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人格事件~もうひとりの私は血で錆びた刃物~  作者: オロボ46
二日目(土)
24/35

第二十四話「あ......いえ......あまりにも嬉しくて......」

これまでの人格事件......


亜美「小雪ちゃん! おはよう!」

小雪「おはようございます......亜美......」

影島「おはよう。亜美ちゃんも何か飲んでいく?」

亜美「あ、大丈夫です。もうそろそろ迎えがくるはずですから」

影島「迎え?」小雪「迎え......ですか?」


山田「それで、あの人が孤道をモデルにしてくれるように話してくれたんだ」

影島「孤道くんがモデルねえ......でもどうやって孤道くんを誘うんだい?」

山田「それなんだが......ちょっと黒加ちゃんの名前を使わせてもらうぜ」

影島「は?」


暗井「あ......警部補......昨日はごちそうさまでした」

大五郎「あ......ああ......」


こんにちは、オロボ46です。

今回は小雪から始まります。

それでは、どうぞ。

「さて......もうすぐ旦那様のお屋敷でございます」

車を運転していた疾次さんにそう言われて、私は窓を見た。


 窓の外には、西洋的な塀が兎三郎くんの家を隠すように立っていた。

その隙間からは庭らしき芝生が覗いていた。

「すごく高い塀だね......」

横から見ていた亜美がため息のように呟く。

「はい......本当におしゃれな塀ですね......」

私がそう答えると、疾次さんが話に入ってきた。

「あの塀は奥様の趣味でご購入されたものです」


亜美は塀を見続けた後、疾次さんに質問した。

「あの塀......何円かかりましたか?」

「そうですな......確か500万ぐらいだったと思いますが......」

ご......五百万......!?

私はその数字を聞いて目眩がした。

「小雪ちゃん!? 大丈夫!?」

「い......いえ......大丈夫......です......

ただ......値段を聞いて驚いただけですから......」

「奥様は安い買い物だったと申しておりましたよ」

そう言って疾次さんはふぉっふぉと笑っていた。

私は、兎佐々木家の膨大な財産の力を思い知った。




 門の前で車は止まった。

疾次さんはインターフォンに向かって何か言うと、門がひとりで開いた。

 疾次さんは車を発信させ、

門の先にある庭へと入って行った。


「うわあ......見て、小雪ちゃん! 池があんなに大きい!」

亜美は窓を指して言った。

私がその窓を見ると、大きな池が見えた。

広さにして......東京ドーム位かな?

「あそこではカモを飼っております。

奥様やそのお子様たちの癒しの場でもあります」

「餌やりは誰がしていますか?」

亜美はまた疾次さんに質問した。

「大体は我々使用人がしておりますが、

旦那さまや奥様、お子様が餌やりすることもあります。

話が早く済み、時間が余るようでしたら

体験していかれますか?」

「本当ですか!? やったあ!! ねえ、小雪ちゃん!」

亜美は私の顔を見て言った。

「......」

「小雪......ちゃん?」

「あ......いえ......あまりにも嬉しくて......」

「そうなんだ! それじゃあ後で二人で餌やりしようね!」

「はい......」




 亜美はいつものように元気に振る舞っていた。

だけど、昨日はあんなことがあったのに......

亜美の笑顔は、私に言えない苦しみを表していた。




NEXT TO 山田




 俺は駄菓子屋さんに訪れた。

プラモやおもちゃも売っている、今では珍しい駄菓子屋だ。

 今回は別にそれが目的ではなかった。

()()()との待ち合わせ場所がここだったからだ。




「なあ、少しまけてくれよ......」

「嫌だね。どうしてあんたにまけないといけないといけないのさ」

中では孤道がおばあちゃんと交渉していた。

孤道の手にはネックレスが握られていた。




 数日前、俺はある用で孤道の寝室に入ったことがある。

そこで俺は孤道の寝言を聞いた。

「......黒加............待てよ......」


 黒加が影島の姪であることは知っていた。

そこで、あのメールが届いた朝に

「黒加ちゃんは駄菓子屋のネックレスが気になっていたなあ~」

と孤道の耳にささやいておいた。


 もちろん、本当に黒加ちゃんが気になっていたのかどうかは定かではない。




「よう!! 孤道!!」

俺は孤道の後ろから話しかけた。

「......げっ」

「ああ、ちょうどよかった! あんたのドラ息子をなんとかしてくれよ!」

「いやいや、今回は邪魔するつもりはないぜ。恋の悩みなら尚更な」

俺は挑発的に言った。

「フン、だだだ誰がくくく黒加ななななんて......くくくくだらねえ」

孤道はそう言ってネックレスを投げ捨てて、立ち去った。


「解りやすいねえ、あんたのドラ息子」

駄菓子屋のおばあちゃんがニヤニヤして言った。

「ああ、まったくだ......あ、これいくらなんだ?」

俺はネックレスを拾っておばあちゃんに見せた。


 このネックレスは、まだまだ取引材料に使わせて貰わないとな......




NEXT TO 暗井




 自分はトイレの個室の中でスマホを取り出した。

着信音からして、廃田だ。


「もしもし......」

「僕さ! 暗井!!」

「廃田......?」

「捜査は順調?」

「はあ......全然......今、上司が会議に出ているけど......」

「そうか! そういえばさ、最近また良さげな廃墟を見つけてさ......

それがこの街の近くにあるんだよ!」

「はあ......それで......?」

「今から撮影に行くからさ、ぜひ僕の動画を見てね! それじゃあ!!」

そう言って、廃田は一方的に切った。


「おい!! 暗井はどこだ!?」

トイレに大橋警部補の大声が響いた。

「はあ......ここですが......」

自分は個室の扉を開けて言った。

「そこにいたのか!! すぐに人格事件対策課のオフィスに戻るんだ!」

大橋警部補はそう言って、トイレから去って行った。

何か急いでいたようだ。


 自分は、大橋警部補の後を追ってトイレから飛び出した。




To be continued

カランカラーン


カランカラーン

カランカラーン

影島「人がいっぱい来だしたな......」


いかがでしたか?

次回もお楽しみに!

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