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モヤモヤが止まらない

世の中には聞いて良い話とそうではない話の二通りがある。


今の話は絶対後者だと私は認識した。


故に、すっごく気になるけど聞かないのが花だと自分を誤魔化す。


大人の嗜み、大人の嗜み。


呪文のように唱えているとレオがラゴスと別な話を始める。


「僕達がいない間の事を聞いていいか?」


それは、私達があの巨人さんの部屋へ入って行ってからの事だろう。


「あぁ。目の前から突然レオとユイが消えてからだな。そう言えば何で消えたんだ?転移魔法か何かか?そう言えば二人が消える前にレオが何やら話していたけど、あれって呪文か何かか?」


「「えっ?」」


「変な黒いモヤモヤに三日月お目め見ていないの?」


そこ大事。

だって、あんなに変な物だよ。

普通に気付くよね。


「何もなかったぞ。何言ってんだユイ?」


「……」


ラゴスの言い分にレオが眉をしかめる。


「その後は?」


そして、ラゴスに話を促す。


「あぁ。そんでレオ達が消えた後に回りにいた人達が見えなくなって、そしたら声が聞こえて来たんだ」


ラゴスはそう言うと疲れた顔になる。


「『貴方が生きる場所は?』『本当に望む世界は?』と、それが、あいつの声で言うんだ」


「ありがとう。ラゴス。もう良い」


レオは「すまん」とそっと言いながら背中をポンポンと叩いた。


「レオの事、散々ヘタレだって言っておきながら、俺が一番ヘタレなんだよ……」


泣きそうになるラゴスにレオは深いため息を吐いた。


「この世界はやり直す為にあるんだ。地球にいた時とは違う。もう後悔はしないように今度は全力で生きよう。ラゴスには僕の身内が迷惑を掛けた分だけ協力するって言っただろう?」


諭すようなレオの声に「十分解かっているよ」とラゴスは笑った。


二人とも何かとっても納得しているようだけど、私だけが不完全燃焼。


何故かモヤモヤが止まらない。


そうして私は二人から一歩下がった所から話を聞いていた。



お読み頂きありがとうございます。

また読んで頂けたら幸いです。

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