言葉が理解出来る
「俺すっげ~腹減ってたんだよな」
ラゴスはレオの隣を歩きながら「早く飯にしようぜ」と騒いでいる。
確かに、この世界に来てから大分時間が経っている。
移動や戦闘やらと、ちょっと考えただけでも1日に近い時間は過ぎているのではないだろうか?
「食べるのは良いとして、どうやって調理をする?生で食べるのか?相変わらず大雑把ですね。先輩」
レオが辛辣に言っている。
珍しい。
呆けて二人を見ていると。
「あぁ。ユイごめんね。ラゴスがタコを生で食べたいって言っているから、ちょっと待つように言っていたんだよ」
ニコリとそう言うレオに後ろで「ユイが英国なまりの英語が判らないと思って嘘言ってんなよ」とラゴスが喚いている。
んんんん?
どう言うこと?
「まぁ、内緒話には丁度良い良いけどさ」
更にラゴスがぼやいているけど。
私。
言っている事判るよ。
ってか、さっきから日本語だよね。
「五月蝿いですよ。先輩。あまり余計な事をいっていると見捨てますから」
しれっとレオはそんな事を言っているけど……。
もしかして、まさか……私……知らない言葉も理解出来るようになったとか?
多分これは理解出来るけど話せないって言うあれか?
それに、気のせいでなければ、確かに口の動きと言葉が違うように思う。
何となく知ってはいけない二人の会話に、ここは知らない振りをしようと心に決めたのだった。
だって、何となくこの事を言ってしまったら紳士なレオがいなくなるような気がして怖いから。
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