第二十七話「暗井......これはどういうことだ?」
これまでの人格事件......
兎三郎くんの様子がおかしくなったのは、先週からだ。
影島さんの話なら、恐らく彼女ができた頃だから生活が変わってもおかしくはないだろう。
ただ、出かける時はいつもこう言っていた、「話題のスポットに行ってくる」と。
暗井「あの服屋が事件に関わっているんですか......?」
大五郎「その可能性が大きい。
そこで会議の結果、あの服屋を調べることとなった」
暗井「それでは......今からそこへ......」
大五郎「いや、俺たちは今から祐介の跡を追う。準備ができたらすぐに行くぞ」
祐介「ありがとう。それから、スマホの電話を切らずにポケットに入れてくれてもいいかい?」
兎三郎の弟「いいですが......でも、どうして?」
祐介「僕も二人の話を聞きたいからね。通話料は大丈夫かい?」
兎三郎の弟「わかりました。その前に、あなたたちの知っていることを話してくれませんか?」
小雪「はい......私と亜美が知っていることすべて......お伝えします」
山田「あの......どうしてこの部屋に?」
亜美の父親「いやあ、実はちょっと見てもらいたい物が......」
山田「......!!」
こんにちは、オロボ46です。
今回は大五郎から始まります。
それでは、どうぞ。
「......」
俺は目の前の光景を見て唖然とした。
喫茶店[青脳]の前に行列が出来ていたのだ。
(大ちゃん......どういうこと......?)
(俺に聞かれても困るんだが......)
普段の[青脳]では行列どころか、席が埋まることすら珍しいが......
俺は一緒に連れてきた暗井に質問した。
「暗井......これはどういうことだ?」
「警部補......知らないんですか?
今日は水族館でイベントがあるんですが......」
「それと[青脳]がどう関係があるんだ?」
「すぐ近くにありますが......」
俺は後ろを振り返った。
そこにある水族館から出てきた人々の何人かは[青脳]の行列に加わって行った。
「昨日の金曜日は水族館の休館日だったんです......
もしかして......金曜日しか来たことがなかったんですか?」
暗井が横から解説する。
「......どうりで潰れないわけだ」
(大ちゃん、それは失礼でしょ)
(ああ......すまん......)
なんだか最近は気佐野に謝ってばっかりだ。
「ところで警部補......水族館に訪れたことはありますか......?」
「いや、ない。それよりもさっさと入って切り上げるぞ」
(どうやって店内に入るの?)
「......」(......)「......」
「暗井、缶コーヒーを買って来てくれ。ブラックでな。」
「はあ......わかりました」
暗井は近くの自販機に向かって走りだす。
どうせ[青脳]の店内で頼んでもなかなかこないだろう。
俺は気長に待つ心構えで列の最後尾に立った。
NEXT TO 祐介
「......それで、私たちは兎三郎くんの家族に
何か知っていることを聞こうと思ったんです」
「そうだったんですか。すみません......僕の兄が迷惑をかけてしまって......」
イヤフォンから三人の会話が聞こえる。
僕はそれを聞きながら窓の中の様子を見ていた。
小さな依頼主は小雪ちゃんと亜美ちゃんに向かい合って会話していた。
(やはりあいつが兎三郎の恋人だったのか......)
(どうやらそうみたいだね。
だけど、本当に僕のことを知っているんだろうか?)
僕は心の声で高次と会話した。
いつもなら声に出して会話するけど、今はさすがに声は出せなかった。
「それでは、僕の知っていることを話します」
小さな依頼人は自分が知っていることを話し初めた。
依頼人と初めて会った時の情報に加えて、新たな情報を話してくれた。
昨日、無断で入ったことのない兄の部屋に初めて無断で入った。
そこではなんとレンタルした映画のDVDが大量に見つかった。
それも......全部スプラッター映画の......
彼がじい......つまり疾次さんに聞いたところ、
兄の様子がおかしくなったころかららしい......
NEXT TO 孤道
ガッシャン!
向こうの部屋からガラスの割れる音がした。
(なんだよ......うるせえなあ......)
この服屋に来てからろくなことしか起こらなかった。
いや、正確にはあいつと駄菓子屋で会った時からか?
そんなことを考えながら俺は向こうの部屋に様子を見に行った。
部屋の中の光景に、俺は固まった。
あいつが服屋の店主ともみ合っている。
部屋はガラスが散らばっており、
服屋の店主の手には......
(は......刃物......!?)
俺が固まっていると、あいつは俺の姿を見て叫んだ。
「孤道!! 警察だ!!」
俺はあいつの言葉に従って部屋を出た。
「ぐああっ!!」
向こうの部屋からあいつの悲鳴が聞こえても、俺は電話機を探した。
(......これか!!?)
俺が受話器らしき物に飛び付こうとした時......
ドンッ!!
後ろから誰かにタックルをかまされ、俺は前のめりに倒れた。
俺が立ち上がろうとすると、誰かは俺の背中に馬乗りに乗った。
「捕まえたぞ......この悪ガキめ......」
「だ......誰が悪ガキだぁ......?」
「ふん、とぼけるな。
お前は私の大切な亜美を無理やり包丁を持たせて傷つけさせた」
亜美......!?
まさか昨日の調理実習のことか......!?
「な......なんでそれだけで......」
「ふん、お前のようなチャラチャラして生きている奴にはわかるまい。
私が裁くお前の罪は......」
「まっ......待ってくれよ......殺すならあいつの方にしてくれよ......
俺は死にたくないんだ......なあ......頼むよ......」
俺は一切の恥を捨てて命乞いをした。
「......気が変わった」
「え......? それじゃあ......」
「最初は父親モドキを殺してその罪をお前に着せるはずだったが......
お前のその命乞いはなさけなさに私は失望した。だから私は......」
「う......嘘だろ......!? まだ......死にたくな......」
ピンポーン
「あのーすみませーん。警察の者ですが......
この前の殺人未遂事件でお話が......」
To be continued
影島「やっぱり小雪ちゃんがいないと大変だな......」
いかがでしたか?
次回もお楽しみに!




