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人格事件~もうひとりの私は血で錆びた刃物~  作者: オロボ46
二日目(土)
23/35

第二十三話 「ああ、男に二言はねえ」

これまでの人格事件......


暗井「警部補はお酒......飲めますか?」

大五郎「......まずは署に戻ってからだ」


祐介「久しぶり......大五郎警部補」

大五郎「......やっぱり帰って来ていたのか、祐介」


亜美「あ、大丈夫です。もうそろそろ迎えがくるはずですから」

影島「迎え?」小雪「迎え......ですか?」


影島「あのお爺さん、疾次さんって言うんだけど......

まさか昨日来たお客さんの本職が執事だったとはね......さて、今日もいつものでいいね?」


亜美の父親(私は亜美の為なら手を汚してもいい。

      だが、本来はあんな悪ガキこそ汚れるべきなのだ......)


祐介「いや、今はいらないんだ」

影島「え? でもさっきコーヒー飲みに来たって......」

祐介「いいから、今は急がないといけないんだ」


こんにちは、オロボ46です。

今回は大五郎から始まります。

それでは、どうぞ。

 俺は警察署のオフィスのテーブルで頭を抱えていた。

今、捜査している事件のこととは関係なかった。

(くそっ......頭が痛い......)

(二日酔いよ。あんなにムキになって飲むから......いたたた......)

頭の中の気佐野まで二日酔いの被害にあっていた。

(すまん......気佐野......)

こればかりは謝るしかなかった。




 昨日、署を出た俺と暗井は近くのBRAに向かった。

暗井に誘われて一緒に飲むことにしたのだ。


 俺は酒には自信があるつもりだった。

ウイスキーを一杯、二杯......と飲み続ける。

「どうだ、暗井。ここの酒はうまいだろう」

俺は上機嫌に言った。

「はあ......」

暗井はいつものようにため息のような返事をしていた。

頭の中で気佐野がささやく。

(ねえ、大ちゃん。そろそろこのくらいに......)

気佐野も少し酔ったような言い方だった。

「何を言っているんだ? まだまだこれからだろう」

俺は祐介のように宙を見て言った。

そして、暗井の腕をつかんで言った。

「おい、暗井。男はな、ただ酒が飲めるだけでは駄目だ。

飲み比べで勝利を勝ち取ってこそ男と言うもんだ」

「はあ......」

「そんなわけでなあ......お前に決闘を申し込む。

このウイスキーを数多く飲んだもんの勝ちだ。

負けた奴は買った奴のツケをはらう......どうだ?」

「ほ......本当にいいんですか?」

「ああ、男に二言はねえ。

この勝負は上司も後輩もかんけえねえ。お前も男だったら、かかってこいや」


 それ以降の記憶はあまりなかった。

途中で誰かが乱入してきたことはぼんやりと覚えているが、

それよりもはっきりと覚えていることがひとつあった。




「あ......警部補......昨日はごちそうさまでした」

暗井が何もなかったように話しかけてきた。

「あ......ああ......」

俺は頭を抱えながら言った。

「警部補......大丈夫ですか?」

「いや......大丈夫だ......いててて......」

俺は二日酔いをしている素振りを見せない暗井を疑問に思いながら

頭を抱えていた。




NEXT TO 影島




 開店してまだ間もない時、最初に来たのは山田だった。

「同じクラスの子の父親に誘われた?」

私は山田の発言に疑問を持った。


「ああ、あの人は服屋で......

よくファッション雑誌の撮影に協力しているみたいだ。

それで、あの人が孤道をモデルにしてくれるように話してくれたんだ」

「孤道くんがモデルねえ......」

私は孤道くんがモデル用の服を着ている光景を想像してみた。

(まあスタイルはいいから以外と似合いそうだな......)

私は別にいいんじゃないかなと思った。

 しかし、山田の話を詳しく聞くと

私はその話を怪しく思えてきてしまった。




 山田がそのメールを受け取ったのは昨晩のことだった。

その時の山田はBAR巡りの最中だったそうで、そうとう酔っていたらしい。

 しかも、隣の席で行っていた飲み比べに乱入して

一緒に競いあっていたもんだから、

今日の山田は二日酔いで苦しんでいる。

 今朝、頭を抱えながらスマホを見た時、

二件のメールが届いていた。

一件はお誘いのメールで、もう一件は当日の打ち合わせのメールだった。

どうやら、酔った勢いでメールの内容を特に理解せずに

すぐに返信してしまったらしい。

 それにしても、なぜ()()にする必要があるのだろうか......




「普通なら早くても1~2週間前ぐらい前から連絡するだろ?

そのファッション雑誌の事情や打ち合わせとかの関係で......

それがなぜ前日に......」

私がそう言ったが、山田は何があっても行くと言った。

「孤道のことを知るチャンスなんだ。

これを逃すと、もう来ないかもしれない......」


「そうか......でもどうやって孤道くんを誘うんだい?」

「それなんだが......ちょっと黒加ちゃんの名前を使わせてもらうぜ」

なるほど、黒加ちゃんの名m......

「は?」

「ごちそうさま!」

そう言って、山田は代金を置いて去って行った。


カランカラーン


「ちょっと待てえええ!!

どうして黒加ちゃんが関係あるんだあああ!?」


 私は混乱して、まだ客の来ない[青脳]の中で叫んだ。




NEXT TO 祐介




 僕はアパートの駐車場に止めてあるバイクにまたがっている。

(バイクがあるなら昨日の徒歩は意味なかったんじゃないか?)

頭の中で高次が聞いてきた。

「昨日は久しぶりの街をじっくり見たかったからさ」

そう言いながら、僕はヘルメットを手に取った。




 僕は今から、兎三郎くんのお宅に向かうことにした。

影島さんに場所を教えてもらって、

依頼主である兎三郎くんの弟に携帯で許可を取っている。

 目的は、小雪ちゃんの隣にいた女の子......亜美ちゃんの尾行だ。

(あいつには見つかるな。祐介の顔を覚えているらしい)

高次はそう言っていた。

確かに、僕と面識のないはずの女の子が僕の顔を知っているのはおかしい。

高次が怪しむのも仕方なかった。


 僕はバイクのエンジンをかけ、駐車場を飛び出した。

亜美ちゃんは、事件について何か知っているのだろうか......?





To be continued

疾次「あそこの喫茶店は数日前から訪れてましてなあ......

   あなたのハーモニカ、とてもお綺麗でしたよ」

小雪「い......いえ......」

  (あれ、黒加なんだけど......)


いかがでしたか?

次回もお楽しみに!

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