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知らぬが仏

ある一行が巨大な敵に遭遇している時。


ユイ達は優雅に浜辺を歩いていた。


「このまま浜辺を歩いていれば、その内海に流れ込む川に差し掛かるだろう。そうしたら上流に遡ろう」


レオはそう言いながら私達をリードする。


「基本的に集落や文明と言う物は川沿いに発展して行くものだ。そして、今僕達はサバイバルをする為にここにいる訳じゃない。早めにここの世界の意思疎通が出来る種族と接触して情報収集をしなければいけないんだ」


レオは何時になく多弁で熱弁を繰り広げる。

それに、物凄い力説だ。


「分かっているから。誰もレオを疑わないよ」


そう肯定するとレオは「ほっ」としたように頷く。


「それに、浜辺なら『ミネラルウォーター調理開始』」


そう言うと海水と砂が巻き上がりパァンと言う音と共にガラスのコップに入ったミネラルウォーターが出現する。


そして、副産物として『塩』と『にがり』も出来てしまう。


これに関してはレオに収納して貰っている。


歩く戸棚。

もしくは、歩く倉庫。


レオって色々便利だよね。


まぁ、それは置いておいて。


「水分摂取には困らないし、海藻も採れるから海藻サラダにも困らない。この浜辺は良いことづくめだよね」


サバイバルだなんて、それこそ今の私達にはやる意味がない。


安全安心が第一だ。


何故わざわざ水源から離れる必要があろうか。


「人間に必要な衣食住。その中で最も大切な食を馬鹿にしちゃあいけないよね。皆ちゃんと食べれているかな?」


数時間前に別れてしまった地球人仲間。


彼等は今何をしているのか?


「大丈夫だろう。ここには太陽も燦々(さんさん)と照りつけているんだ。きっと獲物を仕留めて食べているだろうよ」


ラゴスは満腹になったお腹を擦りながら無責任な想像を話した。


まさか、獲物を仕留めているのではなく、獲物にされているとも知らずに。


知らぬが仏。


三人はゆっくりと浜辺を楽しみながら進むのだった。

お読み頂きありがとうございます。

また読んで頂けたら幸いです。

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