第十二話「どうも臭いと思ったらこれか......」
これまでの人格事件......
???(これなら......あの木の板を外すことができる......!!)
"授業の方は特にありません"
黒加(小雪......俺に言えないことなのか?)
祐介「一応報告だよ。そろそろ噂の場所に行こうと思って」
影島「そうかい......それじゃあ、気をつけるんだよ」
高次(嫌な予感がする......とにかく、用心しながら行くしかないな......)
こんにちは、オロボ46です。
今回は廃墟の中から始まります。
それでは、どうぞ。
太陽の光が射し込んでいる。
首を捕まれている彼の汗が光で輝いていて綺麗だ。
先端が血にまみれたバールは
持ち主を待つように床で寝転がっていた。
私が、彼の頬にキスをすると、
彼の見開いた目が次第に細くなっていき......
彼は電気で痺れたように体を震わせながら
その場に倒れた。
それを確認した私は、
彼が一生懸命開けた窓から飛び降りた。
NEXT TO 小雪
私は、ベットのような場所で目覚めた。
「......どう? 楽になった?」
目の前には保険室の先生がいた。
(......? ここは......?)
普段は教室で目が覚めるはずだから、
こんな所で目が覚めるなんておかしい......
(......保険......室......?)
私は周りを見渡して、
ここが保険室だということに気づいた。
「さっきの体育の授業中、黒加ちゃんが急に座り込んじゃってね。
様子がおかしいって先生が保険室に連れてくたの」
保険の先生が説明を初めてくれた。
「まさか......熱中症でしょうか......?」
「ううん、極めて健康よ。
ただ、精神的ショックを受けていたみたいだけど......」
精神的ショック......?
「あの......さっきの体育で、何があったのですか......?」
「よくわからないけど......そういえば、警察が来ていたみたいよ」
警察......
黒加......そんなに怖い思いをしていたんだ......
「それでね、黒加ちゃんはしばらく黙っていたけど
次の授業の話をしたら、
"小雪に変わっていいですか"って言ってたわ。」
保険の先生が説明を続けている中で、
私は黒加が落ち込んでいる理由を考えた。
(もしかして、私の隠しごとに気づいて......)
亜美の様子がおかしい理由は黒加に話していない。
勝手に話したらいけないと思って、嘘を通し続けようと思っていた。
だけど......やっぱりわかっちゃうのかな......
「小雪ちゃん? 大丈夫?」
先生が顔を除かせている。
「いえ、大丈夫です......
あ、あの......もう教室に帰って大丈夫でしょうか......?」
「ええ、いいけど......無理しちゃ駄目よ?」
私は保険の先生に一言お礼を言ってから保険室を後にした。
黒加に......すべてを話そう......
そして、今まで嘘ついていたことで謝らないと......
NEXT TO 祐介
「それにしても......本当に古いなあ......」
僕は廃墟の中を探索している。
かつては病院であっただろうか、
窓から差し込む光で懐中電灯の出番はないだろうと思った。
(......祐介、さっきの扉だ)
高次が頭の中でささやく。
「ん? さっきの扉ってあれかい?」
僕は通り過ぎた扉を見る。
(おかしくないか? 扉が開いている......)
「ああ、確かにそうだね」
その扉は、最近誰かが出入りしたように開いている。
「どうも臭いと思ったらこれか......」
僕は部屋の中の引き出しを開けて呟いた。
引き出しの中にはエグエグしい生首が
"なかまに なりたそうにこちらをみている"。
片目は抜き取られており、その上で数匹のハエが喜びのワルツを踊る。
(偽物......というわけじゃ無さそうだな......)
そう呟く高次に、僕は揺さぶりを入れてみることにしよう。
「高次、これも犯人の仕業と思うかい?」
(いや......それはまだわからんが......)
まあ、そうだろうね......
そう思いながら僕は引き出しを閉めた。
(祐介、思ったんだが......
窓もおかしくないか......?)
「ん......? この木の板のこと?」
僕は光の差し込む窓を見る。
窓の上半分が木の板で打ち付けられていた。
(これは......出さないように打ち付けられていたみたいだな)
高次は木の板を観察している。
ふと足元を見てみると、
木の板が転がっていることに気づく。
僕は入ってきた扉を閉めて、
落ちていた木の板を窓の下半分に合わせてみる。
「......これでほぼ光は入ってこないね」
部屋は暗闇で包まれていた。
光は少しだけ漏れていたが、しっかり打ち付ければ何も見えないだろう。
「まるで誰かを閉じ込めていたかのようだな......」
そう高次が呟いたとき......
カチャ
後ろの扉が開く音が聞こえた。
板をその場に捨てて振り替えると、部屋の入り口に誰かが立っていた。
太陽の光が彼の姿を写し出していた。
「君は......兎三郎くん......!?」
被害者の弟であり、依頼主の兄であり......
そして、兎佐々木株式会社の御曹司である兎三郎くんが、
バールらしきものを手に立っている。
「う......うふふふ......」
兎三郎くんは不気味に笑いながら、近づいてくる。
(......様子がおかしいぞ、気をつけろ!)
「言われなくてもわかっているさ」
近づいてきた兎三郎くんは、
バールを持つ右手を振り上げて......
廃墟に鉄の音が響き渡った......
To be continued
暗井「警部補......思ったんですが、
車は私が運転すべきなんじゃあ......」
大五郎「今さら言われてもなあ......」
いかがでしたか?
黒加が座り込んだ理由は別にありそうですが......
まあ、次回もお楽しみに!