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人格事件~もうひとりの私は血で錆びた刃物~  作者: オロボ46
一日目(金)
4/35

第四話「酒飲んでいるように言わないでくれないかな・・・・・・」

これまでの人格事件......


暗井「あ、どうも......今日、ここに配属となった暗井です......」

大五郎「俺は人格事件対策課の警部補、大橋 大五郎(おおばし だいごろう)だ。

とりあえず、足手まといになるなよ」


影島「話題のスポット......確か山奥の廃墟か?」

高次(......さっそく情報が手に入れそうだな)


???(そういえば、どうして僕はここに......?)


こんにちは、オロボ46です。

今回は黒加の話から始まります。

それでは、どうぞ。

(う......うーん......)


 俺は学校の教室で目覚めた。

時計を見ると、一時間目が始まるまでまだ時間がある事がわかる。

 次に手を見てみると、ヘアゴムを握っていた。

このヘアゴムは小雪の物だ。

(そういえば、一、二時間目は俺だったんだな......)

そう思いながら、俺は次の授業の準備を始めた。




 俺の中には小雪というBLUE-CPYがいる。


 ただ、俺と彼女は互いに会話することはできず、

それぞれの意思で人格を変えることができない。

 BLUE-CPYを持つものは、互いの人格と会話できる者ばかりでなく、

意識が分断される者も存在する。

その者たちは何かのきっかけで人格を変えることができる。

 俺の場合、人格を交代するときは

ヘアゴムを使っている。

 このヘアゴムで髪をくくると俺の意識は無くなり、

その間、小雪が俺の体を動かすことになる。

 そして、小雪がヘアゴムを外すと、

俺の意識が戻る代わりに小雪の意識は無くなるわけだ。




 俺は机に置かれたメモ張を開いた。

人格を交代する前に、

互いに何かあった時はこのメモ張に書くことにしている



"○月△日(木) 8:45

特に変わったことはありません。

一、二時間、頑張ってくださいね。

              小雪"


 新しいページにはこんなことが書かれていた。

別に何もなければ書かなくてもいいのに、

小雪はいちいち書いている。


 だけど俺は小雪のことが嫌いじゃない。

小雪は行動に多少幼さが残っているが、

周りに冷たい俺とは違い、

臆病で人見知りなものの自分の身内や友達のことを大事に思っている。


 俺は小雪のことを双子の妹のように思っていた。




 チャイムがなる直前、俺は隣の席を見た。

小雪の親友、亜美が座っていた。

亜美は虚ろな表情で机を見つめていた

(そういえば、今朝、学校行くときに

小雪が行かせてくれ、て言ってたよな......

亜美と待ち合わせしていたんだっけ......?)


 そう思った時、一時間目の開始を知らせるチャイムがなった。




NEXT TO ???




 僕はライトに照らされたカッターを見つめ続けていた。


 そのカッターの刃は血のようなもので錆び付いていた。

(落ち着け......きっと怪我してそのまま放置した物なんだろう)

ひとまずそのカッターをポケットに入れて、辺りを見た。

(とにかく、ここがどこなのか確かめないと......)


 その時、すぐ後ろにドアがあることに気づいた

(開けてみるか......?)

僕はドアノブをつかみ、それをひねった。



ガチャ



 ドアノブから音が聞こえたの確認して引っ張る。



......



 ドアは開かなかった。

念のために押してみたり、横に引っ張ってみたりしても

ドアはびくともしなかった。

(閉じ込められている......!?)

そうだとしたら、これからどうなるんだろうか?


 最初は誘拐という文字が浮かんだ。

次にさっきのカッターのことを思い出すと

もう一つの可能性があることに気づいた。

(身代金目当ての誘拐だとしたら、

見張りがいるか縄で縛るはずだが......)

次第に、命の危険性を感じた。


(とにかく、ここから脱出しないと......!)

僕は部屋の探索を始めた。




NEXT TO 影島




カランカラーン


 祐介くんが帰ってからしばらくして、

再びベルが鳴った。


「よう!影島!」

友人の山田(やまだ)だ。

「山田?仕事はどうしたんだ?」

「いや、今日は有給休暇なんだ。しかし、家にいてもやることがないからさ、

とりあえず噂話でもしようと思ってな。という訳でいつもの、よろしく!」

「はいはい」

私はアイスティーを入れる。


「うーん、やっぱりこのストレートは聞くなあ!」

「酒飲んでいるように言わないでくれないかな......」




 山田は酒には目がなく、趣味がBAR巡りだ。


 一方、私はと言うと......

情けないことにアルコール3%の酒一杯でダウンだ。

実際、ノンアルコールもあまり好きじゃない。




「そういえばさ、噂話、て言ってたけど何かあるの?」

私は祐介くんのことを思い出し、山田に尋ねる。

「ああ、この辺りで女性が刺される事件があっただろう?」

やっぱり......

 山田は私が探偵をしていたころから

よく事件に巻き込まれていた。

 私が探偵を止めた後も

よくこの街の事件の情報を持っていることが多く、

警察にマークされるほどになった。


「その事件に関して面白い情報が2つあるんだ」

「......どんなの?」

「まず一つは犯人。

どうやら被害者の弟が犯人と言われているが、

その被害者の話によると服装は制服だったんだ。

しかし、身内の話によるとどうやら私服で行ったらしい。

わざわざ着替えたとするとなぜそのような行動をしたのか。

この事から警察は別の誰かが成り済ましている

可能性も検討しているらしい」


 成り済ましか......

被害者は確かに弟の顔だったと言っていたが、

仮にBLUE-CPYだとしたら

弟そっくりの顔にできても不思議ではない......


 おっと、つい昔の癖で推理してしまった......

「もう一つは被害者だ。

今はこの街の病院で安静にしているが、

警察の取り調べの後、記者たちが押し掛けてきて

精神的に疲れているらしく、

今は面会はすべて断っているらしい」

「......? 記者が押し掛ける? そこまで重要な事件なのかい?」

「なんだ?知らないのか?

仕方ないな......実際、一部のジャーナリストしか知らないことだが......」


 その後の山田の答えを聞いて、私はさっきの封筒を思い出した。


 あの時、祐介くんは何かに納得したように封筒を受け取ったが......

彼は知っていたのだろうか......?

 それとも、彼の勘のいいBLUE-CPYの

高次くんが気づいたのだろうか......




 行方不明になっている被害者の弟が、

大企業の御曹司だってことを......




To be continued

祐介「あれ?僕たちの出番は?」

高次(次回まで待て)


いかがでしたか?

上で二人がぼやいていますが、そんなことは無視して

次回もお楽しみに。

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