表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
人格事件~もうひとりの私は血で錆びた刃物~  作者: オロボ46
一日目(金)
9/35

第九話「ほおっておけ。どうせ調査の邪魔だ」

これまでの人格事件......


山田「いや、今日は有給休暇なんだ」


大五郎「なるほど......ところで、事件があった夜、あなたは何をしてましたか?」

廃田「僕のBYが買い物に行ってくれてましたよ。確か"マチナカ"というショッピングモールです」


カチャン

???(......鍵?)


こんにちは、オロボ46です。

今回は山田からスタートです。

今回からNEXT TO ○○という風に

誰の目線か解るようにしました

それでは、どうぞ

(今日は暇な有給だな......)

そう思いながら俺は公園のベンチに腰かけている。


 息子も今は学校だし、

家に居ても何もすることがない。

 ついさっきまで噂話しに

親友の影島が経営する喫茶店[青脳]に来ていたが、

話題も尽きてしまった。


(なんかやることねえかな......)

そう思いながら公園の外を見つめた時だった。


 公園の前を一人の女子高校生が横切った。

その女子高生の着ていた制服には見覚えがあった。

(亀山高校の制服だ......)




 亀山高校は俺の息子が通っている高校だ。

かつては真面目で清潔な印象が取り柄の高校だった......


 しかし、

俺の息子の「孤道」が入学したことが切っ掛けで

その印象も崩れつつある。

......と、この前の三者面談で先生に言われたらしい。


 孤道は亀山高校NO.1の問題児らしい。

他人に何か因縁を付けては暴力を振るい、

好みの女子を見つけては自分の物にしようとする。

 まさに問題児によくある行動だが、

そんな息子に育ってしまったのは恐らく俺が原因なんだろう。


 孤道の母と結婚したのは二年前だ。

その半年前に夫を亡くした彼女にとっては()()になるが......




 亀山高校の制服を着た女子高生はもう見えなくなった。

あれは、ショックを受けて途中で授業を抜けてきた様子だった。


 まさかまた、孤道が何かしたのか......?




NEXT TO ???




(......会わない)

僕は見つけた鍵が出口の扉の鍵でないことが解り、

希望が消え去った。


 僕は本の間に挟まっていた鍵の裏をよく見た。


[残念でした!]

 鍵の裏にはこう書かれていた。


(さすがにそう甘くない......か......)

僕は怒りよりも、絶望的な気持ちが大きかった。




 部屋の探索を再開した僕はある引き出しが気になった。

その引き出しは三段に別れており、一番上には鍵がかかっている。

その下の二段を調べたが、どちらも空っぽだ。


(この一番上の引き出しの鍵穴......かなり大きいな......)

試してみる価値はある。

そう思った僕は先ほどの鍵を差し込んでみた。


カチャリ


(開いた......!)

僕は引き出しを引く。


 ......その中には、何かしらの視線があった。


 それが生首だと言うことに気がつくのに

時間はかからなかった。




NEXT TO 大五郎




「ええ、確かにその人

このカウンターにいましたよ。防犯カメラにも写っています」

 俺は廃田さんが買い物に来たとされている

ショッピングモールに暗井と共に訪れていた。


 今は店員に廃田についての情報を聞いていたところだった。

「なるほど......

それでは、念のためにその時の防犯カメラを見させていただけますか?」

店員は「店長と相談してきます」と言い残して去って言った。


(ねえ、大ちゃん。

さっきから暗井くんの姿が見えないけど、どうしたの?)

気佐野が頭の中で話しかけてきた。

(ああ、暗井か?)

そう言って俺はゲームセンターの方を見た。


 暗井はクレームゲームに夢中だった。

(......)

(ほおっておけ。どうせ調査の邪魔だ)

そう言って、俺は廃田の証言を思い出した。




 廃田のBLUE-CPYの能力は人を操る能力だ。


 証言によると、

操られている本人は意識を無くし、操る側の思いのままとなる。

 ただ、操っている間は操る側の体は動かせない、

操られている本人が自由を取り戻すと数日間は意識を失ってしまうなど、

めんどくさい欠点もあるそうだ。


 彼の能力なら犯行も容易く行えることができるだろうが、

どうやらアリバイは本物のようだ。

 それに、同じ能力を持つ別のBLUE-CPYの可能性も否定できない。


 ひとまず、この操作は振り出しに戻りそうだ......




 防犯カメラが写したモニターが並んだ部屋の中で俺はあることに気がつく。

「倉庫にも防犯カメラを?」

「はい、万引き犯が倉庫の裏口から逃げたことがありまして......」

店長が説明している時、倉庫のカメラが奇妙な光景が写っていた。


 裏口の前と思われるカメラの前で、

男が誰かを突き飛ばして裏口から去って行った。

そして、突き飛ばされた人物は立ち上がり、後を追いかけた。


(暗井......!?)

なぜ暗井がこんなところに?

(大ちゃん、追いかけましょう!)

(......あ、ああ)

俺は店長を無視して部屋を後にした。




 ショッピングモールを出た俺はまもなく暗井を見つけた。


「け......警部補!?」「防犯カメラで見た! 見失ったのか!?」

 暗井は力無く頷いた。


 その時、体の感覚が消えたのを感じた。

俺の体を借りた気佐野は地面に手をつけ、目をつぶった。

「......まだ間に合うわ!」

そう言って気佐野は走り出す。慌てて暗井も後に続く。


 気佐野は数分前にその場にいた者の行方を知る能力を持っている。

数分以降の行方は知ることは出来ないが、

暗井が見失って時間が経っていなかったため、行方を知ることが出来た。


 なぜ暗井が男を追いかけているのか、

今は聞く暇もない。


 とにかく、普通の万引き犯であることを祈るだけだ......




To be continued

祐介「......今知っている顔が見えたような気がするけど」

高次(......そうか?)


いかがでしたか?

次回もお楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ