンタクトを送るとレオは苦笑する。


「ユイは心配症なんだね。けど、今だけは誰かがこの集団をまとめなくてはいけないと思うんだ」


言っている事は分かっているけど、他にリーダーしたい人はいるようだけどね。


やたらとラゴスさんやレオを睨んでいる賢者とか。


人の話を聞かなそうな聖騎士とか。


ゴロゴロいるよ。


まぁ、そんな苦労を敢えて背負っちゃう人だから私のようなレベルなしの村娘を見捨てられないのだろうけどさ……レオって絶対人生損しているよ。


「でも、皆さんを無理強いはしません。各々が信じる通りにされて良いです。勿論、私達と行動を共にするという方は誰でも拒みませんが」


レオがそう言うと案の定睨みをきかせていた賢者と聖騎士が立ち上がる。


「それでは勝手にさせて貰おう。私はスピカ。私と共に来ると言う者は私が保護する。私はここより南を目指す」


賢者のレベルは830

賢者でレベル830は強いだろう。

何人かの人達がスピカに続いて立ち上がる。


「私はキーラン。私はここより北を目指す。私と共に行く者は全力で私が守ろう」


聖騎士はレベル900

はっきり言って強いだろう。


この二人はなんでさっきのスカウトから外れたのだろうか?


そう思い二人を見てみる。


何か滅茶苦茶偉ぶっている感が否めない。


あぁ。

そうか。


人に使われるのが嫌なんだ。


そう思って納得した。


そうして、私達は更に人数を減らした。


二人が北と南を目指した事で、私達の向かう方向が決まる。


それが悪手なのは誰の目からも明らかだった。

お読み頂きありがとうございます。

また読んで頂けたら幸いです。

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