たこ焼き食いたい
コツを掴んだ私は続けて料理を作る。
作る度に魔力が捕縛魔法を使った時より持っていかれるのを感じるが、食べれば元通り。
全然、ノープロブレムよ。
「レオ。タコお願い」
気分を良くした私は空かさずレオにタコをオーダーする。
レオは「『摘出』」と唱えると、先程と同じ位のタコの塊が現れた。
「続いては『タコの丸焼き調理開始』」
クルクルとタコが再び宙に舞うと綺麗に三等分になった。
そして、今度は炎の魔法が展開する。
程好い火加減でタコが焼けて行く。
再び海水が浮かび焼けて行くタコの周りをクルクルと包み込む。
パァンと音がしたと思ったら、砂浜の上に綺麗に3つのタコの丸焼きが並んだ。
何かの秘伝のタレがついているのか、芳ばしく熱々ホクホクで丁度良い醤油味。
滅茶苦茶旨い。
「タコづくしも良いもんだな」
ラゴスがタコを頬張りながら豪快に笑う。
あっという間に食べきるラゴスに、私とレオが少しだけタコをお裾分けした。
最後の料理はラゴスに少しだけ多目にしておこう。
そう心に誓う。
「じゃあ、ラストはタコの蒸し焼きだね」
私の声にレオが再びタコを出す。
「『タコの蒸し焼き調理開始』」
って、実はタコのマリネだった。
身は固くなくふっくら、そこにワカメ等の海藻類が加わって素敵なハーモニーを醸し出している。
「旨い」
ラゴスの目が輝いた。
実は、先程から私とレオから少しづつ食材を貰って食べているラゴス。
食いしん坊。
頷けるレベルだ。
「今度はたこ焼きも食べたいな」
期待の眼差しで言って来るラゴス。
でも、ごんよ。
「材料が揃ったらね」
タコと海の物ではオギナエナイ物があるだろう?
主に小麦粉とか。
残念そうに項垂れるラゴス。
「大丈夫。それから陸地を行くのだからきっとあるよ」
取り敢えず希望の光は必要だからね。
そうして私はまんまとラゴスの鼻の前に人参をぶら下げたのであった。
☆☆☆☆☆☆☆
ちょっとレオ視点。
パーティーを組んだ者のステータス……とは言ってもHPやMPの状態と発動する魔法の順番のような物が見える。
例えばラゴス。
ドラゴンスレイヤー:レベル770
HP20%
MP80%
と出ている。
つまり、どのくらいのHPかは判らない。
以前はこと細かにステータスが分かっていただけに不便でならない。
そして、ここが肝心。
画面の上部にまるでテレビのチャンネル表示のように薄くレベル20と書いてある。
つまり、この魔法も回数をこなして行けばレベルが上がると言う事だ。
そして思う。
ドラゴンスレイヤーレベル770のラゴスのHPが20%と言うのは大分ヤバイのではないだろうか?
何故なら、太陽の下に出た時はHPが50%はあったからだ。
そう言えば、空腹で体力も消耗するからHPにも影響しているのかもしれない。
『あいつ……昔から食い意地張っていたからな……』
どこか遠い目になってしまった。
そして、今、タコ三昧の料理を全て平らげたラゴスのHPとMPが全回復している。
恐るべし、ユイの料理。
お読み頂きありがとうございます。
また読んで頂けたら幸いです。




