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人格事件~もうひとりの私は血で錆びた刃物~  作者: オロボ46
二日目(土)
25/35

第二十五話 「土曜日に行くのは初めてじゃない......」

これまでの人格事件......


祐介「そうそう、数日前におきた殺人未遂はご存知ですね」

大五郎「それがどうしたんだ?」

祐介「この二つの事件について、何か接点はありませんでしたか?」


大五郎(くそっ......頭が痛い......)

気佐野(二日酔いよ。あんなにムキになって飲むから......いたたた......)


祐介「いや、今はいらないんだ」

影島「え? でもさっきコーヒー飲みに来たって......」

祐介「いいから、今は急がないといけないんだ」


小雪「......」

亜美「小雪......ちゃん?」

小雪「あ......いえ......あまりにも嬉しくて......」


高次(あいつには見つかるな。祐介の顔を覚えているらしい)


こんにちは、オロボ46です。

ふと気づいたら25話......

それでもまだまだ続きます!

今回は大五郎から始まります。

それでは、どうぞ。

「交番の警官が行方不明......ですか......」

俺の話を聞いた暗井は驚く素振も見せずに言った。

「ああ、交代するはずだった奴の話だと、

夜に交代で訪れた時からいなかったそうだ」

「はあ......」

「それから、放置されていた日記によると

夕方、手に傷を負った青年が交番に訪れたそうだ。

そいつの名前は......青崎 祐介」

「祐介......もしかして、昨日の......」

暗井のいつもの態度にしては、鮮明な記憶力だった。

「その可能性がある。あいつは俺が警部補に昇進した時から......

いや、本題に戻ろう。

あいつはBLUE-CPYを持っており、その能力は犯行可能だ。

俺たちはこれから奴の行方を追うぞ」

「はあ......そうですか......

ところで、さっきの会議は......?」


「会議か......? 調査の報告程度だったが......」

そう説明した俺は、二日酔いの頭で昨日の鑑定結果を思いだそうとした。

(昨日のあの服の血痕は......えっと......)

(殺人未遂事件の被害者......でしょ?)

(ああ、そうだったな......)

気佐野に教えてもらい、俺は暗井に説明した。

「昨日、服屋が被害を受けたあの服の血痕......

あれは殺人未遂事件の被害者の物だった」

「あの服屋が事件に関わっているんですか......?」

「その可能性が大きい。

そこで会議の結果、あの服屋を調べることとなった」

「それでは......今からそこへ......」

「いや、俺たちは今から祐介の跡を追う。

準備ができたらすぐに行くぞ」

そう言って俺は暗井から離れて行った。




 俺が上着を着ていると、頭の中で気佐野が話しかけてきた。

(ねえ、大ちゃん......祐介くんの居場所なんだけど......)

(大体目星はついている。あいつは[青脳]の常連客だからな......)

(でしょうねえ......でも、初めてね......)

(どうしたんだ?)

(いつも金曜日だけしか行ってなかったでしょ?

土曜日に行くのは初めてじゃない......)




NEXT TO 祐介




「ふう......ここか......」

僕は大きな門の前でバイクを止めていた。

「高次、どうだい? 兎佐々木邸のこの大きな門」

(さすがは大手企業だな......金の使いどころを大きく間違っている)

「確かにそうだけどさ......門も結構重要じゃない?

こんなに家が大きいと盗みも入ってくるし......」

(まあそうだろうが......それでも装飾まで金を使う必要が......

いや、庶民の俺が言っても仕方ないか)

「まあ、その通りだろうね。

それじゃあ、お坊ちゃんに電話をかけるとしますか」

僕はスマホを取りだし、依頼主に電話をかけた。




「もしもし......」

「もしもし、お兄さんだよ」

「ああ、わかりましたか? 僕の家......」

小さな依頼主は僕に確認を求めた。

「ここまで大きいとすぐにわかるよ」

「うん......やっぱりそうですね......」

「それでね、実は二人に気づかれないように入りたいんだ。

この門はインターフォンでかけないといけないの?」

「あ、ちょっと待って......今開けます」

依頼主がそう言うと、目の前の門が自動的に開いた。


「ありがとう。それから、スマホの電話を切らずに

ポケットに入れてくれてもいいかい?」

「いいですが......でも、どうして?」

「僕も二人の話を聞きたいからね。通話料は大丈夫かい?」

「通話料なら平気です。お父さんの会社の下請けですから......」

「さすがは兎佐々木株式会社だね。それじゃあ、電話はこのままで頼むよ」




 僕は電話をかけたままスマホをポケットに入れた。

そしてイヤフォンを取りだしてヘルメットの下から耳に装着した。

依頼人が電話を切らない限り、小雪ちゃんとのやり取りが聞こえるわけだ。


(しかし、運転中にイヤフォンフォンをつけていいのだろうか......)

「事前に忍びこんで盗聴器を仕掛けるより

よっほどクリーンな方法だと思うけどね」

そう高次に言いながら、僕はバイクを走らせた。


 広い庭の先にある、兎佐々木邸本館に向かって......




NEXT TO 小雪




「さて、到着しましたよ」

疾次さんが後ろを向いて教えてくれた。

「小雪ちゃん、降りよっか!」

亜美が横から話しかけてきた。

「そうですね......それにしても......本当に広かったですね......」

私は今までの道を見て言った。


 疾次さんが後ろの席を開けながら説明してくれた。

「先ほどの門から約三十分ほどかかっております。

実は......私もこの庭の正確な広さはよくわかっておりません。

それでは、お降りくださいませ」

疾次さんに促されて、私と亜美は車から降りた。




「これが......兎三郎くんの家......!?」

亜美は目の前のお屋敷を見て言った。


 そのお屋敷は、まるで少女漫画に出てきそうなほど立派だった。

一瞬、家の子供にベランダから水を掛けられるんじゃないかと思う。

兎三郎くんの兄弟にそんな子はいないはずだけど......


「亜美さま、小雪さま、どうぞこちらへ......」

疾次さんはお屋敷の中へと誘った。





To be continued

山田「ニヤニヤ」

孤道(こいつ、いつまでついてくるんだ......?)


いかがでしたか?

次回もお楽しみに!

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