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人格事件~もうひとりの私は血で錆びた刃物~  作者: オロボ46
一日目(金)
17/35

第十七話「......何が見えます?」

これまでの人格事件......


小雪「あの......影島さん......? ミルクティーの方、やらせてもらっていいでしょうか?」

気佐野(あの子は......自分に秘められている力を悪用せず、それを抱えているのに他人と接しようとしているわ......)

大五郎(油断するな。時が変われば考え方も変わる......あいつは特別注意能力持ちだからな......)


グサッ

祐介「ぐっ......!」

兎三郎「うふふふ......」


祐介「病院じゃないって言われそうだけど、

包帯と消毒薬は貸してもらえるかな......」


亜美の父親「悪ガキだな......! 悪ガキが亜美にこんなことを......!」

亜美「違うの! これは私の不注意で......」


大五郎「......わかった。ただ、俺に行かせてくれ。

ちょっと気になることがあってな......ああ、すまないな」


亜美の父親「亜美......心配するな......父さんはお前の味方だよ......」


こんにちは、オロボ46です。

今回は祐介から始まります。

それでは、どうぞ。

カランカラーン


 僕は[青脳]の扉を開けた。

「いらっしゃいませ......」

中には髪を髪ゴムで止めた少女がいた。


「......どこかでお会いしませんでしたか?」

(ちょ......おま)

僕は少し意地悪をすることにした。

「え......?そ......そうですね......」

少女は真剣な顔で思いだそうとしている。

「ほら......この前、一緒にデートしましたよね?

覚えてます?海に行ったこと......」

「海......ですか......確か......一緒に行った覚えが......」

「私の姪をからかわないでくれないかな? 祐介くん?」

トイレから影島さんが出てきた。


「ああ、せっかく引っ掛かりそうだったのに......」

僕は悔しそうに頭をかいた。

(さすがに無理があるだろ......

第一、"どこかでお会いしませんでしたか"なんて二回目に言うセリフだぞ。

初対面の相手を海にデートでも誘ったのか?)

高次が頭の中でツッコミを入れている間、

少女は首を傾げて思いだそうとし続けている。

「......? あ! 祐介さんですか!?」

ようやく思い出したらしい。

「そうだよ、小雪ちゃん。ちょっと前にこの街を飛び出した祐介さ。

高次も相変わらず元気だよ」

「そうなんですか......!

ということは......前から夢だった......」

「ああ、私立探偵さ。事務所がまだ決まってないけど」

「よかったあ......

いつも影島さんの話聞きにきていたのに

急にいなくなって......本当に......心配しちゃいました......」

小雪ちゃんは胸に手を当て、ホッとした笑顔を見せた。

その笑顔はなぜか疲れも消え去るような不思議な笑顔だった。


 ......言葉のおかげだと思うけど。




「捜査は順調かい? とりあえず座りなよ。」

影島さんが席を勧める。

「あ......えっとね......ちょっと高次に変わるよ」

そう言って僕の体を高次に託す。

「......影島さん、ちょっと実験台になってもらっていいですか?」

高次は包帯で巻かれた右手を見せながら言った。




NEXT TO ???




「こいつは......?」

店の防犯カメラを見せて、

体格の大きい刑事は驚いたように犯行の瞬間を見つめていた。

その後ろで私ともう一人の刑事がいる。


「刑事さん......どう思いますか?」

私は大きい刑事に聞いた。

「......どうも制服に触れている様子は写ってないので、

証拠としては不十分ですな。

まあ、その血のついた制服を調べればわかりますよ」

「わかりました。すぐに持ってきます」

あのクソガキと悪魔の犯行を認めてくれて、

私は軽くなった足取りで例の制服を取りに行った。




「あの......警部補...... 気になることって......」

「例の事件だ」

私が戻ってくると、二人の刑事はひそひそと話し合っていた。

(例の事件......? そうか、あの悪魔が起こした他の事件だな)

それならあの刑事の驚きもわかる。

ここは捜査に協力して、クソガキと悪魔を捕まえてもらおうか。


「刑事さん、これが例の制服です」

私は血のようなものがついた制服を渡した。

「ああ、どうも......あ、そういえば......」

大きい刑事は制服を受けとると、私に何か聞きたいような素振りを見せた。

(さあ、どんな事件だ?

亜美の身の危険を守ってくれるなら、何でも話すぞ......)


「......ショッピングモールの[マンナカ]、知っていますよね?

今日、そこで死体が発見されたのはご存知ですか?」


 ......私の顔は凍りついた。




NEXT TO 小雪




「......何が見えます?」

祐介さんのBLUE-CPY、高次さんは

影島さんに右手を向けて話しかけている。


「しか......いや、三角かな......?」

「......やっぱり駄目か。五角形のつもりなんだが......」

そう言って高次さんは目を閉じて、祐介さんの表情になった。

「......実はちょっとケガをしちゃってね。

浅い傷なんだけど傷の付き方がちょっと......って思って」

「そうか......高次くんは右手から幻を出しているらしいからね」

影島さんは祐介さんの右手のケガを見た。

「うん、そういうこと」

祐介さんは頷いた。

「あの......私に......治させてもらえませんか......?」

私は手を上げて言った。




 祐介さんに右手の包帯を取ってもらう。

その傷は何かが食い込んだような傷だった。

「まだかさぶたができていなくて......ッ!」

祐介さんはまだ痛むようだった。

 私は、目を閉じて喋り始めた。

「大丈夫です......きっとすぐに治りますよ......

少し我慢すれば......痛みもないはずです」

 そして、再び包帯を巻いた。




「さて、本日二杯目のコーヒーでも飲むかい?」

影島さんが祐介さんに聞いている。

「いや......ちょっと気になることがあってね......

それを調べて来てからでいい?」

「ああ、待っているよ」

影島さんがそう言うと、

祐介さんはカウンターから離れて入り口の扉に立った。

「小雪ちゃん、ありがとう」

祐介さんは右手を上げながら言って、扉を開けた。


カランカラーン


「祐介さん......大丈夫でしょうか......?」

私の言葉に、影島さんが答えてくれる。

「大丈夫さ。君のその力のおかげでね」

「そう......ですよね」


 私は言葉に特別な力を込めることができる。

これできっと......傷も早く治ると思う......




To be continued

山田「今日はどこのBARにしようかな......」

いかがでしたか?

次回もお楽しみに!

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