レオの恥ずかしい話……気になる
「ところで、いつお二人は相談されたのですか?そんな、暇ありませんでしたよね」
「おお。ナイス突っ込みだね」
私の問い掛けに何故かラゴスがノリノリで返して来る。
「たまにな、仕事上俺達パーティーに行った時にやっているんだ。仕事の話を上手く持って行く為には知り合いだとバレない方が良い時もあるからさ。ちょっとした合図みたいな。ほら、俺達ってマブダチだからさ」
ラゴスの言葉にレオが難色を示す。
「仕事云々は合っているけど、『マブダチ』って何ですか?馬鹿言ってないで、さっきの話。君の意見が聞きたい」
既に収集付かない程に話がそれた軌道をレオが無理矢理に元に戻した。
「おぉぉ。俺を頼ってくれるなんて、嬉しいね。レオ」
ニヤケ顔のラゴスに辛口口調のレオ。
何だかんだと仲が良い。
「まぁ、多分だけど。スピカが向かった方角に何かがあるんだろう。それに近付けたくない。辺りかな?」
「まぁ、妥当な意見だ。本来なら自身が危険を犯してまで前線へ出なくても良いんだし」
「そうだね。時間はかかるけど、手駒である吸血鬼の眷属辺りにやらせておけば、私達だって相当な戦力を消費したはずだしね」
そう言うとレオがそっと私の頭を撫でてくれる。
「そうだね。ユイの言う通りだ」
「あっ。お前ずり~い」
ラゴスが喚く。
「何?ラゴス、もしかしてお前もしたかったのか?」
少ししぶい顔で言うレオ。
「いや、して欲しい。俺ってばレオの良きパートナーだろう?たまには誉めて欲しい」
そう言ってレオの方へと頭を斜めにして来るラゴス。
「ラゴス……お前……馬鹿か?」
レオより頭一つ分大きなラゴスは嬉しそうに頭をレオの方へ向ける。
そんなラゴスを見てレオは大きく息を吐いた。
「わかったよ」
そう言ってレオは手をラゴスの方へと向け、大きく降り仰ぎ、その手は大きく弧を描いてラゴスの頭へと大きな拳骨を見舞わせた。
ゴツン。
大きな音と共に
「いって~」
涙目のラゴス。
「レオ。てめぇ、覚えてろよ。いつか仕返しにお前の恥ずかしい話をユイにしてやるからな」
レオを指差しながら喚くラゴス。
これが大人だったらイタイ人間だろうけど、見た目は15歳。
まだ許せる。
ってか、ギリギリ何とかセーフと言う感じだ。
「僕に恥ずかしい話なんてないですね」
キリっとラゴスを睨んだレオ。
「お前が気付かないだけで十分恥ずかしいからな」
ギャアギャア言うのはどうやら女子だけではないらしい。
「レオの恥ずかしい話。ちょっと聞いてみたいかも」
正直気になる。
「だろう。その内な」
ラゴスはそう言うと私の頭に手を当てた。
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追伸
誤字報告ありがとうございます。




