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世界の覇者って何?

何か、職業欄の下に矢印が……


ポチっと押して見ると



村娘:レベルなし

始まりの地にて、最初の夜の公爵を討ち滅ぼし者。


世界の覇者への切符を手に入れる。



世界って、あのステータスの所にもあった世界だよね。


これって元々あったのかな?

それとも……吸血鬼を退治したから?

全然注意力がない私。


「……」


それに、何か滅茶苦茶物騒なコメントなんだけど。


これがもし、吸血鬼を退治した事によって現れた矢印ならもしかして、レオも?


そう思いレオを見る。


やはり職業の下に矢印が現れていた。


人のも勝手に見て良いのだろうか?


いや、良くない。


これをしたらやっぱり覗きだよね。


フルフルと頭を降って見なかった事にする。


これはきっと触れたらアカンやつだ。


それに、いつから出ていたのかなんて断定出来ない。

やっぱり私って全然気が利かないんだよな。


同期入社の同僚から良く言われたっけ。


『お前って全然女を感じさせないのな』


悪かったな。

女子力低くって。


大体一緒に入った女子も、後から入った女子も皆次々と売れて行く。


残ったのはいつも私だけ。


40を越えた辺りから合コン(まが)いな飲み会にも誘われなくなったっけ。


『先輩がいると後輩が皆遠慮しちゃうんで』


可愛い系の後輩がそんな事を言ったっけ。

幹事をしていた別の後輩が後から謝りに来たのはもう良い思い出だよね。


そう言えば、何故かあの彼女も売れ残っていたっけ。


今時の女の子なのに、不思議だ。


私ももう少しおしとやかに振る舞えたなら人並みに恋位したのだろうか?


会社の同僚も、中高の同級生も誰にも恋心なんて芽生えなかった。


自分には結局何もなかったんだ。


そう思うと日々がとても虚しく感じる。

庶務のお局。

そう言われて来た私は、何時しか男性に大きな壁を作るようになっていたんだ。


でも、多分レオは違う。


何となくだけど、予感がする。


彼なら私の世界を変える事が出来るんじゃないかって。


相手の事を何も知らない。


地球にいた時は赤の他人。

そんな人に何を期待しているのだろうか?


私は自分を誤魔化すようにレオの手を取った。


「後一踏ん張り宜しくね。レオ」


私の言葉と共に、レオははにかんで見せた。


そして、本日四度目の飛翔魔法の発動になった。


そして、お約束の如く。

本日四度目のお姫様抱っこをされたのであった。


全然慣れない。


それとも、これが皆の普通なのだろうか?


それなら到底私では普通にはなれないな。


だって、こんなに心が落ち着かないのだから。


長いように思われたこの拷問も、仲間達の姿が見えた事により解放された。


あぁ。

仲間って良いな。

私は地球で手に出来なかった物をこの世界で手に入れるんだ。


きっと、これは私の人生のやり直し。

なりたい自分になるんだ。

そう決意した。

お読み頂きありがとうございます。

また読んで頂けたら幸いです。

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