皆はそんなに低いの干渉力?
「ステータスの下の方に新しい項目があったんだ。それが『干渉力』と言う項目だ。多分、この世界特有の物だと思う」
レオの言葉に私もステータスを開く。
下の方へ行くと確かに『干渉力』と言う項目があった。
精霊120
事象120
魔法120
世界80
……世界ってなんだ?
「精霊の干渉が今72になっています。それと、魔法が47」
アレックスの言葉に皆頷く。
「まぁ、妥当だろうな」
ラゴスさんは「ウンウン」と何故か納得している。
精霊使いのレベル950なのに精霊への干渉力が72?
少なくない?
それに……私の数値おかしくない?
「それで言ったら私なんか魔法が20だよ」
エミリーがイライラするようにぼやく。
確かに、率からすると5回に1回の割合でしか成功しないのはヤバいか……いや、この場合多分魔法は発動しないかもしれない。
だって、この率は使用度で上がる訳ではないと思うから。
「だから、戦闘になった場合神官やプリーストが居ても干渉力が少なければ魔法でアンデットと戦えないと思うんだ。それに、最初に強そうな連中は龍族にスカウトされてしまったし」
確かに、それならアンデットに効果のある魔法を使えても発動させられなければ殺られるのも納得だ。
そして、逆に言えば魔法を発動出来るのであればアンデットに勝てる見込みもあると言う事だ。
「まぁ、干渉力には思う所もあるけど、一つ言える事は魔法は必ず発動する訳ではないと言う事だ」
レオは困ったようにそう宣言する。
「それと、干渉力はレベルだけの問題とも違うと思う。先程の龍族は僕達よりレベルが低くても魔法を発動出来ていたからだ」
成る程な。
あの龍族の戦士達の中にはレベル500の者も居た。
一番強くってもレベル900はいってない。
それなのに、アレックスよりレベルが低いのに龍族は皆飛翔魔法を使えていたのだ。
「つまり、レベルと干渉力はイコールではない……と」
ラゴスさんは顎に手をあてながらそう呟いた。
強面だけど、そこは15歳の少年。
あまり凄みがない。
「プッ……何かゲームの時と違って顔が幼いとさまにならないな」
レオはそう言って笑いだした。
つられて幾人かも笑いだす。
多分ここに来て初めて笑い声を聞いたように思う。
「直ぐに年相応の姿になるさ」
ラゴスさんはプイとしながらレオに悪態をつく。
「多分それ、数十年はかかるよ」
それは壮大な計画だな。
笑い声を聞きながら私は溜め息を吐いた。
お読み頂きありがとうございます。
また読んで頂けたら幸いです。




