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人格事件~もうひとりの私は血で錆びた刃物~  作者: オロボ46
二日目(土)
29/35

第二十九話「ここで......よろしいんですか?」


これまでの人格事件......


 俺の中には小雪というBLUE-CPYがいる。


 ただ、俺と彼女は互いに会話することはできず、

それぞれの意思で人格を変えることができない。

 俺の場合、人格を交代するときはヘアゴムを使っている。


祐介「いや、今はいらないんだ」

影島「え? でもさっきコーヒー飲みに来たって......」

祐介「いいから、今は急がないといけないんだ」


大五郎「暗井......これはどういうことだ?」

暗井「警部補......知らないんですか?今日は水族館でイベントがあるんですが......」

大五郎「それと[青脳]がどう関係があるんだ?」

暗井「すぐ近くにありますが......」


ガシャン!!


亜美「あ......ああ......」

疾次「も......申し訳ありません!! すぐに手当てします!!」


高次(あの表情はただヒステリックに叫んだ顔ではない......)

祐介「つまり、彼女にあれがいるということだね」


こんにちは、オロボ46です。

今回は祐介から始まります。

それでは、どうぞ。

「本当にありがとうございました」

イヤフォンから小雪ちゃんの声が聞こえる。

窓の中にはもう人影はいなかった。

「本当によろしいんですか......? 鯉のエサやりは......」

失態をさらしてしまった疾次さんが力なく聞いてきた。

「......いいわ。これから行くところがあるから。

疾次さん、少し連れて行ってもらいたいところがあるけど、いいかしら?」

亜美ちゃんの声はまるで別人の声のようだった。

「わかりました。じい、この二人を車で送ってあげて」

「かしこまりました」

その後、小雪ちゃんと亜美ちゃん、そして疾次さんの声は聞こえなくなった。




「もしもし、もう二人は行ったかい?」

僕はイヤフォンを外し、スマホに向かって話しかけた。

「......あ、はい。じいが送って行きましたが......」

「なるほど。僕も後を追ってみるよ」

「わかりました......ところで、まだ兄は見つかっていないんですか?」

「うん、でもお兄さんが居そうな目星はついているよ」

廃墟で見かけたことはあえて黙っていた。

「それじゃあ門は疾次さんが行った後も開けておいてね」

そういって僕はスマホの電話を切った。


 僕は兎佐々木邸の庭の中、疾次さんが運転する車をバイクで追っていた。

(なあ、祐介......あの亜美っていう子だが......)

「亜美ちゃんがどうしたの?」

(少し考えたんだ。

もし彼女......もしくはそのBLUE-CPYが犯人だとしたら......)

「お? ひらめいたのかい?」

(まず亜美は兎三郎のことを知っている。

廃墟で見つけたあの写真と今日の会話がそれを語っている。

そして......初対面の亜美が祐介を見て警戒していた理由が......

()()()()()()()()()......)

「なるほど......あの時の兎三郎くんがBLUE-CPYの能力で操られていれば......

その持ち主は僕を目撃しているはずだね」


(今はこの二つしか思い付かない。

だが、もし亜美のBLUE-CPYが犯人だとすれば......)




NEXT TO 大五郎




(どうも今日はお忙しいようね......)

喫茶店[青脳]の店内で忙しく動く影島をみて

気佐野は頭の中で呟いた。

(参ったな......せっかくこの列に並んだのに......)

俺と暗井はカウンターの席で飲み物を待っていた。

「あ......あの......影島さ......」

暗井が空気も詠まずに話しかけようとするのを俺が制止する。

「まったく......小雪がいれば話しかけられたのだが......

どこに行っているんだ......?」

そう呟きながら、後ろを振り向いた時だった。


 窓の外で高級そうな車が横切った。

その後に見覚えのあるバイクが見えた。

(あれは......!?)

(祐介くんの通学用バイク......!?)

あいつが通学用に使っていたバイクだ......!!

()()()もあるから間違いない!!

いまだに愛用していたってことか......!!

「すみません、お待たせしま......」

「暗井!! 行くぞ!!」

俺は席から立ち上がった。

「はあ......でも飲んでいかないのですか......?」

「そんなもん後でいい!! 急ぐぞ!!」

俺は[青脳]から立ち去った。


カランカラーン




 徒歩である俺たちがあのバイクに追い付けるはずはない。

しかし、気佐野の能力を使えば......

行き先を知ることはできる......!!

 その後に車で追いかければ......




NEXT  TO 小雪




 交番を通り越して、車は街はずれの廃墟の前で止まった。

「ここで......よろしいんですか?」

疾次さんは戸惑いながら言った。

「ええ、結構よ。帰りは()()()で帰るから」

亜美はさっきから変だった。

ずいぶん大人びた言葉づかいをして、雰囲気すら亜美とは違っていた。

もしかして......亜美の中にBLUE-CPYが......?

でもそれならばどうして隠していたんだろう......

 私自信がBLUE-CPYでもあるけど......




 疾次さんが車で帰った後、私はふと視線が気になった。

亜美からでもない......誰かの視線が......

「......ッ!!」

私は後ろを振り返った。

誰かが後ろからつけられているような気がしたから......

「黒......小雪さん、急ぐのよ!」

そう言って亜美は私の腕を掴んで走り出した。

目の前の廃墟の入り口に向かって......


 私たちは廃墟の部屋の中にいた。

正確には亜美に連れてこられたのだけど......

「あぶなかったわね......もし()()()がついてきたのなら......」

亜美はそう呟いていた。

私は、さっきから気になっていたことを聞く決心をした。

「あの......あなたは......本当に亜美......なんですか......?」

亜美は......私の問を聞いてこちらを振り向いた。

「ええ、違うわ。亜美の親友さん」

そういって亜美......のBLUE-CPYは......




「ぅ......」

私の......髪を掴んで......

「あの男がついてきたなら、あなたの宿主さんに楽しいことを

教えてあげられなかったものね......」

私が......起きていられる......ヘアゴムを......

「ぃ......ゃ......」

「待っててね。あなたと宿主さんに悪魔らしいこと、してあげる」

......ぬ..... .い.. ....て.... ..

わ.. . ...わ. ...  ..わた.... ..お.. ....わ.. ....お.. ....俺......は.... ..


ドンドンドン!!


「......ごめんなさい。また邪魔が入ったわ」

あ.. ....みが......俺の......前で......

そう......呟いて......




ゴンッ




To be continued


いかがでしたか?

補足しますと......

黒化はヘアゴムを着けることで小雪の人格になり、

それを抜くと黒化に戻ります。

よって、最後の俺と言った人格は......?

......大五郎が言っていたあの印はもう少し後になります。


暑井「うおおおおお!!」

野球部員A「部活もあいつは燃えているな......」

野球部員B「二日目で未だに出番がないからじゃないか?」

野球部員C「もうあいつ、茶番担当でよくね?」


ようやく終盤突入です。

次回もお楽しみに!

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