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人格事件~もうひとりの私は血で錆びた刃物~  作者: オロボ46
一日目(金)
18/35

第十八話「いや、これは思わぬ収穫だよ」

これまでの人格事件......


黒加「......何のようだ?」

孤道「それでいいんだ。まったく、もじもじBP野郎よりもてめえの本性の方がかわいいぜ」


祐介「どうも臭いと思ったらこれか......」

引き出しの中にはエグエグしい生首が"なかまに なりたそうにこちらをみている"。

高次(偽物......というわけじゃ無さそうだな......)


大五郎「こいつは......?」

亜美の父親「刑事さん......どう思いますか?」


影島「さて、本日二杯目のコーヒーでも飲むかい?」

祐介「いや......ちょっと気になることがあってね......それを調べて来てからでいい?」


大五郎「......ショッピングモールの[マンナカ]、知っていますよね?

今日、そこで死体が発見されたのはご存知ですか?」


こんにちは、オロボ46です。

今回は大五郎から始まります。

それでは、どうぞ。

 俺は暗井と共に通報を受けて服屋に来ていた。

若者が商品である男子制服を汚したまま、そのまま帰ったらしい。

 普段ならこの程度でわざわざ面倒を見ることはなかったが、

少し気になることがあって来ることにした。




「いえ......知りませんでしたが......」

俺の問いに、店主は少し驚いたような顔をしていた。

「そうですか......

ところで、あなたはその時、どこに居ましたか?」

「どこって......友人との待ち合わせで公園に言ってただけですよ」

「友人には会えたんですか?」

「会えてないですが......それよりも、

数日前も同じような質問しませんでしたか?」

店主は急に声をあらげた。

「数日前の事件とは......別なんですが......」

店主の態度に、俺は下手に出てしまった。

「いいから、もう帰ってください!」

店主に圧倒されて俺たちは追い返された。




(追い返されて当然よ。特に根拠はなかったんでしょ?)

(すまん......)

帰り道、俺は気佐野に指摘されて縮こまっていた。


 あの店主は何か隠している。

数日前の殺人未遂の時、彼に聞き込みをしたときの第一印象がそうだった。

 しかし、それはカンというもので根拠はなかった。




「あの......警部補......」

「......なんだ?」

「警部補はお酒......飲めますか?」

「......お前はどうなんだ?」

俺が聞くと、暗井は自分の胸を叩いた。

「......まずは署に戻ってからだ」

俺はそう呟いて受け取った制服を抱えて警察署へと向かった。


 新人の面倒から始まりまり、

ショッピングモールの死体に服屋の店主の行動......

それに、"アイツの登場"......


 今日はいろいろ疲れたな......




NEXT TO 祐介




「高次、あの交番で見たニュース......見た?」

僕はある場所に向かって歩いていた。


(ショッピングモールで死体が発見された......だろ?)

「ちょっと見ていかないかい?」

(......依頼とは関係ないんじゃないか?)

「まあ一応ね。買い出しの時間もなかったからさ」




 僕はショッピングモールにたどり着いた。

店内は死体が発見されたとは思えないほどいつも通りだった。

 ただ、従業員用トイレの前には警察が見張っていた。

おそらく、現場はあそこだろう。

(祐介、どうするんだ?)

「中に入らなくていいさ。どんな状況かを聞けばね」

(......わかった)

高次は僕の体で右手を向けた。

小雪ちゃんのおかげで、痛みはほぼなかった。


「あの、あの死体のことだが.....」

高次は警察に話しかけた。

「ん......?どうしたんだ?」

彼から見て僕の姿は同僚警官に見えている。

「どんな感じに死んでいたんだっけ......」

「よくわからんが......話によれば首なし死体らしいぜ」

(首なし......!!)

僕は廃墟で見つけた生首を思い出した。

「何でも、結構匂いがひどかったらしいぜ?

市民にショックを与えないように首なしという部分は隠しているがな」

(祐介......まさか......)

(いや、これは思わぬ収穫だよ。ただの好奇心で近づいただけだし......)




NEXT TO 孤道




がちゃ......


「あら! 孤道ちゃん! お帰りなさい!」

浮気女が俺に近づいてくる。

「......」

「今日、父さんは有給よ。どこか歩いているけど......」

「......」

俺は浮気女を無視して自分の部屋に戻った。




 俺の親父はプロ野球選手だった。

俺の誇れる、唯一の父親だった。

 しかし、二年前にトラックで跳ねられてあの世に行ってしまった。

 俺は、親父との約束でまっすぐ生きると誓った......なのに......

あの女は、夫である親父を裏切った。


 半年も経たない内に山田という酔っぱらいと付き合い始め、結婚した。

俺は失望した。まっすぐに進む道が急に途切れた気持ちだった。

もうどこに進んでいるのかわからなかった。

気づいたら、まっすぐ進む道から遠く離れていた......


 今さらうじうじしていてももう戻れない。

俺はもう道を踏み外している。

ここまで来たら、徹底的にグレてやる......




 俺は本棚にある小説を手にとった。

探偵モノのハードボイルドだ。

(今日はこのページだったな......)

俺はページをめくり、読み始めた。




(......)

内容が入ってこない。


 ふと気づくと、いつの間にか別の場面になっている。

この状態はつい最近から続いていた。

 なぜだろうか......ハードボイルドは男のたしなみと

俺は勝手に解釈しているが......


「......用がないなら帰れ」

突然、聞き覚えのある声が聞こえた。

昼間の黒加の声だった。


 集中できない時、いつもあいつの顔が出てくる。

こういうのは小説でよくある......

(いや、そんなはずはない)

俺はあの浮気女の息子だ。

気に入った女は必ずモノにし、いらなくなったらすぐに捨てる男だ。

 黒加も、いつか捨ててやる。

そうすれば小説も集中して読めるはずだ。


 俺は小説の次のページをめくった。


To be continued

暑井「うおおおおおおお!!」

男子生徒A「あいつ、部活もいつもより燃えているな......」

男子生徒B「最近出番ないからじゃないか?」

男子生徒C「あれ? 体育の授業で見たことあるような展開......」


いかがでしたか?

なお、最近投稿ペースが異常に早かったのですが、

月曜日から投稿ペースは落ちます。

(不定期だからね、仕方ないね)


次回もお楽しみに!

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