鄭と言う若者
翌朝、三人は隣街に向かった。
荒野を日中走り隣街に着いた。
「ここだ」
鄭がそう言った場所は賭博場だった。
三人で中に入ると女がいた。
「ちっ、またやられたか」客の1人が嘆く。
その時、大声で叫ぶ者がいた。
「いかさまだ」その声を聞いて客が騒ぎ始めた。
屈強な男達が出てきた。
「人聞きの悪い事を言うな」男達は言い、叫んだ男を取り囲んだ。
「待ちなさい」女が言った。
「イカサマと言うなら、もう一度勝負してみましょう」
「よし」男が言った。
女と男の勝負が始まった。
皆が注目して見ている。
「ウム」勝負は女が勝った。
「さあ、どうする」男達が言った。
勝負に負けた男は拳脚を振るい暴れ出した。
「よし行くぞ」李は仲間に言われた。しかし、躊躇していた。乱闘の中、李は言った。「今の勝負はおかしかった」一同の視線が李に注がれた。
「何がおかしい」女が言った。
「金を払うから見逃せてやれ」李は言った。
「ふん」と鼻で笑い、女は金を受け取った。それを見届け李達は表に出た。
男は李に駆け寄り「ありがとうございました」と言った。
「別に感謝する事は無い。おかしいから言っただけです」と李は言った。
「どちらにお住まいですか?」と男が尋ねる。
李は「旅をしているので宿に泊まります」と答えた。
「私は陳と言います。是非ともウチに来て下さい」と言った。「李行けよ」鄭達も勧めたため李は陳のウチに行く事になった。