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人格事件~もうひとりの私は血で錆びた刃物~  作者: オロボ46
二日目(土)
22/35

第二十二話 「いいから、今は急がないといけないんだ」

これまでの人格事件......


"小雪ちゃんへ

明日、兎三郎くんの家を訪れたいと思います。

それで、できれば小雪ちゃんも一緒に来てほしいの。

あの時は勝手に帰ってしまってごめんなさい。

その理由も明日話します。

             亜美"


黒加(亜美からの手紙......早く見せないとな)


亜美の父親「亜美......心配するな......父さんはお前の味方だよ......」


祐介「久しぶり......大五郎警部補」

大五郎「......やっぱり帰って来ていたのか、祐介」


影島「なるほど......警部補にあったんだね」

祐介「本当にびっくりしたよ......警部補は相変わらずだったけど、

   まさか夜中に会うとは思わなかった......それじゃあ影島さん、もう帰るね」

影島「わかった。お休み」


こんにちは、オロボ46です。

今回は影島さんから始まります。

それでは、どうぞ。

 翌日......


 私は窓に映る朝日を見ながら

喫茶店[青脳]の開店の準備を進めていた。

(今日は土曜日だから、お客さんはそこそこ来るはずだ)

そう思いながらカウンターを拭いていた時だった。


ガタガタガタン!!


 向こうの部屋から凄い物音がした。

確かあっちは黒加ちゃんの部屋だったはずだ。

まさか寝坊して慌てているんじゃなかろうか......


バタン!

「おいおっさん! どうして起こして......」「今日の待ち合わせ場所はここだろ?」

「......」

黒加ちゃんはパジャマ姿のまま、扉の前で立っていた。

「まだ時間はあるから、着替えておいで。

朝食はいつもの所に置いているから」

「小雪には......黙っていろよ」

黒加ちゃんは恥ずかしそうに言った。

「はいはい」

私が返事すると黒加ちゃんは自分の部屋に戻って行った。




「あの......影島さん......

起きたら部屋がぐちゃぐちゃだったんですけど......何か......ありました?」

小雪ちゃんはカプチーノを飲みながら聞いた。

「さあ? そういえば、

ここで待ち合わせみたいだけど......その家の場所はわかるの?」

「いえ......亜美はそれだけしか言っていなかったので......」

そう小雪ちゃんが答えた時......


カランカラーン


「小雪ちゃん! おはよう!」

亜美ちゃんが[青脳]にやってきた。

「おはようございます......亜美......」

小雪ちゃんも挨拶を返した。

「おはよう。亜美ちゃんも何か飲んでいく?」

私は亜美ちゃんに聞いた。

「あ、大丈夫です。もうそろそろ迎えがくるはずですから」

「迎え?」「迎え......ですか?」

私と小雪ちゃんが同時に疑問に思っていると、外から車の音が聞こえた。


 窓の向こうには私では手の届きそうにない車があった。

車の運転席から誰かが降りてきて、[青脳]の扉を開いた。


カランカラーン




NEXT TO 祐介




「なんだろうね......あの車......」

喫茶店[青脳]の前で停められている車を見て、僕は高次に聞いた。

(そんなこと、知るわけが......

いや......これは......兎佐々木ブランドの車だ!)

「どうしてわかったの?」

(そこに兎のエンブレムがあるからだ)

「......本当だ」

その車には、兎を象ったエンブレムが付けられていた。

「ひとまず、[青脳]の中に入ろうか」

(ああ、そうだな)




カランカラーン


 [青脳]の扉を開けた僕はある人物と目があって固まった。

店内には影島さんと執事のような老人、

そして小雪ちゃん......の隣にもう一人、見覚えのある顔があった。

(廃墟で見つけた写真の、兎三郎の隣にいたやつだ......!)

高次が説明してくれた。

「あ、祐介くん、どうしたんだい?」

影島さんが僕の姿を見て言った。

「あ......ああ......いや、朝のコーヒーを飲みに......ね」

僕が影島さんと話している間、

小雪ちゃんともう一人の女の子は老人に促されて外に出た。


 それは、見覚えのある女の子が僕の横を通り過ぎた時だった。

「......」

女の子は僕の顔を見た。

「......?」(......!!)

女の子はすぐに扉を開けて、去って行った。


カランカラーン


「あのお爺さん、疾次(しつじ)さんって言うんだけど......

まさか昨日来たお客さんの本職が執事(しつじ)だったとはね......

さて、今日もいつものでいいね?」

影島さんはコーヒーを入れ始めた。

「いや、今はいらないんだ」

僕はカウンターに肘を置いて言った。

「え? でもさっきコーヒー飲みに来たって......」

「いいから、今は急がないといけないんだ」




NEXT TO ???




 亜美は、友達の所に遊びに行った。

亜美の友達は私も参観日の日で見たことがある。

とても誠実で、教養のありそうな女の子だった。

亜美の選んだ友達だから、きっと大丈夫であろう。


 さて......奴らが来るまでまだ少し時間があるな......

昨日の夜、私は学校の悪ガキの父親にメールを送った。

参観日の日にあった時から、

ヘラヘラと笑っており、まさに父親の資格はない男だった。

現に今、あんな男が育てた息子は学校一の問題児となっている。

 私の亜美に変な影響を受けては困る。

学校も学校で、そんな奴はさっさと退学させてほしかった。

しかし、学校もなかなか動かないだろう。

私は今日の日の為に電話番号とメールアドレスを交換しておいた。




 メールの内容はざっとこうだった。

"ファッション雑誌がモデルを探しているので息子さんと一緒にどうですか"

あのヘラヘラと生きている父親だ。

簡単に引っ掛かるであろう。

 あの親子がここに来た時......今までの人生を思い改めさせてやる......

私にはその勇気があった。


 なぜなら......私はすでに手を汚している。

私の汚れた手はあの悪ガキに擦り付けるとしよう......

 私は亜美の為なら手を汚してもいい。

だが、本来はあんな悪ガキこそ汚れるべきなのだ......




To be continued

山田「うう......二日酔いだ......」

孤道「......」


いかがでしたか?

次回もお楽しみに!

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